2006年4月13日

『MBAリーダーシップ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532111064
本日の一冊は、定評あるグロービスのMBAシリーズ、待望のリー
ダーシップ編です。

このテーマに関しては、安直な人物研究モノや、法則モノが巷に多
く出回っていますが、本来、リーダーシップ研究には数多くの理論
や主張があり、どんなリーダーシップが最も望ましいのか、正確な
ところはわかっていません。

本書の優れたところは、そのグレーな部分も含め、過去にどんな理
論が提唱されたのか、その理論の妥当性はどうなのかを、極めて理
性的に論じている点です。

カバーされているトピックは、エンパワーメントやコーチング、動
機づけなど、じつにさまざま。

それぞれの行動モデルを実践する際の注意点まで、丁寧に書かれて
います。

あえて難点を挙げるとすれば、日本語の読みにくさ。その点を除け
ば、リーダーシップに関する知識を過不足なく与えてくれる、本格
学習に適した一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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◆リーダーシップを構成する5つの行動
「目標達成」「戦略実行」「価値創造」「人材育成」「自己制御」

リーダーシップとは、「自己の理念や価値観に基づいて、魅力ある
目標を設定し、またその実現体制を構築し、人々の意欲を高め成長
させながら、課題や障害を解決する行動」

価値創造型リーダーは結果と感情的な行動を重視し、目標達成型リ
ーダーは結果と論理的な行動を重視する。戦略実行型リーダーは要
因と論理的な行動を重視し、人材育成型リーダーは要因と感情的な
行動を重視する

◆リーダーシップに自信を持ちにくい理由
4つのリーダーシップ行動が「相互補完的でかつ相反する」構成要
素を持っていることに起因する

エンパワーメントを実現するためには、前述したように、部下の自
立性を支援する「自由度」と「支援体制」、および「目標の共有」
が、必要十分条件となる

変革を実現するには「自立革新型人材」と「学習する組織」を育成
する必要がある

◆変革ビジョン設計のための4つの意識
1.変化に対する感受性 2.心理の流動性
3.学習意識 4.イノベーションのジレンマ認識

失敗を容認し支援する合意ができあがっていないと、失敗が隠蔽さ
れる。まずは、組織のリーダーが、「失敗」は人間と組織に不可分
な事象であるとの自然な認識を持っているかどうかが失敗から学ぶ
機会を左右する

◆動機づけのための意識設定
1.ネガティブな状況や情報から機会を発見する
2.欲求の多様性に対応する
3.不安感をコントロールする

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『MBAリーダーシップ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532111064
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■目次■

序 章 リーダーシップに関する典型的なケース
第1章 リーダーシップ行動モデル
第2章 変革リーダーシップの技術
第3章 条件適合リーダーシップの技術
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