【韓国で60万部の話題作】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478121338
本日ご紹介する一冊は、人口5000万人の韓国で、60万部売れたベストセラー。
哲学者ショーペンハウアーの幸福論を現代的に解説した、話題の一冊です。
著者のカン・ヨンス氏は、韓国・高麗大学哲学研究所の研究員。
高麗大学と大学院で西洋哲学を専攻し修士号を取得、ドイツ・ヴュルツブルク大学で博士号を取得した人物で、博士論文「ニーチェの文化哲学」が、世界的に有名な学術誌「ニーチェ研究」により、東洋人の著書として唯一紹介されたそうです。
本書の冒頭で、こんなことが書かれていました。
<本当の幸せは「満たすこと」ではなく、「求めないこと」から生まれる>
何ともネガティブな言葉ですが、読んでいるうちに、これがいかに深い考察から得られた真理なのかが、わかってきます。
<人生は振り子のように、苦痛と退屈の間を行き来するが、実はこの二つが生の究極的な要素なのである>という言葉も、都市と地方、両方に住む身としては、よくわかります。(いいとこ取りをしようとしても、結局は逃れられない)
では、どうすることでわれわれは幸福になれるのか。
本書では、ショーペンハウアーの言葉と、それに対する著者の解釈が書かれています。
<死ぬまでにすべてを使いきれないし、死ぬまでにすべてを得ることもできない>
<人生の短さを知るには、長生きする必要がある>
<何よりも確実な方法は、人との不必要な交際を減らすことだ>
<お互いの違いさえ知っておけば、愛は幸せな錯覚だ>
など、ショーペンハウアーらしいシニカルな視点が光る一冊です。
著者の解説も素晴らしく、特に40歳を過ぎた人には、刺さる内容だと思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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幸福とは、苦しみを減らし、避け、耐えることにある。「成功、富、名誉などをどれだけ得たか」よりも、「この世の苦悩をどのように見つめるか」という観点なのだ
人生は振り子のように、苦痛と退屈の間を行き来するが、実はこの二つが生の究極的な要素なのである
ショーペンハウアーは、不幸の二つの原因として苦痛と倦怠を挙げる。貧しい人は金がないために苦しむが、金のある人はあふれるほどの金をどう使えばいいのかわからず、人生に倦怠を覚えるというのだ
脳は集中するときに幸せを感じる反面、休息をとるときに不幸を感じると発表した
幸福のためには、物質的な欠乏がない状態だけでなく、倦怠や退屈に耐える知恵が必要なのではないか
変化する対象に求める幸福は長続きしない。にもかかわらず、人間の欲望は常に新しいものに向けられる
外部に新しいものを探そうとするのではなく、いま持っているものの価値を振り返ってみるべきだ
すべてを満たすことが難しければ、欲望を減らす必要があるのではないか
幸福は、自分だけの卓越した能力を最大まで発揮することにある
死後の世界には何も存在しないし、宗教でそんな現実の苦痛をなくすことも難しい。この世の苦痛を認め、それに耐え抜く力をつけることが重要なのだ
幸福の90パーセントは健康に左右される
人生の短さを知るには、長生きする必要がある
何よりも確実な方法は、人との不必要な交際を減らすことだ
利益や計算などを考え始めると、世界の美は消えてしまう
人間の幸福は、ポケットに何が入っているかよりも、頭のなかに何が入っているかにかかっている
お互いの違いさえ知っておけば、愛は幸せな錯覚だ
最も価値のある人生は、ひとりでいられる能力を育てることにある
他人の痛みを憐れむことで自分の欲望が消えていく
私たちが幸福を楽しむ瞬間は、あっという間に過ぎ去ってしまう。永遠に続く幸福はないのだから、そんな小さな幸せに満足するべきだ
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ショーペンハウアーが説いた幸福論を、じつにわかりやすく、現代的に解説しており、人口5000万人の韓国で60万部売れたのも頷ける内容です。
読者が何歳であろうと、お金があろうとなかろうと、変わることのない真理を説いた内容です。
ぜひ読んでみてください。
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『求めない練習』
カン・ヨンス・著 吉川南・訳 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478121338
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◆目次◆
本書について
はじめに 人と比べる人生ではなく、自分だけの人生のために
第1章 なぜ、人生はつらいのか--真理について
第2章 なぜ、あるがままを認めるべきなのか-自信について
第3章 何をもって内面を満たすべきか-幸福について
第4章 どんな人間として生きるべきか-人間関係について
第5章 どこに幸福を見いだすべきか-人生について
訳者あとがき
ショーペンハウアーの67の言葉
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