2006年4月29日

『ことばと文化』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004120985
先日、『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』の著者、滝井秀
典さんが、セミナーで鈴木孝夫さんの本を薦めていたので、大学以
来、久しぶりに読んでみました。

※参考:『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456964967X

『ことばと文化』は、ご存知の方も多いと思いますが、鈴木孝夫さ
んの代表作品で、いわゆる名著として30年以上の間、読み継がれています。

内容は、言語社会学を専門とする著者が、言葉と文化・社会の関係
性を、具体的な例を用いて明らかにするというもの。

なぜ日本には「水」と「お湯」の区別があるのに、英語にはないの
か、なぜ日本人はゾウの顔についている長いものを「鼻」と呼ぶの
か、じつに興味深い説が述べられています。

決してビジネス書ではありませんが、これからのビジネスの成果が
言葉の力で大きく変わることを考えると、きっと参考になる一冊です。

どうすれば、人の認識や感情を自由自在に引き出し、買わせること
ができるのか、そんな視点からも読んでみると面白いと思います。

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■ 本日の赤ペンチェック
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文化の単位をなしている個々の項目(事物や行動)というものは、
一つ一つが、他の項目から独立した、それ自体で完結した存在では
なく、他のさまざまな項目との間で、一種の引張り合い、押し合い
の対立をしながら、相対的に価値が決っていくもの

私たちが異った文化に、しかも限られた範囲で接するときは、個々
の文化要素を統括する全体の構造がつかめることは稀であり、多く
の場合、自分が出会う一部、または特殊な実例を、一般的に拡大し
てしまう傾向があるということである。しかもこの一般化は、必ず
自分の文化の構造に従って行われるということが問題なのである

ことばは、私たちが素材としての世界を整理して把握する時に、ど
の部分、どの性質に認識の焦点を置くべきかを決定するしかけに他
ならない

ことばというものは、混沌とした、連続的で切れ目のない素材の世
界に、人間の見地から、人間にとって有意義と思われる仕方で、虚
構の文節を与え、そして分類する働きを担っている

人間の眼というものは、そこにものがあれば、誰にとっても同じよ
うに見えるという公平無私のカメラではない。必ずそこには文化的
選択が行われるのである

「万物の尺度は人間である」という意味のことを、古代ギリシャ人
が言ったが、人形の規準はこれにぴったりする。いやそれどころか、
ことばを使って世界を整理する時の仕方は、大なり小なりすべて人
間中心、人間が規準なのである

そこで長く暮したからとて、必ずしも判るものではないのが「見え
ない文化」なのである。見る方の人に、自分の文化を原点とした問
題意識がなければ、実に多くのことが、そこにあっても、見えない

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『ことばと文化』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004120985
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■目次■

1.ことばの構造、文化の構造
2.ものとことば
3.かくれた規準
4.ことばの意味、ことばの定義
5.事実に意味を与える価値について
6.人を表わすことば

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