2026年3月11日

『組織の違和感』 勅使川原真衣・著 vol.6921

【結局、リーダーの仕事とは】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478122385

本日ご紹介する一冊は、組織開発コンサルタントとして注目を集める、勅使川原真衣さんによる新刊。

著者は、ボストン・コンサルティング・グループ、ヘイグループなどの外資系コンサルティングファーム勤務を経て、2017年に独立。

『働くということ』で新書大賞5位を受賞、AERA「現代の肖像」でも取り上げられるなど、今、勢いのある人物です。

『働くということ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087213196

著者は、一元的な評価のものさしを人に突きつける「能力主義」を一貫して批判してきた方で、本書では、組織という複雑な人間の集まりにおいて、われわれがどうコミュニケーションを取ればいいか、ヒントを述べています。

著者は、組織内のコミュニケーションの問題について、こんな指摘をしています。

<誰かが「正しくない」から問題が起きているのではなく、人によって「正しさ」が異なることを理解し合った意思疎通がおざなりにされてる>

では、どうすればいいのか。

著者は、個人を理解するために、以下のステップを踏むことを提唱しています。

(1)自分の解釈のパターンを知る
(2)相手の解釈のパターンを知る
(3)それらを踏まえて、組み合わせる

そのためのツールとして、本書では、「ソーシャルスタイルの4類型」という、アメリカの産業心理学者デビッド・メリル氏が提唱する「ソーシャルスタイル診断」の簡易版が紹介されています。

「A ドライバー」
「B エクスプレッシブ」
「C エミアブル」
「D アナリティカル」

の4類型で自分と相手のスタイルを分け、組み合わせることでコミュニケーションのヒントが得られる。

土井はAかDだと思いますが、相手によって気遣うポイントがわかり、参考になりました。

ぜひ、みなさんも試してみてください。良いアドバイスが得られると思います。

さっそく、本文の中から気になる部分を、赤ペンチェックしていきましょう。

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誰かが「正しくない」から問題が起きているのではなく、人によって「正しさ」が異なることを理解し合った意思疎通がおざなりにされている

組織を動かしたいときこそ、次の順序で個人を理解しようとする
(1)自分の解釈のパターンを知る
(2)相手の解釈のパターンを知る
(3)それらを踏まえて、組み合わせる

「なんか変」は大事なサイン

「職場のすれ違い」は決めつけから生まれる

「あれっ、おかしいな」と思ったとき、「誰が正しいのか?」と考えるのではなく、「それぞれの人が何を『正しい』と思って行動しているのだろう?」と現状を認識し直すこと。これが職場改善の一丁目一番地です(昭和ビジネス用語で恐縮です)

いかにも日本企業的な、「空気を読む」「折り合いをつける」ことが上手な人ほど、自分自身のことを見失っている可能性があります

「自分を変える」というのは、自分の内面を変えることではなく、外部環境との接続の仕方を調整すること

新卒や中途、年齢や性別、国籍さえも多様な人と働く今の時代、「言わなくてもわかるでしょ」「察してよ」というのはマネジメントの怠慢

ソーシャルスタイルの4類型
「A ドライバー」
「B エクスプレッシブ」
「C エミアブル」
「D アナリティカル」

あいつはこうだと決めつけて、相手を変えよう変えようとやきもきするぐらいなら、相性の問題として組み合わせを調整したほうが、自分自身にも余裕が生まれます

自分のチームにはこれが足りないと自覚していても、「それでも自分で何とかする」と、無理をすることで不足を個人的に抱え込むケースもあります。そんなとき私は、「ぶっちゃけ、できそうですか?」「できるなら、今までもできたはずでは?」と尋ねます。そこで「難しいとは思いますが、他に頼れる人がいないので……」という答えが返ってきたら、次のようにお伝えします。「メンバーの持ち味や武器を、どのくらいご存じですか? 周りは周りで、あなたを助けたいのに助け方がわからないという人もいらっしゃるんじゃないですか?」

葛藤や困難事例こそ会議で話す

「仕事ができる」「優秀」とは、組み合わせが良いということに尽きます

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ちなみに、「おわりに」で、「なぜ、勅使川原はダイヤモンド社から本を出したのだろう?」という話が書かれていましたが、ここで指摘されている、<「話す力」を身につけろと言ったかと思えば、「聞く力」こそが9割と言ったり>というのはすばる舎じゃないかと思います(笑)。(まあ、すばる舎さんもネタにしている話だと思いますが)

一元的コミュニケーションしか取れない書籍という世界においては、複雑な組織のコミュニケーションを論じることは極めて困難。

本書はその困難に対して、「ソーシャルスタイルの4類型」に基づき人間関係をマッピングするという手段を提供しています。

相手のソーシャルスタイルと自分のソーシャルスタイルから、コミュニケーションのヒントが見えてくる。せっかちにとらえず、相手をよく観察することで見えてくるものがある。

リーダーにとって、楽ではないけれど実効性のあるコミュニケーションのヒントが説かれています。

ぜひ、読んでみてください。

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『組織の違和感』
勅使川原真衣・著 ダイヤモンド社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478122385

<Kindleで購入する>
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◆目次◆

はじめに
第1章 違和感とは何か?「決めつけ」が横行する現場で
第2章 まず、「自分を知る」
第3章 次に、「相手を知る」
第4章 そのうえで、「組み合わせる」
第5章 違和感を乗り越えるための話し方・振る舞い方
第6章 「いてくれてありがとね」から始まる組織改革
おわりに
参考文献
解説 坂井風太

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