【注目の起業家、小澤隆生氏初の本格評伝】
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本日ご紹介する一冊は、ビズシークの創業、楽天イーグルス立ち上げ、PayPayの立ち上げなどで知られる、日本を代表する起業家、小澤隆生氏の評伝。
執筆を担当するのは、銀行、証券会社等を経て、作家として活躍する北康利氏。
第14回山本七平賞を受賞した、『白洲次郎 占領を背負った男』の著者といえば、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
『白洲次郎 占領を背負った男』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062762196
これまで、歴史上の偉人を扱うことの多かった著者が、現役の起業家・投資家の評伝を書くという新たな試み。
読んでみたところ、起業の成功ノウハウと起業家群像劇が共存する、見事な読み物に仕上がっていました。
インターネット黎明期のスタープレイヤーたちとの交流や、今日のインターネットビジネスや球団ビジネスへの小澤氏の貢献、知られざる舞台裏が見えてきて、とても楽しい読み物です。
ところどころに「おざーんの法則」と呼ばれる、小澤氏の起業成功法則が登場し、これから起業したいと思う方、さらなる成長を目指したい方には響く内容だと思います。
ノウハウには興味があるが、評伝には興味がないという方にも、十分有益な内容ではないかと思います。
関係者の証言をもとに書かれた力作で、スタートアップ界隈での小澤氏の評価、小澤氏がどんな人物を評価するかなどが行間から見えてくる、そんな部分も魅力です。
・徹底的に事例研究をしよう
・成長する市場を選ぼう
・友だちをつくろう
・市場の声に耳を傾けよう
・日々面白いことを考えよう
・物事の本質を考えよう
・実現したいことを要素分解しよう
・何があってもやり抜く覚悟、執着心を持とう
紹介されている「おざーんの法則」はいずれもシンプルなものですが、言うは易し、行うは難し。
ストーリーを読んでいけば、実際に氏がこの法則をどう活用し、勝機を掴んでいったのか、その詳細がわかると思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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小澤は言う。「おそらく誰の人生にも何度か、社会が変わり膨大な富がそこに集まる現象(ゴールドラッシュ)が訪れるんですよ。僕の場合、それがインターネットだった。そうしたチャンスを見つけたら、とにかくできるだけ早く、そこに飛び込むべきです。なにはともあれ、できるだけ早く!」
「おざーんの法則」の「徹底的に事例研究をしよう」である。何かをやろうと思ったら、必ずその何かを実際にやったことのある人や企業を調べるのだ
小澤には自分が凡人だという自覚がある。凡人でも成功するためには、成功する確率を上げていくほかない。成功の確率を高めるには、とにかく成長市場で事業を立ち上げることだ
この頃、小澤が語った言葉を岡元は覚えている。「川下から川上にオーダーしていく道を俺たちは切り開いたんだ。川上から川下に商品が流れていくという日本の商慣習をぶっ潰そう!」
小澤はすでに、起業したての自分たちにとって大事なのは黒字化ではなくユーザー数の増加だと理解していた。これが功を奏するのである
小澤がアメリカのITバブル崩壊前に出資者を獲得できたのは幸運だった。それはゴールドラッシュを見つけてから飛び込むまでの時間が短かったからだ。逡巡していた人間の多くは、ITバブル崩壊に飲み込まれていった
最初に彼は「おざーんの法則」の「実現したいことを要素分解しよう」にしたがって、プロ野球の「要素分解」を始めた。(中略)事業を要素分解していくと、「チケット」「グッズ」「放映権」「スポンサー」「飲食」「ファンクラブ」などがある。「おざーんの法則」の「徹底的に事例研究をしよう」にしたがって、これらの成功事例を徹底的に調べた
「なぜ人は、居酒屋になら年3回と言わず何度も足を運ぶんだ?」小澤は例によって仮説を立てた。「それは仲間とのコミュニケーションを楽しめるからじゃないのか?」もしこの仮説が正しければ、野球を見ながら仲間とコミュニケーションができる場をつくったら、居酒屋同様、何度も足を運んでくれるはずだ(中略)そこで、球場に26カ所ほどの「居酒屋シート」をつくった。居酒屋シートの正式名称は「ボックスシート5」。テーブルを囲んで5人入れるからだ。これが合コンや会社の飲み会で使われ、当たりに当たった
—50年ぶりの新球団が球団職員を募集するたった一行そう書いて出したら、なんと1週間で8000人もの応募が集まった
部下の詰め方も論理的だ。「それって構造的にかかるコスト? 一時的なコスト?」という質問をよくした
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ノウハウ良し、ストーリー良し、読後感良し。
起業家なら、読まない手はないと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『小澤隆生 起業の地図』
北康利・著 日経BP
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◆目次◆
はじめに
プロローグ 長者番付に見出した未来
第1章 ゴールドラッシュに乗り遅れるな!
第2章 楽天イーグルス立ち上げ
第3章 起業の伝道師
第4章 PayPayを10兆円企業に
エピローグ この国の未来は起業家にかかっている
あとがき
参考文献
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