【これでバッチリ、理解力が上がる。】
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「一を聞いて十を知る」という言葉がありますが、あれは元々、『論語』に出てくる言葉だそうですね。
ある時、孔子が弟子の子貢に「あなたと顔回ではどちらが優れているか」と問い、子貢が、「顔回と比べるなんてとんでもない。顔回は一を聞いて十を知る、自分は一を聞いて二を知る」と答えた、というのが由来だそうです。
一から十まで説明しないとわからない人がいる一方で、優秀な人は一を聞くだけで十を知ることができる。
それは一体なぜなのでしょうか?
本日ご紹介する一冊は、この「理解力」の差を、数学的アプローチを用いることで見事に説明した、注目の一冊。
著者の深沢真太郎さんは、明治大学の客員研究員で、「ビジネススキルと数学教育」をテーマに独自の研修プログラムを開発・提供する、ビジネス数学教育家です。
本書の中で著者は、「理解には2つの段階がある」として、2つの「理解」を提示しています。
第一の理解:まず、目の前の対象について説明できる状態にする
第二の理解:異なる対象を「同じもの」とみなし、説明できる状態にする
もうおわかりかと思いますが、この「第二の理解」ができることこそが、デキる人の思考法。
ただ、人は一足飛びにこの状態になれるわけではなく、まずは第一の理解をマスターすることから始まります。
この第一の理解を進めるために、著者は自身が考案した「DASモデル」を提唱するのですが、これは有用なモデルだと思います。
具体的には、以下の3ステップです。
DASモデル
ステップ1 Definition(定義)
ステップ2 Analysis(分析)
ステップ3 Systematization(体系化)
なぜ、外資系企業では議論の前に「定義」するのか、下積みがアナリストから始まるのか、わかる気がしますよね。
「分析」についても、
<「分解」と「比較」の2つの行為のいずれか、あるいは両方を組み合わせて行うだけ>と明確に説明し、具体例として売上高の分解例を挙げています。
売上高=(単価)×(客数)
売上高=(新商品の売上高)+(既存商品の売上高)
これが自在にできるようになるだけで、部下が相当優秀になることと思います。
体系化に関しては、「構造化」もしくは「モデル化」することと明確に定義し、こうまとめています。
構造化:図にすること(図解化)
モデル化:式にすること(数式化)
「第二の理解」に関しては、抽象化思考の詳細を説明しており、「理解力」という曖昧な概念を、ここまで明確に説明した本を、初めて読みました。
ぜひ、社員教育や自己研鑽に活用していただきたい内容です。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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算数……計算力の育成
数学……理解力の育成
感想(自分の心の動き=主観)だけを言う人→行動変容できない
理解した内容(内容把握=客観)を言える人→行動変容できる
理解には2つの段階がある
第一の理解:まず、目の前の対象について説明できる状態にする
第二の理解:異なる対象を「同じものとみなし、説明できる状態にする
DASモデル
ステップ1 Definition(定義)
ステップ2 Analysis(分析)
ステップ3 Systematization(体系化)
定義するための2つの視点
・「考える対象が何なのか」をはっきりさせる
・「立場(=観点や方針)を定義する
分析とは「分解」と「比較」の2つの行為のいずれか、あるいは両方を組み合わせて行うだけ
売上高=(単価)×(客数)
売上高=(新商品の売上高)+(既存商品の売上高)
分解において不可欠な2つの視点
(1)構成する要素を列挙する
(「これがなかったら成立しない」ものを挙げる)
(2)「モレ」や「ダブり」がないか確認する
生産性=(得られたもの)÷(かけた資源)
抽象とは、細かい特徴を消して共通点だけを抜き出すこと
具体とは、細かい特徴を見出して相違点を明らかにすること
第二の理解までたどり着いた部下なら、機転を利かせ「その状況+それ以外の似たような状況」でも同じように行動できるはずです。なぜなら「その状況」と「それ以外の似たような状況」を、「異なるけれども本質的に同じもの」と認識できているからです
賢い人は、異なるものを同じものとみなして世の中を眺めている
体系化とは、「法則や原理としてまとめる」こと
構造化:図にすること(図解化)
モデル化:式にすること(数式化)
「わける」コツ
1 絶対に欠かせないものを挙げる
2 まずは2つにわける
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数学の専門家が書いているということで、小難しい内容を連想する人も多いと思いますが、実際にはビジネスの基本や愛、結婚を題材に用いるなど、とっつきやすい内容です。
「自分はどうしてこんなに出来が悪いんだろう」と悩む人に、ぜひ読ませてあげて欲しい一冊です。
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『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』
武政秀明・著 サンマーク出版
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◆目次◆
はじめに
第0章 「理解したつもり」症候群
--あなたの「わかった」本物ですか?--
第1章 「理解」を数学の切り口から捉え直す
--数学的思考という結論--
第2章 第一の理解
--DASモデルで「わかった」を手にする--
第3章 第二の理解
--さらに深い理解のために必要な「2つの世界」--
第4章 理解の質を決める数学的思考
--「まとめる」の正解--
第5章 理解力を「使える」状態にする
--問題解決や言語化が面白くなる厳選7問--
第6章 「共通理解」の作り方
--理解力とコミュニケーションの交差点--
おわりに
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