【リッツ・カールトン日本支社長による待望の第2弾】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761265698
本日の一冊は、ベストセラー『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』の著者であり、ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長を務める著者が、満を持して出す第2弾。
※参考:『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761262788/
前著のような感動ストーリーはないものの、サービス業に携わる経営者、マネジャーにとっては、参考になる仕組みづくり、および人材育成の話が満載です。
いざという時に最高のサービスを実現するためには、地元のパートナー企業と強い絆をつくっておくこと。そのために、リッツ・カールトン大阪では、開業当時、大阪のタクシー会社の運転手をホテルに招き、宴会場でランチ・パーティを催したそうです。
また、電話の対応の悪さは十五点、飲み物の補充もれは十点というふうに、問題を点数に換算して対応策を議論するやり方、お客様の情報を集中させるための「プレファランス・パッド」など、リッツ・カールトンがやっている具体的な施策も、参考になります。
役に立つ情報は満載ですが、「仏作って魂入れず」にならないよう、その背後にある考え方も学んでおきたいところです。
たとえば、同ホテルの伝説として、「社員一人あたり1日2千ドルの決裁権」というのはよく知られていますが、その背後にある人材育成の考え方は、以下の通りです。
「会社として厳しく経費をコントロールすることは重要でしょう。ただここで考えてみるべきことは、近視眼的に見過ぎてしまうと、それによって大切なお客様との糸が切れてしまうことがあるということです。そしてもっと重要なのは、最も大切な人材である社員の成長の芽を摘んでしまう可能性もあるということです」
社員が自主的に動き、お客様の満足のために働く、というのはすべての経営者、上司の理想だと思いますが、そのためには、会社と部下の信頼関係ができていることが大切。
本書のテーマは「絆」ですが、ビジネスにおいてこの「絆」がいかに大切かを痛感させられました。
経営者、およびマネジャーにはぜひ読んでいただきたい一冊です。
————————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
————————————————————
一人が経験から学べる情報量は、どうしても限られてしまいます。そこで重要なのが、会社として社員を支援するシステムを用意しておくことです。たとえばリッツ・カールトンの「プレファランス・パッド」というポスト・イットスタイルのメモ帳。社員はこれに、お客様のちょっとした情報を書き留めて、自分のステーションに戻ったときにボードに貼っておきます。そうして部門に集まったメモの情報はすべて、情報システムに入力されます
ワインが好きな二人の若いホテルマンがいたとします。A君は週に一度、二千円くらいのワインを楽しんでいます。他方、B君はやはり同じようにデイリーワインを楽しんでいますが、月に一回は、さらに十人ほど仲間を募り、一人二千円ずつ出し合って二万円前後のワインを味わっています
電話の対応の悪さは十五点、飲み物の補充もれは十点、予約の間違いは十五点、浴室に髪の毛が落ちていたら二十点という具合に、本来あってはいけないけれど起きてしまった問題を点数に換算します。これを毎日SQIポイントとして集計し、同じことが二度と起きないように、関連セクションのスタッフが集まり、話し合って、それらを解決していきます
一歩、踏みとどまって考えてみます。お客様のおっしゃる通りのご要望は難しいにしても、何かそれに代わるご提案をさせていただく可能性はないでしょうか
会社として厳しく経費をコントロールすることは重要でしょう。ただここで考えてみるべきことは、近視眼的に見過ぎてしまうと、それによって大切なお客様との糸が切れてしまうことがあるということです。そしてもっと重要なのは、最も大切な人材である社員の成長の芽を摘んでしまう可能性もあるということです
まず、哲学や理念というものは、言葉で伝えようとしてもなかなか伝わりにくいということ。それよりも現場のスタッフが理念を具体的に実践することで、たくさんの素晴らしい物語が日々生まれているということを確かめ合うほうが、はるかに深く心に入ってくる
リッツ・カールトン大阪を開業した当初、私たちは大阪のタクシー会社の運転手さんをホテルに招いて、宴会場でランチ・パーティを催しました
以前メンターから、「社会や組織の人間関係上のトラブルは、ほとんどが、嫉妬心から起きるものである」と教えられたことがあります
会議の席で、一番初めに議論されるべきことは、その企業にとっての最優先事項でなくてはならない
————————————————
『絆が生まれる瞬間』かんき出版 高野登・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761265698
————————————————
◆目次◆
はじめに
第1章 感性を磨く人は必ず伸びる
第2章 “声にされないニーズ”をキャッチする
第3章 お客様を幸せにする「内なる絆」
第4章 笑顔と挨拶は、心の扉を開くカギ
第5章 絆を生み出すブランドの力
第6章 絆は世代を超えて
この書評に関連度が高い書評
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。