【「インド式」で強くなる】
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初めてインドのムンバイに行った時、タクシーに乗って驚いたことがありました。
タクシーが、人を「轢いた」のです。
もちろん、流血するほどの事態ではありませんが、明らかに車体が当たって人がよろけた。
でも、当てられた人も当てた運転手も、何事もなかったかのように、過ぎ去っていくのです。
ごった返す土の道路で、車が猛スピードで人間を押し除けながら進んでいく。
「ああ、この国では人の命が軽いのだ」と思いました。
やはり14億人の超競争社会は、甘くないんですよね。
もう一つ、インド人絡みで驚いたことは、飛行機に乗った時、土井の席にインド人が座っていたこと。
土井はきちんと主張する人間なので、退けることができましたが、これはインド人にとっては「基本」なのだと、後からいろんな人に聞かされました。
インド人は基本「たくましい」のです。
本日ご紹介する一冊は、そのタフなインド人の考え方や行動から、悩みをなくすためのヒントを学ぼうという、自己啓発書。
海外ビジネスでタフな交渉をしてくる外国人と対等に渡り合いたい、という方にもおすすめの一冊です。
著者は、デリー駐在員のインド麦茶さん。
インド民の生態を鋭い観察眼で研究・分析したnoteが人気を博し、1年足らずで30万ビューを超えたという、話題の人物です。
2024年に公開した「インド民の代表的言い訳とその対応」で、note創作大賞2024ビジネス部門入選も果たしています。
日本人特有の「お察し」GUESS文化と「怒られたら、その時考える」インド人のDO文化。
その中庸としての「尋ねる」ASK文化を提唱した辺りは、「なるほど」と思いました。
自己主張の激しい外国人と仕事やプライベートで問題が発生した時、どうすればいいか、日本人にとっての現実的な解決策が示されています。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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憎らしいほど素直に自分の利益を追求する、「愛すべきクソ野郎」とも言うべきインド民の考え方とメンタリティーには、幸福を謳歌するためのヒントが隠れている
ストレスの原因になるインド民の振る舞い
・ぼったくり
・契約・約束・時間を守らない、軽視する
・言い訳で逃げようとする
・「あわよくば」取れるだけ取ろうとする精神
・富裕をひけらかす。貧富の差には無関心
・公私混同、会社の私物化
・身分の低い者を顎で使う
・ゴミを捨てる、町をよごす、騒がしい
・身分を見て態度を変えるのを厭わない
日本人のGUESS文化と真っ向から対立するインド民の文化を名付けるならば、さしずめ「DO文化」である。彼らは、「尋ねもせずにやってみる」「怒られたり何か言われたりしたら、その時考える」という思考法で、まずDOが来る
過密で過酷な競争環境においては、「まず手前の利益を刈り取る」という習性と短期思考が最適な生存戦略
ASKメソッド
悩むくらいならば、さっさと質問や依頼をする。結果的にその返事がネガティブなものであったとしても何食わぬ顔でいることができれば、悩みの殻を破ることができる
インド民の代表的言い訳
(1)責任転嫁 問題発生の原因を別の所へ持って行く
(2)相殺消去 あなたに落ち度がある別の話題を持ち出して、おあいこを狙う
(3)話題転換 全く関係ないトピックを説明し始め、論点をうやむやにする
(4)因果改謬 因果関係のないことを、さも原因・理由かのように使う
(5)解決消去 問題を即解決して問題が起きていなかったことにする(あくまで非を認めない)
ハッタリと見かけ倒しの5つの技術
(1)意見を通したいなら「とにかくしゃべる」
(2)断定する。低く、大きな声で
(3)ナイスな身体に鍛えあげる。オシャレでアピールする
(4)「とにかく流暢」な英語を操る
(5)「知性的に見えるうんちく」を披露しまくる
発言は、中身より「回数」と「場の支配時間」
「物理的に迫力のある声」が説得力を生む
必ず全てのものに関して、「オファーと受諾」という2つの応答をする習慣を持っておきたい
家族を「戦略資産」として捉える
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「インド民の代表的言い訳5つ」とそれへの対応、インド民に学ぶ「ハッタリと見かけ倒しの5つの技術」など、とにかく内容が実用的で面白い。
最後に示された、日本人の美徳を失わないためのチェックリストも勉強になりました。
来るべき移民の時代に、自分や家族がしたたかに生きるために、また日々の悩みを忘れるために、ぜひ、読んでおきたい一冊です。
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『インド人は悩まない』
インド麦茶・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
はじめに
序章 初学者のためのインドを捉える3つの視点
I 「基礎」の部
第1章 「悩まない」心を手にする4STEP
II 「攻め」の部
第2章 「言い訳に打ち負けない主張」で”攻める”
第3章 ハッタリと見かけ倒しで”攻める”
III 「守り」の部
第4章 「ほんまかいな」の疑う習慣で自分を”守る”
IV 「楽をする」部
第5章 他人を使って、もっと”楽をする”
第6章 家族を使って、もっと”楽をする”
V 「回帰」の部
第7章 インド民から学ぶ合理性と日本人の美徳の融合
おわりに
参考文献
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