【普段使わない脳ミソを使う本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756924255
本日ご紹介する一冊は、普段使わない脳ミソを使う本。
アイデア、思考系の本ではあるのですが、ちょっと切り口が面白くて、ぜひおすすめしたい一冊です。
本書の冒頭で、こんなクイズが出てくるのですが、みなさんわかりますか?
(1)ある読書会では、参加者が本を1ページも開かずにおのおの本を読み終えました。なぜでしょう
(2)あなたは映画館で椅子に座り、ドリンクホルダーに置かれたポップコーンを食べ始めました。隣に座っている見知らぬ人がチラリとあなたの顔を見た後、何も言わずにそのポップコーンを食べ続けました。なぜでしょう。
答えは本書の「はじめに」を読んで欲しいのですが、要するに著者が言いたいのは、<「慣れたモノの見方」が「慣れた思考」を連れてきてしまう>ということ。
本書は、その慣れたモノの見方や、凝り固まった思考をほぐしてくれるアイデア集で、気になるクエスチョンが100個並んでいます。
本文も、雑学たっぷりで読み応えがあり、普段なかなか使わない脳ミソを使って、気持ち良い体験ができました。
いくつか、本書で示されたクエスチョンを示しておきましょう。
ヒューストン空港では、多くの乗客が不満を抱えていました。理由は、預けた荷物がターンテーブルから流れてくるまでにかかる時間の長さです。この問題を解決するため、空港は費用や労力をほとんどかけず、ある工夫をしました。その工夫とはいったいどんなものでしょうか
次のうち、どちらの生き物が1年間でより多く人の命を奪っているでしょうか
A サメ
B カバ
音楽家のベートーヴェンは聴力を失ってしまいます。聴力を失ったかわりに彼が手に入れたものは何でしょうか
世に数々の名曲を送り出し伝説となったアメリカのレコード会社「モータウン」が真似した生産体制はどの業界のものでしょうか
どれも答えが気になるクエスチョンですよね。
本書が面白いのは、このクエスチョンの答えと解説が、ビジネスの知識や理論になっているという点。
小難しい理論が簡単に学べて、とても便利な一冊だと思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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たとえばピアノが奏でる和音を聴いた時、音楽理論を熟知している人は、どの音を変えれば悲しい響きになり、どの音を足せば切ない響きになるのかが見えています。これと同じように、多面的で深い思考ができる人は同じ出来事に直面しても見えている世界が違うのです
Q
ヒューストン空港では、多くの乗客が不満を抱えていました。理由は、預けた荷物がターンテーブルから流れてくるまでにかかる時間の長さです。この問題を解決するため、空港は費用や労力をほとんどかけず、ある工夫をしました。その工夫とはいったいどんなものでしょうか
A
答えは、「手荷物受取所までの距離を遠くして、歩く時間を増やした」
次のうち、どちらの生き物が1年間でより多く人の命を奪っているでしょうか
A サメ
B カバ
(中略)サメのほうが危険だと誤解するのは、システム1が「よく見るもの=頻度が高い」と錯覚するからです。映画やニュースでカバよりもサメの襲撃シーンを目にする機会が多いため、実際の頻度よりもサメの被害を過大評価してしまうのです
禅の修行僧が食事の前に唱える「五観の偈」には、「食材が届くまでの過程に感謝する」「自分の今日の行いがその食事にふさわしいか省みる」「食事は薬であり、健康のためにいただく」などの教えがあります
なぜ伝わらないのかと考える前に、相手はどんな文脈でこの言葉を受け取っているのかを考える視点を持つことで柔軟な思考力を育てることができます
どんなに優れた人でも見えないつながりの中で生かされています
「憎む」とは負のエネルギーで自分自身を苦しめ続けること、そして「許す」ことは自分自身をそこから解放し、癒やすこと
アマゾンの奥地に、ピダハンという少数民族が暮らしています。独特な文化や言語を持ち、神話や宗教を語ることはありません。彼らが語るのは「自分が体験した」ことだけです。誰かから聞いた話でも自分が直接経験していなければ、それは存在しないも同然です
オランダの都市では、交通事故の多い交差点であえて信号機そのものを撤去するという試みが行われました。その結果、ドライバーは速度を落とし、周囲に注意をはらうようになって、事故件数は大幅に減少しました
生きがいは誰かを思う行為の中にある
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ニュースになったネタや、ビジネス書で既に紹介されている理論もありますが、クエスチョンを読んで、すぐに答えが出てくる人は限られているかもしれませんね。
ビジネス理論と雑学、自己啓発が同時に学べる、大変ユニークな本です。
ぜひ読んでみてください。
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『すぐ動けない人のための 思考を放つ100項』
浜田陽介・著 明日香出版社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756924255
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◆目次◆
はじめに
第1章 習慣的な思考を放つ
第2章 対人関係に囚われた思考を放つ
第3章 成長を妨げる思考を放つ
第4章 悩みに縛られた思考を放つ
第5章 創造を閉ざす思考を放つ
第6章 仕事を曇らせる思考を放つ
第7章 決断を迷わせる思考を放つ
第8章 人生を浪費する思考を放つ
おわりに
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