2008年1月15日

『大変化』伊藤元重・著

【日本経済のこれから5年間】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062140152

本日の一冊は、東京大学大学院経済学研究科教授で、NIRA理事長も務める伊藤元重さんが、現在の日本の景気拡大の脆弱さを指摘し、今後日本が向かうべき方向性を示した一冊。

著者によると、現在の日本の景気拡大を支えているのは、外需、財政赤字、超低金利の「三つのアクセル」ですが、これらは当然ながら永遠に続くものではありません。

また、実質実効為替レートを見ても、円の価値は落ち続け、過去二
〇年間で一番の円安に近づきつつあるということです。

また、今やGDPのわずか二割を占めるだけとなっている製造業に
力を入れても、そこだけで経済の拡大は無理、ということを歯に衣
着せずに語っています。

では、これらの現状をふまえて、日本は今後、どうしていくべきか。
本書にはまさにその点が書かれています。

非製造業、なかでも公共分野を改善すること、さらには情報化、グ
ローバル化による変化に備えること。

もはや待ったなしの「大変化」に、自分のビジネスや価値観をどう
適応させていくか。本書を読んでいると、いろいろと考えさせられます。

グローバルな潮流を眺めていることで見えてくるビジネスチャンス
もある。本書を読んで、今後5年間のチャンスを、ぜひ見つけてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆最近の日本の景気拡大を支えている三つのアクセル
1.外需(好調な世界経済の下での円安)2.財政赤字 3.超低金利

現在(二〇〇七年四月)の実質実効為替レートがどのくらいかとい
いますと、ほぼ、一九八五年の前半の水準に近づきつつあります。
これは、過去二〇年間で一番の円安に近づきつつあるということです

日本の製造業は、じつは、GDPのわずか二割を占めるにすぎませ
ん。残りの八割は、非製造業なのです。こうした実態を把握すれば、
日本のサプライサイドを底上げして日本の経済を活性化させること
を考えたときに、製造業だけに依存した経済の拡大はもはや無理だ
ということが明らかです

地方経済の活性化を促進するために、公共事業と企業誘致という二
つの手段に頼ることはもはやできない

ジニ係数を詳しく見てみますと、二〇代よりも三〇代、三〇代より
も四〇代、四〇代よりも五〇代、、五〇代よりも六〇代で、はるか
に格差が大きくなっている。これはある意味当たり前のことです

機械にもITにもできない人間的な仕事をするということが、第三
の働き方である「プレイ」の”肝”

優秀で真面目な方々が、安定しているからという理由で郵便事業に
従事しているという実態は、地域経済にとって好ましいことなのだろうか

日本が取り組まなければならない問題があるとすれば、イタリアに
はアルマーニがいて、アメリカにはラルフローレンがあるが、それ
ぐらい国際的なインパクトのあるデザイナーやブランドが日本には
少ないということでしょう

もはやアジア地域には、日本の平均所得よりも高い所得の人が、日
本よりも多くいることが分かります。そういった人々に対して日本
のものを売っていくということが非常に重要になってくる

「縦型」の産業が「横型」の産業に進化していくのではないか
(ソニー前CEO・出井伸之氏)

スマイルカーブというのは、人間が笑うと口の両端が上がりますが、
その形になぞらえて収益構造をあらわす言葉です。つまり、左端と
右端に位置する上流と下流は儲かるけれど、真ん中は利益が低いと
いうことです

目に見えない資産(インタンジブル・アセット)、つまり技術や人
々の能力への投資が大きいほど、その後のその国の生産性は高まる
傾向がある

金融資産を動かすためには、「長生きすることのリスク」を解消す
るような仕組みの構築が必要

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『大変化』伊藤元重・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062140152
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◆目次◆

まえがき
第一章 日本経済は復活したか
第二章 二一世紀のリアリティ
第三章 日本の活力を高める方法
第四章 日本の競争力
第五章 技術革新のインパクト
第六章 グローバル化の波
第七章 少子高齢化への改革
第八章 日本の食料の未来を考える
あとがき

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