2025年6月9日

『中古マンションこれからの買い方・売り方』 後藤一仁・著 vol.6736

【都市でマンション購入を考える人に】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534061870

都市人口の増大、パワーカップルの誕生、闇バイト事件など、諸般の状況を受けて、都心は不動産を買うならマンション一択、という状況になりつつあります。

なかでも注目されるのは、中古マンション。

新築信仰の強いわが国ですが、昨今は建築資材、人件費の高騰による新築マンションの価格高騰が続いており、都心はついに平均価格1億円を突破。

そんな状況を受けて中古マンションの売買が増え、中古の成約件数は既に新築の供給戸数を超えています。

本日ご紹介する一冊は、そんな中古マンションの売買の秘訣を、不動産のプロが教える一冊。

著者の後藤一仁さんは、大手不動産会社のハウジングアドバイザー、東証一部上場企業連結の不動産会社の取締役を経て、不動産コンサルタントとして活動する人物です。

ボリューム的には全体の3分の2が中古マンション購入に関する知識、3分の1が売却に関する知識となっています。

マンションの資産価値の根本を成す「3つの価値」の説明に始まり、資産価値の高いマンションの条件、低いマンションの条件、売買の際気をつけるべきポイントなど、ある程度経験した人でも見逃しがちな点まで細かく紹介しています。

マンションの「3つの価値」
(1)資産価値 いざというときに「売れる」「貸せる」
(2)安全価値 自然災害の被害を最小にとどめられる
(3)利用価値 利便性・居住性・幸福度が高い

これから購入を考える人は、51ページ「購入後、価値が落ちにくいマンションの条件」から111ページまでは最低読んでおくことをおすすめします。

購入後、価値が落ちにくいマンションの条件 ※一部紹介
・「人気沿線」「人気駅」にある、「駅力」「街力」がある場所に建つ
・「駅から徒歩7分以内」のマンション
・そのエリアの「ランドマーク」的なマンション
・人口が増えていて、若年層の流入があるエリアに建つマンション
・江戸時代に大名や上級武士が住んでいたエリアに建つマンション

このたった60ページを読んでおくだけで、購入失敗する確率が大幅に下がると思います。

自然災害リスクや内見の際に見落とさないポイントなど、かゆいところに手が届く内容で、これからマンション購入する人には、ぜひチェックしていただきたい内容。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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新築マンションの供給戸数は23年で3分の1以下に減っている

中古の成約件数はすでに新築の供給戸数を超えている

2023年の東京23区の新築マンションの1住戸当たりの平均価格は1億1483万円と前年を39.4%上回り、初めて1億円を超えました

人件費の上昇、建築工事費の高騰、工期の延長、世界から見た日本の不動産の割安感など、マンション価格に影響をおよぼす要素のデータに注目すると、下がる要素はあまり見当たらない

東京都港区の高級(ハイエンドクラス)マンション価格(1戸の専有面積当たりの分譲単価)を100とした場合の各都市との比較指数は、東京(港区)を100とした場合、北京が125.5で、上海158.3、香港258.7、台北156.1、シンガポール138.6、シドニー115.7、ニューヨーク 140.8、ロンドン206.3と、東京は世界の主要都市と比べいかに割安であるかがわかります

マンションの「3つの価値」
(1)資産価値 いざというときに「売れる」「貸せる」
(2)安全価値 自然災害の被害を最小にとどめられる
(3)利用価値 利便性・居住性・幸福度が高い

価格が下がりにくいマンションとは、「価格を押し上げる(または維持される)付加価値や希少価値などを持つ、競争優位性のあるマンション」

購入後、価値が落ちにくいマンションの条件 ※一部紹介
・「人気沿線」「人気駅」にある、「駅力」「街力」がある場所に建つ
・「駅から徒歩7分以内」のマンション
・そのエリアの「ランドマーク」的なマンション
・人口が増えていて、若年層の流入があるエリアに建つマンション
・江戸時代に大名や上級武士が住んでいたエリアに建つマンション

立地・購入希望エリアを最初に決める

住宅ローン控除に必要な要件の「50m2以上」は内法面積

築年数は「2001年以降完成」を判断基準の一つにする

表記上「1階」となっていても「ドライエリア」との記載があった場合は、該当住戸は実際は地階である可能性が高い

6貼未満の居室しかない場合は原則NG

「定期借地権」は更新ができない

共用部分は「掲示板」「メールボックス」「ゴミ置場」をチェックする

水害記録を「浸水実績図」などで確認する

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赤ペンチェックでは、主に購入する際のポイントをまとめましたが、本書の後半3分の1には、売却の秘訣や手続きが書かれています。

既にマンションを持っていてこれから売却したい方は、価格設定や売り方、税金のことまで、かなり細かく書き込まれているので、こちらを参照するといいでしょう。

売買のポイントから仲介業者選び、立地の安全性など、マンションに限らず不動産売買全般を学べる、読み応えある本です。

ぜひ読んでみてください。

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『中古マンションこれからの買い方・売り方』
後藤一仁・著 日本実業出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534061870

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◆目次◆

プロローグ 「住まい」の選択でお金の損得が決まる
第1章 「資産価値の高いマンション」の探し方
第2章 「購入のものさし」をつくる
第3章 「本当に買っていいマンションか?」をウェブで見極める
第4章 内見して購入申込をする
第5章 ローンで困らない「資金計画」を立てる
第6章 大災害から命と資産を守る「安全なマンション」の見分け方
第7章 売却を成功させるために流れをつかむ
第8章 売却の成功は「不動産会社選び・最初の価格設定」で決まる
第9章 最高の売却を実現するための「必勝パターン」
エピローグ

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