【世界の見方が変わる、シンガポール国立大学の超人気講義】
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本日ご紹介する一冊は、91万部突破のベストセラー『頭に来てもアホとは戦うな!』の著者、田村耕太郎氏による一冊。
『頭に来てもアホとは戦うな!』
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2014年に著者がシンガポール国立大学(NUS)リー・クアンユー公共政策大学院に立ち上げた「アジア地政学プログラム」のエッセンスが散りばめられた論考です。
世界情勢や国境、産業がなぜ変わっていくのか、国家発展と衰退の原理を説き、これまでの世界の歴史を解説。
その延長上で、これからの世界がどうなっていくのか、ヒントを示しています。
150ー200年で世界が変化する理由や、国が発展するための成長モデル、帝国の王に対抗する勢力が生まれるきっかけなどは、本当に勉強になりました。
衰退した日本は、この国家発展の成長モデルを、1ステップ戻ってやり直すべきなのかもしれませんね。
アメリカやヨーロッパ、日本の政治体制がなぜ今のように変わってきたのか、これから世界はどこへ向かうのか。
各国を動かす原理とトップの思惑など、ビジネスリーダーとして知っておくべき、「世界の見方」がわかる内容です。
リーダーの基礎教養となる哲学や歴史・地理、地政学が中心の内容ですが、だからといって堅苦しい内容ではなく、サクサクと読み進められます。
この文章力は、さすがベストセラー作家ですね。
あくまで書かれているのは学問の入口であり、読者はここから深掘りして学習する必要がありますが、勉強に興味を持たせるには十分でしょう。
若い頃、こんなに面白く政治を教えてくれる先生がいたら、と本当に悔やまれます(苦笑)。
激動の世界に翻弄されないために、また変化を先取りしてチャンスを掴むために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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今回の大転換は、「世界のアメリカ頼みからの自立」「アメリカの凋落」いや「アメリカの自滅」といえるだろう
150ー200年で世界が変化する理由
(1)人間の「世代交代」と集合意識の変化(世代論)
(2)人間の集合無意識の「記憶限界」
(3)政治体制の寿命(制度疲労理論)
(4)経済サイクル(長期サイクル理論)
既得権益に不満を持つ勢力が、それに挑戦する力を得た場合、特に国境に接する双方が違うナラティブ(その国の物語)を信じている場合、単なる紛争ではなく、国民国家同士または、民族間の総力戦になる場合がある。ロシアとウクライナの紛争がその例である
今後は、食糧生産は安全保障の一部とされ、日本政府も欧米並みの所得補償を行い、事業としての農業生産の魅力が増すかもしれない
次のトレンドの中心よりも、その周辺に、まだ他人が見出していないチャンスがある
望ましい最終形は、「そういう手ごわい外資から学んだ日本人が、地方都市をリスペクトしながら、世界基準で再生させていく」ことである
国が発展するための成長モデル
1.土地改革
2.輸入代替
3.輸出振興
4.資本自由化
日本の成熟した技術を東南アジアに植えていくことだ。このまま放置すれば、日本の優れた技術を持つ中小企業は、後継者難や人口減少による市場縮小で倒れてしまう
成功するビジネスの本質とは何か? 私の答えは、ハイマージン(高い利益率)である。(中略)ハイマージンを実現できるビジネスとは、「自由な価格決定権を持っている」ビジネスだ
時代は、まだまだアメリカ一辺倒が続きそうだ。日本はそこに素材と部品、エンタテインメントを提供し、中国は人材を提供する。そういう流れになるのではないか
歴史の中心には、いつもダークホースが躍り出る
国家形成の第一歩は、公衆衛生と栄養の改善による人口増加、中央集権によるインフラ整備、強靭な政府機関が整備されることだ
次なるナラティブの衝突する地域を読み切れ
中国は歴史的に国内の治安の悪化を恐れる
ほとんどの人が賛同しない真実を見つけよ
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あくまでも著者の見方が中心の論考ですが、歴史をベースに、これから何が起こるのか、ヒントを教えてくれる一冊です。
後半部分は、自己啓発的に楽しめると思います。
世界の見方がわかれば、ニュースの読み方、活かし方がわかる。
経営や投資の大局観を作るために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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『君はなぜ学ばないのか』
田村耕太郎・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
はじめに
序章 「大学習時代」の到来ーなぜ今、学び続けることが必要なのか?
第1章 なぜ、アジア地政学プログラムが最も長く成功しているのか?
第2章 学びの基本は哲学
第3章 歴史と地理をつなげると人生は明るい
第4章 地政学を使って変化を先読みする方法
第5章 好奇心こそ、我々の生きるエンジン
第6章 時間持ちこそ人生の勝者
第7章 投資思考が人生を豊かにする
第8章 世界最強のビジネススキルは観察力
第9章 テクノロジーを使い倒せ
終章 継続的な学びが未来を切り開く
参考文献リスト
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