2009年12月15日

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』 岩崎夏海・著 vol.1975

【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478012032

本日ご紹介する一冊は、土井にあの『もえたん』以来の衝撃を与えてくれた、注目の一冊。

※参考:『もえたん』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4915540979/

共通点は、外見が「萌え」なのに、中身は極めて本格的だということです。

内容は、ストーリー形式で、新人マネージャーと野球部の仲間たちがドラッカーを読んで甲子園を目指すという、なんともふざけたコンセプトの青春小説。

ところが、この本、見た目だけで判断すると、絶対に損します。

何と、あのダイヤモンド社のドラッカー担当が、「ドラッカー関連本としては、いちばん完成度が高いように思います」と絶賛した一冊。(しかも自分が担当編集じゃないのに)

土井も読んでみて、その完成度の高さに驚きました。

まず、マネジメントを学ぶのに、あえて非営利の野球部を舞台に選ぶ、というのがセンスがいい。

そのことによって、ドラッカーが残した「われわれの事業は何か。何であるべきか」あるいは「顧客とは誰か」という問いの答えが、研ぎ澄まされた形で出てくるのです。

また、本書では、野球部のマネージャーであるみなみが、ドラッカーの教えを実行すべく、さまざまな試みをするのですが、それが企業経営における重要なヒントにつながるのです。

本も人も、見た目で判断してはならないのですが、本書ほどその原則が当てはまる本も珍しい。

騙されたと思って、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。(『マネジメント【エッセンシャル版】』一三〇頁)

あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには、「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である(二二頁)

「そうよ! 『感動』よ! 顧客が野球部に求めていたものは『感動』だったのよ! それは、親も、先生も、学校も、都も、高野連も、全国のファンも、そして私たち部員も、みんなそう! みんな、野球部に『感動』を求めてるの!」

「甲子園に行く」というのは、「感動を与えるための組織」という野球部の定義に最も適う目標でもあった

働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、1.生産的な仕事、2.フィードバック情報、3.継続学習が不可欠である。(七四頁)

専門家にはマネジャーが必要である。自らの知識と能力を全体の成果に結びつけることこそ、専門家にとって最大の問題である。専門家にとってはコミュニケーションが問題である。自らのアウトプットが他の者のインプットにならないかぎり、成果はあがらない(一二五頁)

『フォアボールを出したくて出すピッチャーは、この世に一人もいない』

みなみたちは、こうした担当を部員全員に割り振った。そしてそれは、必ず「生産的な仕事」に結びつくよう心がけた。そこで「自分の仕事が組織の成果に結びついている」と実感できなければ、働きがいも生まれないからだ。また、「自分の仕事が組織の成果に結びついている」と実感させるための、情報のフィードバックも欠かさなかった。例えばロードワークだったら、成績の推移を記録し、グラフ化して渡すようにした

静的な経済には、企業は存在しえない。そこに存在しうるものは、手数料をもらうだけのブローカーか、何の価値も生まない投機家である。企業が存在しうるのは、成長する経済のみである(一七?一八頁)

組織構造は、組織のなかの人間や組織単位の関心を、努力ではなく成果に向けさせなければならない。成果こそ、すべての活動の目的である

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『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』ダイヤモンド社 岩崎夏海・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478012032
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◆目次◆
第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
第五章 みなみは人の強みを生かそうとした
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた

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