【愛ある経営を実践するために】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478119899
本日ご紹介する一冊は、野村證券、米国野村證券、不動産トレーディング会社レーサムリサーチと、金融畑を歩んできた著者が、ひょんなことから沖縄のホテル経営に関わり、そこでたどり着いた新しい経営の原理を述べた一冊です。
著者は、赤字続きだったサンマリーナホテルを、「嘘のない」「愛を中心に据えた経営」へと転換することで、経常利益約1億3000万円、営業キャッシュフロー約2億3000万円という、超優良企業へと変革することに成功します。
ところが、企業価値が向上した結果、ホテルは推定約60億円で外資系ファンドに売却されることに。著者はこの売却に反対したため、最終的には懲戒解雇という結末を迎えます。
本書は、この理不尽とも言える経験と、その後に自身に起こったプライベートな変化をベースに、著者が発見した「新しい資本主義」「新しい経営のかたち」を紹介したものです。
貧富の差が拡大し、限界に達しつつある現在の資本主義に、一石を投じる内容となっています。
本書の中では、次のような主張が展開されます。
・この社会で決定的に不足しているのは、「人の関心に対する関心」である
・企業最大のコストは人件費ではない。「嘘のコスト」である
・地域経済から利益をごっそり抜き取っていくのが上場企業である
・すべての上場企業は反社会的である
かなり過激な言葉が並びますが、金融の最前線に身を置いてきた著者だからこそ、資本主義の本質を的確に捉えており、その主張には強い説得力があります。
なぜ株主中心主義が人間の幸福につながらないのかを理詰めで説明し、さらに、そこから抜け出すための新たな考え方も提示しています。
現在、一部の起業家にとっては、上場やM&Aがゴールになっています。
しかし、なぜそれをゴールにしてはいけないのか、その本質的な理由が本書には書かれています。
<莫大な資産は、株式上場によって全従業員が負った「負債」の裏返しである>
と記された箇所は、上場企業で働く人であっても、おそらく多くの人が見えていない真実でしょう。
また、
<利益は目的ではなく、人の関心に関心を向けたことの結果として得られる果実である>
という原理に気づけば、経営はもっと人の幸せに資するものになるはずです。
かつてのサンマリーナホテルの経営から、経営者が学べることは非常に多いと感じました。
それではさっそく、本文の中から気になる部分を、赤ペンチェックしていきましょう。
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人の関心に深い関心を持つことは、私たちが、誰かの上司として、誰かの妻として、誰かの友人として、自分の大切な人たちに、あなたが大切というメッセージを贈ることなのだ
企業最大のコストは人件費ではない。嘘のコストである
私たちはいつのまにか、自分が欲しくないもの、自分の子どもに食べさせたくないもの、自分が受けたくないサービスを人に提供して生活を維持する社会をつくり出してしまった
私は、真の顧客ニーズは少なくとも2つ存在すると思う。
「頼むから、私に嘘をつかないでくれ!」
そして、
「誰か、私の声を聞いてくれ!」という、心の渇きのような感情だ
もし、愛を目的にしたことで経営が傾いてしまうなら、そんな会社はつぶれてしまえばいい。嘘をつくことによってでしか利益が生まれないのなら、それは本当の意味で、社会が求める企業ではないのだから
利益は目的ではなく、人の関心に関心を向けたことの結果として得られる果実なのだ
人事考課の基準は2つだけであり、例外はない。すべての従業員の俸給、昇進、役員登用などの一切は、この基準によって決定される。
どれだけ人の役に立ったか?
どれだけ人間的に成長したか?
経営者は創業者利得を手にして成功者として讃えられ、車を買い換え、豪邸に移り住み、自分の写真が表紙になった本を出版し、雑誌のインタビューに登場するが、この莫大な資産は、株式上場によって全従業員が負った「負債」の裏返しである
地域経済から利益をごっそり抜き取っていくのが上場企業
すべての上場企業は反社会的である
株主利益最大化のために政治ができることは、少なくとも3つある。規制緩和と自由市場の永遠の拡大、99%の人件費の徹底的な削減を可能にする法改正、そして高額所得者への大幅減税である
経済的な成果を手放して、愛を「一番」に選択する。その結果として収益が生まれる。これが愛の経済学の基本原理
贈与は、人の関心に関心を向ける行為であり、それがゆえに、関わるすべての人の幸せに寄与する
銀行は債務者の信用力をあれこれ調べる以上に、自分たちが返済に値する存在かどうか、真剣に向き合うべきではないか
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タイトルは完全に自己啓発書ですが、愛を中心に据えた経営をどうすれば実現できるのか、教えてくれる経営のヒントです。
経営者、起業家にぜひ、読んでいただきたい一冊です。
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『人生とは長い時間をかけて自分を愛する旅である』
樋口耕太郎・著 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆
第1面 愛の経営
第2面 マトリックス
第3面 自分を愛する旅
第4面 愛の経済学
第5面 すべては自分から始まる
第6面 いま、愛なら何をするだろうか?
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