【100万部『思考の整理学』に続編登場?】
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明日は、エリエス主催のビジネスセミナーの日ですが、土井は日頃、セミナー参加者に口酸っぱく言っていることがあります。
それは、「セミナーでは極力メモを取ってはいけない」ということ。
なぜなら、メモを取ることで注意力が散漫になり、活字では伝わらないニュアンスや感情を逃してしまうから。
さらには、メモを取ることで満足してしまい、せっかくアイデアを得ても、それを活用する気がなくなってしまうからです。
島田紳助さんが後輩に自己プロデュースの極意を伝えた名DVD、『紳竜の研究』を観た人は、おそらく単行本『自己プロデュース力』が出ても、やはりDVDの方を薦めたと思いますが、それは、書籍では絶対に伝えられない情緒や本心、感情が伝わるからです。
※参考:『紳竜の研究』
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※参考:『自己プロデュース力』
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思うに、クリエイティブな仕事をする人は、すべての知識を網羅する誘惑と、忘却の恐怖に打ち勝つ必要がある。
そのことを述べたのが、本日ご紹介する『忘却の整理学』です。
100万部ベストセラー『思考の整理学』の続編という謳い文句ではありますが、正直、それほどの内容ではありません。
※参考:『思考の整理学』
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ただ、われわれを「忘却性悪説」から自由にしてくれ、知的生産性と実行力を高めてくれる、という点では参考になる本だと思います。
忘却が失敗の再発を防ぎ、アイデアを生み、嫌な過去を美しく変えてくれる。
人間らしく生きるために、クリエイティブに生きるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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忘れっぽくても、よい頭はよい頭である。それどころか、新しいことを考えるには忘却の助けが必要である
オリジナルなテーマを見つけるには記憶型人間より自由な考えのできる頭の方がすぐれているのではないか
「忘れることのできる能力こそ大器の証である」(エルバート・ハッバード)
「知ることを、ときに忘れることこそ緊要である」(イギリスの古諺)
「思い出は人生の彩りであるが、忘却があってこそ人生は生きるに
たえられるものになる」(エンリコ・クラルドニ)
取捨の判断は、その人間の、深層化している価値観、好悪、利害、快不快などのつくり上げているネットワークを通すことで暗々裡に行なわれる。きわめて個人的、個性的で、忘れ方は人によってみな違う
人間の記憶は、生理的・心理的であって物理的ではない
記憶はなにもかもすべて覚えようとする。それに対して、忘却は、成功したところ、よいところだけをのこし、よくないところ、失敗したことが、後に尾をひいて繰り返されないように、取り払ってくれるのである
ふるさとを、なつかしく、美しきところとするのは、記憶と忘却の合力である。とりわけ、美しくしているのは忘却の心である。ふるさとには近づいてはいけないのである
入ってくるもの、インプレッションが激増したのだから、それに見合う排出能力、エクスプレッション力がないと閉塞状況を招き、由々しきことになる
考えられるのは、いずれも空腹時ということである。胃の中に、食べたものが入っていて、その消化にエネルギーをとられるとき、頭の活動も低調になるのではないか
頭の働きということから言えば、徹夜などもってのほか
中国・北宋の政治家・学者である欧陽脩が、文章を練るのにもっともよいところとして三上ということを言った。すなわち、馬上、枕上、厠上である。いまなら、通勤などの車中、朝、目がさめたとき、トイレの中といったところである
原稿は風を入れて、ひととき寝かせてやらないと、うまい推敲にならない
未知のことを読みとる能力を養うには、母国語が必ずしも有効ではない
メモをとった話は結局、聴いたことにならないのだ、ということに気づかないのは問題である。忠実にメモしたつもりでも、話半分も書きとれないし、字を書くのに気をとられているから、話は頭を素通り。あとには何も残らない。メモしたから、後で読めばと本人は考えるが、お生憎さま、メモはまず後で読むことはない
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『忘却の整理学』筑摩書房 外山滋比古・著
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◆目次◆
まえがき
I
忘却とは……
選択的記憶と選択的忘却
忘却は内助の功
記憶の変化・変貌
入れたら出す
知的メタボリック症候群
思考力のリハビリ
記憶と忘却で編集される過去
ハイブリッド思考
II
空腹時の頭はフル回転
思考に最適──三上・三中
感情のガス抜き
風を入れる
カタルシスは忘却
スクリーニングが個性を作る
継続の危険性
解釈の味方
III
よく遊びよく学べ
一夜漬けの功罪
メモはしないほうが良い
思い出はみな美しい
ひとつでは多すぎる
“絶対語感”と三つ子の魂
無敵は大敵
頭の働きを良くする
あとがき
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