2025年12月1日

『読まない人に、本を売れ。』 永松茂久・著 vol.6854

【ベストセラーをどう実現するか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4909044663

本日ご紹介する一冊は、ミリオンセラーとなった『人は話し方が9割』の著者、永松茂久さんとそのチームが、どうやってベストセラーを実現したのか、そのノウハウとエピソードをまとめた一冊。

『人は話し方が9割』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799108425

面白いのは、『人は話し方が9割』の版元、すばる舎のメンバーが口利きして、ライツ社がこの本を出しているということ。

確かにこのやり方なら、新しく出した本の影響と別版元の資源で、元本がさらに売れることが期待されますね。

本書にはさらに、著者らが普段本を読まない人をどう定義し、どう本作りを行っていったか、その具体的ノウハウが書かれています。

『人は話し方が9割』は、話し方のマインドの本でしたが、こちらは本作りのマインドが書かれている本といっていいと思います。

最初、エピソードがまだるっこしい感じがしましたが、読んでいて「これは大事な部分だ」と確信しました。

大金持ちでベストセラー作家でもある斎藤一人さんのアドバイス、病床で著者の原稿を読んだ母の感想、ベストセラーチーム内でのやり取りは、出版に関わるすべての人に、良いインスピレーションを与えてくれると思います。

会話が多用されているため読みやすく、『人は話し方が9割』で実践された、普段本を読まない人への心配りが、本書でも生きていると感じました。

登場する主要人物がすべて商売人のため、内容はすべてが商売に通じる話。

出版に興味がない人が読んでも、良い仕事のヒントになると思います。

ビジネスにおいて、一番大きなマーケットは、「未開拓の市場」。

要するに、みなさんの商品・サービスをまだ利用したことのないお客様です。

出版不況の中、普段本を読まない人に向けてベストセラーを実現した、著者らの取り組みからは、市場開拓に関し、多くのことを学べると思います。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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「俺がこれまで世に送り出してきた著者で、伸びる人には共通して1つの条件がある」「なんでしょうか?」「スピードだ」

「そう。幼い頃から君の生き方は特別すぎる。こういう本っていうのは、読む人の役に立つ内容をしっかり入れないと、単に変わった生き方をした人間の話になっちゃうんだよ。それだと結果的に読む人の役には立たないんだよ」

「『成功するには苦労をしなければいけない』って読者に思わせたくないから、かな。それよりも私は『どうすれば読者の心がもっと軽くなるか?』を第一に考えてるんだよ」

「話の主語を『自分』ではなく相手、つまり『あなた』を増やすように意識してごらん」

「しげ、いいかい。本にやさしさを込めるんだよ。読む側の人は、その著者が本当に読者を大切に思って伝えているのか、もしくは著者が自分を良く見せたくて書いてるのかは、すぐに見抜くからね」

「時間が許すかぎり本屋に来て、このベストセラーの棚を眺めればいい」

「ということは、出版社に君は原稿を売る立場だ。そして売れた分の印税をもらう。これって商売じゃないのかい?」

「私は思うの。先生とか社長とか人を導く人って、トップに座ってる人じゃなくて、人の土台になれる人であるべきだって」

やりたいことがうまくいかないときは、頼まれごとを一生懸命やりなさい

これはあくまで僕の私見ではあるが、最近の多くの読者が本を買う動機は、「おもしろそう」「読みやすそう」「あ、私に関係あることだ」というこの3つの要素のような気がしている

チームで議論して見えてきた読書像
・「ローカルの郊外スーパーに買い物に来た主婦」
・「基本的に本を読むのが苦手な人」
・「意識普通系」

本のつくり手には、文字を読むことが好きな人が多い。だから多くの編集者は、少しでも空白を減らそうとする手癖がある。(中略)しかし、ふだん本をあまり読まない人にとっては、多くの場合、それより「ページがどんどん進んでいくこと」に喜びを感じるというのが事実なのではないだろうか。この仮説のもと、文字の周りにある余白部分を2センチ以上とることにした

仕事の神様が愛する人の共通点
「たったひとりの人を幸せにしようと思って、その仕事に取り組める人」

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「商売とはお客様の心に寄り添うこと」と言いますが、実際にそれをやるのは難しい。

出版に携わる人はもちろん、物作りや販売で成果を上げたいすべての人におすすめの内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『読まない人に、本を売れ。』
永松茂久・著 ライツ社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4909044663

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0G29QJ414

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◆目次◆

まえがき 「○○な人」に、「○○を売れる」ようになる本
プロローグ とんぴん
第1章 たこ焼き屋、本を書く。
第2章 商品として、本を書け。
第3章 とんぴん営業マン。
第4章 頂点まで行ってこい!
第5章 読まない人に、本を売れ。
第6章 100万部を達成した、奇跡のチームがやったこと。
最終章 世の中は、ベストセラーを待っている。
エピローグ 本の世界には夢がある
あとがき 本が縁を紡ぎ続ける未来へ

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