2025年11月11日

『教養としてのお菓子』 宮本ニ美代・著 vol.6841

【お菓子のうんちく盛りだくさん】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4054070701

本日ご紹介する一冊は、「ル・コルドン・ブルー」パリ校で製菓ディプロムを取得し、現地パティスリーで修行した後、製菓衛生師・フードコーディネーターとして活躍する著者が、教養としてのお菓子の知識をまとめた一冊。

この手の本は、もはや出尽くした感がありますが、「お菓子」と聞くとつい食指が伸びてしまいますね(笑)。

読んでみて驚くのは、本書にまとめられたうんちくのすごさ。

お菓子自体に歴史があるというのもありますが、歴史、エピソード、名店の紹介だけでも膨大で、とてもとてもご紹介し切れません。

悔しいのは、これまでに訪れたことのある国のお菓子の名店紹介。

旅行に行く前に本書があったら、と悔やまずにはいられませんでした。(本当に、ガイドブックのコーナーに置いて、成田空港、羽田空港で売るべきだと思います)

ヨーロッパ旅行に行った経験のある人なら、おそらく同じ思いをするのではないでしょうか。

ただ本書が憎いのは、そんな人のために、日本で手に入る本格的な味、東京にできた支店などを紹介している点。

よくもまあ、ここまで調べたなと思うぐらい濃厚なお菓子のガイドブックで、本代はほぼ、手間賃だと思います。

素人がこれぐらいの情報を集めようと思うと、莫大なお金がかかるはずなので、本書は明らかに「お得」な一冊ですね。

ビジネスシーンでうんちくを語るために、訪問時にさり気なく良い品を渡して印象づけるために、またプライベートで楽しむために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

・おやつの語源は何か
・なぜマドレーヌは貝の形をしているのか
・世界一フィナンシェを売る国はどこか
・マシュマロとギモーヴの違いは何か
・マシュマロの語源は
・東京三大どら焼きはどこの店か
・世界最古のスナック菓子はどこで見つかったか
・フランスにカトラリーを使う習慣を持ち込んだのは誰か
・ザッハトルテは何のために考案されたのか
・日本で最も古いお菓子は

一つでもわからないことがあるなら、ぜひ本書を読んでみてください。

もっといっぱい書いています(笑)。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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「おやつ」は、「お+やつ(八つ)」が語源。明治以降、西洋式の時間制度が導入され、「八つ時=午後2時」が「3時のおやつ」として定着しました

■世界各国のおやつの名称と時間帯
※一部紹介
フランス……「キャルトール」→16時頃
イタリア……「メレンダ」→10時と16時の2回
スペイン……10~11時の「アルムエルソ」
と、18時の「メリエンダ」の2回

マドレーヌが貝型なのは、この時に厨房に転がっていたホタテ貝のカラを焼き型にして焼いたのが始まり、といわれています

レクチンスキー公の愛娘、「マリー・レクザンスカ」は、ルイ15世の正妻でした。ルイ15世が愛人に夢中なのを心配して、美食家のレクチンスキー公は愛娘に、「男心は胃袋で掴め」という父心からか、美味しいお菓子やレシピを送り続けていました

日本では貝の形をした側を表として見せることが多いですが、フランスでは逆側のぷっくり膨れたお腹の部分(マドレーヌのおヘソ)といわれる側を表としています。そして、このおヘソ部分がデベソでで、膨らんでいればいるほどよい!とされています

フランス発祥の「フィナンシェ」ですが、実は販売数は日本が世界一多く、なんと売上のギネス世界記録認定のお店が日本にあります

実は、フランスのバターは、99%が発酵バター

大きな違いは「マドレーヌ」は全卵を使っていることに対し、「フィナンシェ」は卵白のみを使っていてアーモンドパウダーが入ること

「マシュマロ」の名称は、原料となったアオイ科のウスベニタチアオイの英語名「marsh mallow(マーシュマロウ)」からきています

日本で最も古いクッキーとされるのが、京都にある老舗菓子店「水田玉雲堂」の銘菓「唐板」

最近は日本でも、Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)という、カカオの購買から商品化までを一貫してチョコレートの製造を行うお店が増えています

東京三大どら焼き
・うさぎや(上野・日本橋)
・草月黒松(東十条)
・お菓子司 亀十(浅草)

「マカロン」の発祥はフランスだと思う方も多いようですが、実はイタリアの「アマレッティ(伝統的なメレンゲ(卵白と砂糖を泡立てたもの)の焼き菓子)」というお菓子が元。それがフランスで独自に発展して、現在のマカロンになった

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途中、なぜか「運気」「波動」「言霊」なんて言葉が登場するのですが、この一部のバグを除けば、素晴らしいお菓子の教養&ガイドブックです。

ぜひ読んでみてください。

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『教養としてのお菓子』
宮本ニ美代・著 Gakken

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4054070701

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0FSQYWLGL

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◆目次◆

はじめに
第1章 お菓子がビジネス・社交の場でどんな効果をもたらすか
第2章 喜ばれるお菓子、基本のキとは?
第3章 関係性によるお菓子の選び方
第4章 会話でもすぐに使える! 知っておくと役立つお菓子のエピソード
第5章 世界と日本のお菓子の歴史と文化
第6章 心と体を整える お菓子の知られざるパワー
第7章 お菓子の科学的活用法 ”甘い一口”に秘められた科学の力
第8章 生活習慣や環境を味方につける
おわりに

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