2010年1月22日

『7割は課長にさえなれません』城繁幸・著 vol.2013

【サラリーマン絶望論?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569777015

先日、J-WAVE「PLATOn」で数多くの就職活動生から悩み相談を受け、少しでもお役に立てればと、今日は雇用問題に関する本を紹介。

紹介する一冊は、ベストセラー『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の著者、城繁幸さんによる注目の新刊です。

※参考:『若者はなぜ3年で辞めるのか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033709/

富士通で成果主義が崩壊していく過程を目撃し、その後若者のため、日本の活力維持のため、論客としてさまざまなメディアで発言を続ける著者。

本書は、そんな著者の、現在の雇用問題に対する、最終解答とも言える一冊です。

「正社員でいられさえすればいい」と考える現在の若者に警鐘を鳴らし、リストラや賃金の低下など、迫りくるリスクをズバリ指摘。

「一九九〇年入社の大卒者で課長以上に昇格している人間が、たったの二六パーセント」という現実を見せながら、雇用の未来を論じています。

著者が主張する雇用の流動化には、弊害も伴うと思いますが、「ゆくゆくは勤続年数ではなく、『担当する仕事内容』で賃金が決まる職務給システムに移行するはずだ」という主張には共感。

また、「真に再チャレンジ可能な社会とは、失敗の存在を前提に設計された社会のことだ」という意見にも、賛成です。

いずれにしろ、今後日本の雇用が大きく変わることは間違いない。そんな時に、自分がどのように生きていくか、イメージする上で、本書は役に立つでしょう。

30代、40代のビジネスパーソンはもちろん、「人気の大企業を受けておけば大丈夫」と考える就職活動生には、とくに読んでほしい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「転職も雇用問題も興味ない、正社員でいられさえすればいい」という人は、自分の足元だけを見て生きるといい。ただし将来、何があっても文句は言わないことだ。断言するが、これから先もサラリーマンの賃金は下がりつづける

「ストレートで来る人間より、いろいろまわり道してきた人間のほうがおもしろい」と提唱するリクルートのような会社もあるが、まだまだ日本企業のほとんどは新卒至上主義だ。結果、若者がいろいろな経験をし、さまざまな才能を伸ばす可能性を摘んでしまっている

30代男性正社員と非正規雇用労働者の既婚率には倍の開きがある。不安定な雇用であるため、世帯をもつ意欲が限られるためだ

強固で安定した身分制度を屋台骨とした江戸時代、社会は安定していたが発展はしなかった。一方でかつての“南蛮人たち”は大挙して黒船で押しかけてきて、危うく植民地化される寸前だった。流動性を失った社会は、必ず停滞し、競争力や活力を失うのだ

一九九〇年入社の大卒者で課長以上に昇格している人間が、たったの二六パーセントしかいない

現在、35歳以降の昇給を据え置き、賃金カーブのピークを引き下げようとする動きが顕著になっている

日テレ以外で働く若手のみなさんは、35歳を過ぎたあたりで、転職も昇給もできない袋小路に追い込まれるリスクがあることは認識しておくといい

みんなが「ぶら下がって生きよう」と考えたときに、支えられる屋台骨など存在するのだろうか

うわべだけの学歴社会から、中身の問われる学歴社会へ

能力のある生徒の芽を摘むことで「平等です」と喜ぶのは、ただの責任放棄でしかない。各レベルに応じた教育を提供することで、全体の伸びしろを伸ばすことこそ、公教育の本懐

「自分はつねに平均以下だ」と割り切っている人間にとっては、終身雇用はいまも変わらず魅力的な制度である。そういう人材だけで商売が成り立つかどうかは別問題だが

ゆくゆくは勤続年数ではなく、「担当する仕事内容」で賃金が決まる職務給システムに移行するはずだ

真に再チャレンジ可能な社会とは、失敗の存在を前提に設計された社会のことだ

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『7割は課長にさえなれません』PHP研究所 城繁幸・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569777015
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◆目次◆
第1章 年齢で人の価値が決まってしまう国
第2章 優秀な若者が離れていく国
第3章 弱者が食い物にされる国
第4章 雇用問題の正しいとらえ方
第5章 日本をあきらめる前に
エピローグ 二〇一X年・明るい未来

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