【作家を目指す人に】
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本日ご紹介する一冊は、直木賞を受賞した『塞王の盾』、Netflixで話題の『イクサガミ』などで知られる作家の今村翔吾さんによる、作家で生計を立てる方法。
いまどき作家で年1億以上稼ぐという著者だけに、説得力がありますね。
『塞王の盾』
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『イクサガミ』
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著者のエピソードや持論を交えながら、作家としてデビューする最短ルート、書き続けるための秘訣、作品を売るための秘訣が書かれており、じつに興味深い内容です。
なかでも、40ページに書かれたネタの量産方法、128ページに書かれたタイトルの付け方、141ページに書かれたキャラクターのネーミング、162ページに書かれた人称の話は、作家で食っていきたい人、クリエイティブな仕事に携わる人は、ぜひ読んでおくといいと思います。
出版社との付き合い方、SNSとの付き合い方など、作家としての処世術にも言及されており、編集者やファンと上手に付き合う方法がわからない、という人には役立つ内容だと思います。
売れること、周囲の期待を超えることに対する著者の執念には、ものすごいものがありますが、ベストセラーを書くなら、確かにそれぐらいの気持ちは持っていたいものです。
年3冊長編を書く、授賞式の前に編集者に次回作の提案を受け、授賞式までに書き上げていくなど、業界のシビアな現実を知っている著者ならではのアドバイスが光ります。
・メディアミックスに原作者は口を出すべきか?
・オファーがない作家の復活方法
など、微妙なトピックにも言及しており、刺さる人は多いのではないでしょうか。
「作家になる気はない」という人にとっても、どうすれば困難な仕事で成果を出せるか、良い思考訓練になるので、読んでおくといいと思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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売れる物語のネタは、とにかく引くか、とにかく突っ込むかのどちらかです。とにかく引くというのは、日本を越えて、グローバルなテーマを物語の箱の中に描くパターン。漫画ですが、『進撃の巨人』は、宗教問題や人種差別といった海外でも広く通じるテーマを取り入れています。一方、とにかく突っ込むというのは、誰もやってこなかったニッチの中のニッチを描くパターン。細胞を擬人化する『はたらく細胞』を、誰が想像したでしょうか
年3冊は、4カ月に1冊ペース。前作が売れない。刊行後4ー5カ月経って、そろそろ返品しようかと考えている時に新作が届く。それなら前作を返さずに併売してみるか。書店にこうした意識が働く可能性があります。シリーズ作なら尚更です
肌感ですが、新しいことは遅くとも二番手くらいの気持ちでやらないと、市場のシェアを獲ることはできません。火消を描いた時代小説は私の『羽州ぼろ鳶組』シリーズ以降、数が増えた印象があります。ところが、シェアを握っているのは依然として私です。『羽州ぼろ鳶組』以前は、火消のシリーズ小説はありませんでした
まずは、ネタの量産方法について。閃きに頼らずとも、アイデアは売るほど作れます。秘訣は、分解と再構築です。分解は、作品を例に挙げ箇条書きで説明します。漫画でも映画でもアニメでも、もちろん小説でも構いません。
例えば『SPY×FAMILY』なら、
・スパイもの
・家族の物語
・コメディ
・東ドイツを思わせる舞台設定
・能力もの ……
といった風に分解していきます。
1作品につき10個くらいの要素を挙げたら、20作品で200のカードを持っています。この200をシャッフルして、8個くらい取り出してみましょう。ここからは再構築です。その8個をお題として、それを満たす小説を書きます
先に「何を描きたいか」「何を伝えたいか」があります。その上で、執筆の目的が果たせる人物や時代を探します
どうすれば、キャラクターは魅力的になるのか。私が心がけていることとしては、強さの反対側に、弱さを設定することです
濁音は力強さに通じ、息の抜けるサ行はクールさや飄々としたイメージに通じます
読者の共感を誘うためには、主人公の内面にフォーカスした方がいい。であれば、一人称か三人称一視点が選択肢
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著者が食っていくためにどこまで努力したのか、今でも努力しているのかが書かれており、現役の作家、著者には刺さると思います。
著者になるために何から始めればいいのか、どんな賞に応募すればいいのか、どう書けばいいのか、じつに詳しく書かれています。
これからデビューしたい人には、特に役立つ内容ではないでしょうか。
『作家で食っていく方法』と書かれていますが、心構えの部分は、あらゆる仕事に通じる考え方だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『作家で食っていく方法』
今村翔吾・著 SBクリエイティブ
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◆目次◆
はじめに
第一章 作家になる方法
第二章 作家で食っていく方法
第三章 売れる小説を書く方法
第四章 これから生き残る方法
おわりに
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