【高市政権が考えていることと、関連銘柄がわかる】
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「国策に売りなし」と言われますが、ではどこを買えばいいのか、明確に示してくれるのが、本日ご紹介する一冊。
高市早苗総理とそのブレーンがオムニバス形式でまとめた、『国力研究』です。
有識者として登場するのは、前駐オーストラリア大使の山上信吾氏、前駐中国大使の垂秀夫氏、麗澤大学客員教授の江崎道朗氏、日本大学危機管理学部教授の小谷賢氏、杏林大学医学部教授の山口芳裕氏、元空将の尾上定正氏、元国家安全保障局次長の兼原信克氏、元内閣官房参与の本田悦朗氏、早稲田大学政治経済学術院教授の若田部昌澄氏、産業遺産情報センター長の加藤康子氏の計10名。
安全保障に関する部分が半分以上を占めますが、だからといって、ビジネスパーソンにとって関係ないわけではありません。
軍事、テクノロジーも含め、どんな分野に今後需要が生まれるか、まさに「国策」が読める内容なのです。
日本の課題と国力面で強化するべきポイントを示した有識者の文章も参考になりますが、何といっても高市総理のパートがいい。
これから日本が強化すべき産業と安全保障について述べた序章、宇宙政策について述べた第六章、最後の結びの章「「人材力」の強化に向けて」が高市総理の担当ですが、ここになんと、具体的な企業名が登場するのです。
総理が今後重点分野と目している産業、そしてそこで主要な技術を握っている上場企業、スタートアップ企業の名前が明かされており、即「買い」の一冊と言っていいと思います。
中小企業にとっても、今後生き延びるためのヒントが書かれており、投資家、経営者両方にとって役立つ内容。
先日ご紹介した『お金の不安という幻想』と併せて読めば、少なくとも「先行き不透明感」による不安はなくなるでしょう。
『お金の不安という幻想』
田内学・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022520841
日本がどうあるべきか、産業人は何を持って支援すべきか、公に発表されたどの書類を読めば詳細がわかるか、とにかく課題が明確になる一冊です。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
(特に断りのないものは高市氏の発言)
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防衛費増額に対する批判を展開する政党もありますが、国民の皆様の生命を守ることと財源を確保すること。この二つを天秤にかけることなどできません。中長期的に大事なことは、「防衛費確保のために、重要な他の施策の財源を削る」という発想ではなく、日本経済のパイ全体を拡大して必要な予算を確保することです
フュージョンエネルギーの産業化に向けては、これまでITER計画などに関わってきた企業はもとより、多くの日本企業の力が必要です。二〇二四年三月に、一般社団法人フュージョンエネルギー産業協議会(通称J-Fusion)が設立され、フュージョンエネルギーの産業化に向けて新たな一歩を踏み出すことができたことを嬉しく思っています。J-Fusionは、メーカー、商社、電力、IT、建設、材料、金融など、実に多様な業界・業種の企業で構成されており、他国の業界団体とは異なった、日本独自の団体となっています
『経済安全保障推進法』に基づき、一般財団法人肥料経済研究所が支援団体となった基金事業により民間事業者が取り組む認定事業は、二〇二四年六月末時点で一〇件になりました。輸入代替国の選択肢が多いりん安(リン酸アンモニウム)及び塩化カリウムを支援対象としており、国内の年間需要量の3カ月分に相当する肥料原料を恒常的に保有し、原料需給の逼迫が生じた場合にも肥料の国内生産を継続し得る体制の構築を目標としています
「ノングルテン」基準の米粉を国内でピザ生地やパスタに加工して(米粉のままで輸出すると海外で加工する際にグルテンが混入するリスクがあるため)、輸出すると、世界に市場が拡がるでしょう
日豪関係の基礎数字に「七六四」「九四二」というものがあります。これは、いかにオーストラリアが日本のエネルギー安全保障、食料安全保障にとって大切な国かを示しています。「七六四」はエネルギーで、日本の輸入石炭の七割、鉄鉱石の六割、ガスの四割がオーストラリア産だということです。「九四二」は食料安全保障で、輸入砂糖の九割、牛肉の四割、小麦の二割がオーストラリア産だということです。
(山上信吾氏)
内閣府では、二〇二五年までに、民間事業者による小型SAR衛星コンステレーションを構築し、商業化を加速すべく、政府が一定の調達を保障する実証事業を推進しています
我が国のベンチャーQPS研究所やSynspective社(シンスペクティブ社)は、小型SAR衛星分野で、世界に伍するトップランナー
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あえて申し上げれば、人手不足に関するコメントが足りないですが、日本の国力をどう強化するか、全体像も各論も、バッチリ示されています。
ビジネス、投資の参考に、ぜひ買って読んでみてください。
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『国力研究』
高市早苗・編著 産経新聞出版
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◆目次◆
序 章 国際社会の現実と「総合的な国力」強化の必要性 高市早苗
第一章 外交力
1 中国に怒るべきときは怒れ 山上信吾
2 「習近平中国」の実態 垂秀夫
第二章 情報力
3 インテリジェンスをいかに強化していくか 江崎道朗
4 スパイ防止法や通信傍受等法整備が必要 小谷賢
5 非対称兵器と平和ボケ 山口芳裕
第三章 防衛力
6 自衛隊の実力と反撃能力 尾上定正
7 台湾有事と日本の役割 兼原信克
第四章 経済力
8 国力の基礎となる経済力 本田悦朗
9 日本の経済戦略 若田部昌澄
第五章 技術力
10 明治の「殖産興業」に学べ 加藤康子
第六章 「国力」の全要素を包含する宇宙政策 高市早苗
結びの章 「人材力」の強化に向けて 高市早苗
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