2010年9月26日

『ドラッカー日本への言葉』望月護・著 vol.2258

【ドラッカーが賞賛した明治の経営者とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396613768

『もしドラ』の影響で、空前のドラッカーブームとなっていますが、本日の一冊も、そんなドラッカー本のなかの一冊。

日本経済に即したドラッカー研究で知られる故・望月護さんによる一冊で、もともと出されていた『ドラッカーの箴言 日本は、よみがえる』と『ドラッカーと福沢諭吉』の2冊のエッセンスを抽出し、再編したもの。

内容は、ドラッカーが認めた明治時代の「3人の重要な人物」、福沢諭吉、渋沢栄一、岩崎弥太郎とドラッカーの教えをリンクさせたもの。

ドラッカー本として読むと、内容的にギャップがあるかもしれませんが、明治期の偉人たちの物語として読むと、じつに貴重な示唆が得られる一冊です。

実際には、この3人に加え、小林一三や浅野セメントの創業者・浅野総一郎、「製紙王」藤原銀次郎、「電力の鬼」松永安左エ門など、さまざまな名経営者を取り上げ、それぞれの成功要因、ビジネスモデルなどを解説しているため、実業のヒントとしても読めます。

古いビジネスモデルが行き詰った現在、彼らがどうやって事業を展開していったのかを知ることは、きっと新たなビジネス創出の機会につながると思います。

経営者、および起業家を目指す方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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渋沢(栄一)は、パリで一人の銀行家に会う。そしてこの銀行家から、「多くの人たちから集めた資金を賢い経営者に貸し、大きな事業をさせれば、儲けた利益がみんなに還元される。結果として国も豊かになり栄えるのだ」と聞いて驚く

ベルギーの製鉄所を見学した後、国王に謁見したところ、国王から、「鉄を使う国は豊かになる。将来、日本が鉄を必要とする時には、ぜひベルギーから買ってくれ」と言われた。渋沢には、国王がまるで商人のように思えた。国を豊かにすることが国王の仕事だと気がついたのは、だいぶ後になってからのことである

徳川時代は、不景気になるとみんなが「お伊勢参り」に出かけた。とくに元禄バブルが弾けた宝永年間(一七〇四年ごろ)には、お伊勢参りが大流行し、なんと二カ月の間に三六〇万人が出かけたという記録が残っている。三六〇万人と言えば当時の日本人の一割以上に当たる

岩崎と渋沢は、たんなる豊かな日本ではなく、創造力のある強い日本をつくろうとした。いずれも、経済発展の本質は、貧しい人たちを豊かにすることではなく、貧しい人たちの生産性を高めることであることを知っていた(ドラッカー『断絶の時代』)

掘った石炭は船で輸送するから、炭鉱事業と海運事業はお互いに補完し合って事業を伸ばすことができる。岩崎は西南戦争で儲けたカネにさらに借金をして、石炭鉱山を大量に買い漁った。一八八一年(明治一四年)には、長崎港外の小島にある高島炭鉱の払い下げを受けた。石炭を売るために販売部門をつくった。この販売部門(売炭部と言った)は、後に三菱商事となる

三菱が「組織の三菱」と謳われ、発展したのは、岩崎の死後、持ち株会社としてのオーナー家と、個々の事業会社の経営を分離したからである。この「組織改革」を、ドラッカーは、日本でもっとも自立的な経営管理陣をつくりあげた。(『抄訳 マネジメント』)と評価している

ドラッカーによれば、イノベーションとは単なる技術革新を指すのではなく、「儲かっていない活動を、儲かる活動につくり変えること」

小林(一三)の目に留まったのは、乗客が抱えている荷物だった。そうだ、お客にとって買い物は限りなく駅のそばが便利なのだ―。この発想から生まれたのが日本初のターミナルデパート・阪急百貨店である

「いくらよいアイデアがあっても、カネがないと惨めな思いをする」(小林一三 全国高校野球大会のお客を奪われた時の言葉)

浅野(総一郎)は、捨てられていたものをもう一度生かすことによって大儲けしたのだ

ある時、福沢(諭吉)の優れた業績に対して勲章を授与すると伝えに来た人物がいた。福沢は怒った。「誉める、誉めないとは何のことだ。学者を誉めると言うなら、隣の豆腐屋も誉めたらどうなんだ」そう言って、叙勲の話をにべもなく断わっている

生き甲斐のある環境をつくることが本来の経営の目的であるはずだ

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『ドラッカー日本への言葉』望月護・著 祥伝社
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◆目次◆

序文 なぜ今、「明治の日本人」が重要なのか
監修者まえがき 竹村健一
著者まえがき 望月護
第1章 なぜドラッカーは日本の経営者を評価したのか
第2章 「株式会社の生みの親」渋沢栄一と、「三菱の創業者」岩崎弥太郎
第3章 日本のイノベーターたちの功績
第4章 福沢諭吉の「智」は、ドラッカーの「ナレッジ」
第5章 「利益」を正しく追求した、松下幸之助
第6章 ドラッカーと日本、そして日本人―「企業は人なり」

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