2026年1月27日

『2030年の世界を生き抜くための テック資本主義超入門』 大田比路・著 vol.6891

【早稲田大学の人気講義が書籍化!】
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本日の一冊は、「これをとらずに早稲田を卒業するな!」と言われているという、情報入門講義を書籍化した一冊。

著者は、個人投資家、著作家で、早稲田大学で講師を務める大田比路(おおた・ひろ)さんです。

これからの時代を生き抜くために、テック資本主義発展の歴史を概観しようというもので、Web1(1990-2003)、Web2(2004-2014)、Late Web2(2015-Present)の3つの期間に分けています。

インターネット黎明期から、人々が巨大テック企業の小作人になるまでを概観しており、その間にテクノロジーがどう変わり、人々にどう影響してきたかが書かれています。

これから富を得たい人が、パワーの源泉を見極め、アドバンテージを得られるように、またユーザーである多くの人が搾取されずに豊かに生きるためにどうテクノロジーと向き合えばいいか、ヒントが書かれています。

議論の中心に「人間」があり、人間がなぜテクノロジーを欲してきたのかという視点から書かれているので、テクノロジーの話がスッと頭に入ってくるはずです。

インターネットが自由市場の産物ではなく、軍事から出てきたものであるという話や、当初「邪悪になってはいけない」と言っていたGoogleがどんどん邪悪になっていった話、約190億ドルで買われたWhatsAppがFacebookに不採用にされた人物が作ったものである話など、興味深い話がいくつもありました。

インターネット黎明期の話は、これまでに何冊も読んでいますが、本書ほどコンパクトで面白い本は珍しいと思います。(大体冗長なものが多いので)

現在の広告テクノロジーがどのように個人のプライバシーを侵害しているのか、ユーザーにとっての悪影響は何かなど、これから社会に出る大学生にとって、興味深い視点が示されています。

ビジネスのヒントとしても、生き方のヒントとしても、情報との付き合い方のヒントとしても読める一冊だと思いました。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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イマジネーションは、赤の他人同士を結びつける見えない絆になった。「我々は同じ物語を信じている」という一点の結びつきさえあれば、1万人どころか、10万人、100万人ものホモサピエンスが「同じ集団に属する仲間」になった

物理的には存在しないものを「ある」と信じる能力こそ、我々人類のみが有する比類なきパワーだったのだ

ここにリバタリアンの理解できないパラドックスがある。インターネットは、米国政府によって構想され、資金提供されたものだった。今日、我々が考えるような自由主義の産物ではない

Yahoo!は、中心なき分散型世界であるインターネットに、ある種の中心をもたらして、その玄関口となったのだ。人間という生き物は、どれだけ無限の自由を与えられても、結局は、安心して身を委ねることのできる中心(hub)を欲するのだろう

このAdWordsこそ、Web2を生み出した基板の1つだった。ネットユーザたちの個人情報を本人にも見えぬ形でかき集め、それを広告ビジネスに利用することで、テック企業に莫大な利益をもたらす構造--その萌芽こそ、Googleの開発したAdWordsだった

情報フィルタリングを通して、自分の関心/価値に適合する情報環境に囲まれると、我々は、似たような人々が集まる同質的コミュニティに参加していく。そうした同質的集団では、集団極化が生まれやすい

金子勇は、法を破ったのではない。法が意味を成さなくなる将来像を図らずも描いたのだ

Googleがメール内容を随時読み取っていることは、深刻なプライバシー問題を生むことになる。実際、Googleは、Gmail開始直後よりスキャンしたメール内容を広告ビジネスのために利用し続けてきた。2017年には、広告ビジネスへの利用をやめると表向き発表したものの、現在に至るまでメール内容のスキャンそのものは続行されている

2021年に外部流出したFacebook社内調査資料によれば、Instagramユーザのうち、10代女性の66%、10代男性の40%には、他者とのネガティブな比較経験があり、10代ユーザの20%が自分をネガティブに認識するようになっている。自殺願望を抱く10代若者のうち、Instagramとの関連性が報告された割合は、英国13%/米国6%

私たちは「新しい帝国」の小作人となった

あるライドシェアや民泊のアプリは、あなたの行動履歴や評価スコアを見た上で「こいつなら、この価格まで釣り上げても、おそらくカネを支払うだろう」と予測する

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300ページに満たない薄い本ですが、テック資本主義の歴史とテクノロジーの変遷、インターネットの発展に貢献した科学者や経営者の情報が、過不足なく詰まっています。

ぜひ、読んでみてください。

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『2030年の世界を生き抜くための テック資本主義超入門』
大田比路・著 KADOKAWA

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◆目次◆

序 章 PREFACE
Web1 無垢の時代 1990-2003
Web2 拡張の時代 2004-2014
Late Web2 帝国の時代 2015-Present
終 章 POSTFACE

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