2025年1月7日

『ひとことで整える』堤藤成・著 vol.6635

【見える化、言語化の次はこれ?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396618301

本日ご紹介する一冊は、売れ行き好調、『ハッとする言葉の紡ぎ方』の著者、堤藤成さんによる新刊。

『ハッとする言葉の紡ぎ方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396116918

「見える化」「言語化」の次に来るコンセプトとして、「コピー化」を提案しています。

著者のいう「コピー化」とは、<自分や自社の「らしさ」の本質を掴んだ「キャッチコピー(ひとこと)」を紡ぐこと>。

この紡いだ言葉をコピー機で刷るように人々の心に複写していくことで、チームに一体感が出て、社会を変える力になるというのが、著者の主張です。

コピー化の事例として、GAFAMやユニクロなどのグローバル企業の例、著者のクライアントの例が出てくるので、コピー化が何かはスッと理解できると思います。

先日、荒木俊哉さんの『こうやって頭のなかを言語化する。』を読み、<言語化力のベースは「聞く力」にある><周囲の話を聞くことと、「自分自身の話を聞く」ことが、言語化に有効である>という話を紹介しましたが、本書でもこの「聞く」プロセスが紹介されています。

『こうやって頭のなかを言語化する。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569858228

個人のブランドコンサルティングも手掛ける著者が、対話のなかからどうやって言葉を紡ぎ出すのか、その鮮やかな手法を学ぶことができます。

紹介されているコピー化メソッドのなかで注目したいのは、「おすし」の法則や、「SUSHIチェックリスト」、らしさのコピー化を行う「FOCUS法」など。

「コピー化」には、インプットと経験、センスが求められるため、これを学んだだけで著者のようなコピー化ができるとは限りませんが、実際のプロセスをなぞることで、そのヒントを掴むことができます。

自分や自社を鮮やかにコピー化したいと考える人にとって、外せない一冊だと思います。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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■「コピー化」の7つのメリット
(1)相手の心を掴める
(2)コミュニケーション効率が上がる
(3)チームに一体感ができる
(4)自分に合った仕事が集まる
(5)売上が上がる
(6)自分の志が耕され生きがいを感じられる
(7)社会が良くなる

言葉を量産する時代から、らしさを紡ぐ「ひとこと」の時代へ

■ユニクロ(ファーストリテイリング)
のミッション・ビジョン・バリュー
ミッション(使命)
LifeWear
ビジョン(未来像)
服を変え、常識を変え、世界を変えていく
バリュー(価値基準)
世界一のアパレル製造小売業
お客様の立場に立脚/革新と挑戦/個の尊重、会社と個人の成長/正しさへのこだわり

■おすしの法則
(1)おいしいこと お寿司のように「おいしい」コピー化を目指そう
(2)素のままであること お寿司のように「素材の良さを活かした」コピー化を目指そう
(3)志があること お寿司のように「志のある」コピー化を目指そう

お寿司というのは、おいしいだけではなく、そこに「祝いを司る」という志が込められている特別な食べ物

■SUSHIチェックリスト
Simple(シンプル)わかりやすいか?
Useful(ユースフル)機能するか?
Small(スモール)ひとくちサイズか?
Happiness(ハピネス)おいしいか?
Identity(アイデンティティ)個性が活きているか?

■「らしさのコピー化」を行なうFOCUS法
ステップ1 Find(傾聴や内省でネタを「見える化」する→ネタ探し)
ステップ2 Open(イメージを広げながら「言語化」する→調理)
ステップ3 Choose(言葉を選択しおいしい「変化」をつくる→握り)
ステップ4 Update(細部を磨き上げながら「進化」させる→盛り付け)
ステップ5 Share(口に出し味わいながら「文化」にしてゆく→実食)

■GAFAMの「らしさ」
Google 世界中の情報を整理し、アクセス可能で役に立つようにする
Apple Think different(発想を変える)
Facebook bring the world closer together(世界の繋がりをより密に)
Amazon The Everything Store(すべてを売る店)
Microsoft 地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする

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「コピー化」という言葉が流行るかどうかはわかりませんが、個人や組織の「らしさ」を明確化し、推進力を高める、重要なヒントになると思います。

組織のミッション、ビジョン、バリューを明確化したいマネジャー、個人のブランド構築を考える人に、おすすめの一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『ひとことで整える』堤藤成・著 祥伝社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396618301

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0DQZT3H7V

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◆目次◆

プロローグ
第1章 なぜ「らしさのコピー化」が大切なのか?
第2章 「らしさ」と「コピー化」の誤解
第3章 「らしさ」を紡ぐコピー化の5ステップ
第4章 「らしさ」を紡ぐコピーの活かし方
第5章 自分らしさを紡ぐコピー化実践講義
エピローグ

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