2026年1月14日

『困ったときは中国古典に聞いてみる』 フ・イリン・著 vol.6883

【悩み多き現代人のための中国古典】
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高校生の頃、『さようならの事典』という本にハマりました。

『さようならの事典』
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映画の台詞や古典的名著の一節を引用した言葉集でしたが、一見ネガティブな別れの言葉が、未来を切り拓いてくれる感じがしたからです。

本日ご紹介する一冊は、中国古典から、行き詰まった時のヒントが学べる本。

著者は、中国・上海出身の文芸翻訳家、アートコミュニケーターで、NHK国際放送中国語キャスターも務める、フ・イリンさんです。

59歳で流刑となった蘇軾(そしょく)が食に生きがいを見出し、ライチの詩を詠んで一躍有名になった話、李白が詠んだ酒の詩など、いつか衰える運命の人間に希望を与える話、教訓がいくつも紹介されています。

「閑職に飛ばされてしまった…」
「アイデアが浮かんでこない…」
「些細なことでイラッとしてしまう」

など、現代人の悩みに答える形で中国古典のエッセンスが紹介されているため、自己啓発書としても読める内容です。

中国人が理想とする人間関係や、中国で浸透している四字熟語、中国で人気のアニメなど、このご時世だからこそ学んでおきたい中国の雑学も散りばめられており、日本人が書いた中国古典解説とはまったく違う切り口が新鮮です。

堅苦しいことは一切ないのに、中国古典の教養が身につくので、これは読んでおくといいと思います。

不思議なもので、漢文の授業で初めて中国古典に触れた時はまったくわからなかったことが、今はわかる。

酒に関する李白の詩のように、人生経験を経た今だからこそわかる内容が多く書かれており、これは40代以上が読むと面白い本だと思いました。(もちろん、10代、20代、30代が悩みを解決するために読んでもいいと思います)

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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59歳という高齢で、慣れない南の辺境の地へと追放された蘇軾は、知らない土地での生活に順応していく中で、南国の果物と出会います。都から遠く離れた地は「辺境」と呼ばれていましたが、実際に暮らしてみると、果物の美味しさや多様性に驚かされました。彼は特にライチに魅了され、あまりの美味しさに「この嶺南の地で生涯を終えても良い」とまで賛嘆したのです(中略)どのような状況下でも、美味しいものは美味しく感じ、その美味しさを素直に喜ぶ。蘇軾が人生の大ピンチを乗り越えられたのは、まさに日々の生活から小さな喜びを見つけ出すことができたからでしょう

花々の営みは絶えてしまった「空白」である冬、それがあるからこそ春のありがたみが際立つように、恋や人生にもある程度の「空白」が必要なのかもしれません

『酒を勧める』
人生 我が意を得た時は 歓びの限りを尽くすのだ
黄金の酒樽を 空しく月に照らさせてはならぬ(李白)

『荘子』大宗師篇(内篇)
泉が涸れ、陸の上で身を寄せ合う魚たちは、互いに息で湿らせ、あぶくで濡らし合い、なんとか生きのびようとする。広い世界の中で互いを忘れ去り、自由に生きるほうがよほど良いというのに

荘子は既成の社会規範に異を唱え、自然で自由な状態、つまり「不如相忘於江湖」の方がより優れていると訴え、異なる価値観を示したのです

『論語』顔淵篇
斉の景公が孔子に政について問うた。孔子答えて曰く、「君主は君主らしく、臣は臣らしく、父は父らしく、子は子らしく、それぞれの道を守るべし。」

究極の親友とは何か、という質問を中国人にしてみると、ほとんどの人が「知己(己を知る人)」と答えるでしょう

中国人が憧れる「知己」は、孔子が提唱する「徳」を基本とした上で、才能を心から認めてくれる友人のことを指すのでしょう

『菜根譚』明朝本前集
人の小さな過ちを責めず、人の秘密を暴かず、人の旧悪を心に留めない。この三つの行いが、自らの徳を高め、災いをも遠ざける

『論語』衛霊公篇
子曰く、君子は何事も自らを省み、正しさを求めるが、小人は何事も他者にそれを求める

『論語』里仁篇
子曰く、徳のある人に出会ったら、自分もこの人のようでありたいと思い、徳の無い人を見たら、自分もまたそうではないか省みよ

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現在の日本の状況や社会の高齢化を考えると、中国古典はもっと読まれていい気がしますね。

現状、日中関係は決して良いとは言えませんが、中国が育んできた文化はやはり素晴らしい。

本書を読んで、中国古典の知恵に触れ、豊かな人生にしましょう。

ぜひ、読んでみてください。

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『困ったときは中国古典に聞いてみる』
フ・イリン・著 アルク

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◆目次◆

はじめに
第1章 喜 さまざまな「喜」が困難を克服する
第2章 怒 他者への怒り、自分自身に対する怒り
第3章 哀 悲しさ、惨めな気持ちを乗り越える
第4章 楽 物事をいい方向に導いてくれる「楽」
中国古典 主要作品・作者ガイド
あとがき

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