【本は読んで欲しいけど…】
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本日ご紹介する一冊は、話題作となった『映画を早送りで観る人たち』著者の最新作。
『映画を早送りで観る人たち』
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前著は6万部弱のベストセラーとなったようで、この話題に関する関心の高さをうかがわせますが、今回は、出版業界にとってど真ん中の話題。
業界人、本好きの中には、早速読んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
前作同様、唖然とするような読書実態が明らかになり、本に関わる人は、軽いショックを受けるはず。
いくつか、気になった部分を紹介しましょう。
<「文章」というものの経済的価値が、劇的に下がりつつある>
<長い文章はChatGPTが要約を返してくれるので本を読む必要はないです>
<誰が書いているかなんて考えたこともない>
<20年で新書の初版部数は半分になった>
日本の非読社会化が着実に進行していることを示す証拠や言動が示されており、読むと暗い気持ちになります。
ただ、そんな中で見えてくるチャンスも示されており、『20代で得た知見』や『5分後に意外な結末』シリーズ、『#真相をお話しします』などの成功事例が成功理由とともに紹介されています。
土井はある程度スマホやSNS使用に規制をかけるべき、と考える人間ですが、本書を読むと、出版業界が無意識にかけてきた読書へのプレッシャーや読むことが苦手な人への配慮のなさがわかり、その点は改善すべきだと思います。
本書の「終章」には、読書のゾッとする未来が描かれていますが、コロナ以降の高価格、読者数の急激な減少を考えると、十分あり得る話だと思いました。
出版業界中心の話題ではありますが、これからのトレンドや消費、教育を考える、良い機会になると思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を、赤ペンチェックしていきましょう。
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「文章」というものの経済的価値が、劇的に下がりつつある。もはや多くの現代人には、ネット上でニュースや記事を読む際にお金を払うという発想がない。地球上における空気、あるいは日本における平和や水と同じように、文章もタダだと思っている
大学生に、ネット上にあなたがお金を払ってでも読む価値のある文章は存在すると思うかを問うと、経済紙の電子版や推しの有料ブログなどを除き、大半が「ない」と即答する
「長めの文章はスマホで写真を撮って、ChatGPTに画像を投げれば要約を返してくれるので、別に長い本とか読む必要はないです」
グーグルディスカバーは、そのスマホを使っているユーザーの検索履歴やウェブ閲覧履歴などに紐づいた、つまり「スマホのオーナーが興味を持っていそうな最近のネット記事」を、グーグル側のアルゴリズムに基づいて視界に入れるものであり、これをニュースと呼んでいいかどうかは微妙なところ。しかし彼らは「ニュースを何で読むか」という質問の流れでグーグルディスカバーを挙げてきた
この徹底した受動性は、若者たちのインターネット流儀そのものだ。
YouTubeショートであれ、インスタグラムやTikTokであれ、そこに投稿されている動画を彼らが「狙って」見に行くことは少ない
フォロワー数が多いアカウントは信じられる
「実利的かつ必要な情報」をなぜ求めるのか。裏を返せば、その情報が受け取れていないために不利益を被る事態を避けたいからだ
ビジネス書の機能は一見して純粋なスキルアップや成長と思いきや、本質はそうではない。経済成長が停滞中の我が国では、「今のままの自分では収入が上がらない」「黙っていても良いキャリアプランを描けない」「このままでは同世代に差をつけられてしまう」「自分が成長しなければ安定した生活を手にできない」といった焦り、つまりマイナス状態からの脱却を切望する人が、その解決手段を知りたいと願ってビジネス書に飛びつく
大衆は放っておけば、「他人の不幸」や「分かりやすく刺激的なもの」しか読まない
動画チャンネルの隆盛は、「本を読みたいけど、読めない」大人たちがいかに多かったかを示している。皆、本当は本など読みたくなかったのだ
実は「本をメイン商材としてではなく、サブ商材としてくれたほうが書店に入りやすい」
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読書会などには、ピッタリの内容で、個人的にも本書の話題でいろんな方と議論したいと思いました。
前作同様、衝撃的なことが書かれていて、興味深く読ませていただきました。
みなさんもぜひ、読んでみてください。
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『本を読めなくなった人たち』
稲田豊史・著 中央公論新社
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◆目次◆
プロローグ
第1章 ニュースを無料で読む人たち
第2章 本を読まない人たち
第3章 本と出合えない人たち
第4章 本屋に行かない人たち
終章 紙の本に集う人たち
あとがき
主要参考文献
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