【驚きの人事システム、大公開】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296208535
本日ご紹介する一冊は、土井の周りの人事専門家たちが口を揃えて絶賛していた一冊。
テスト業務というIT業界の「下流の仕事」を磨き上げ、急成長を遂げている、「SHIFT(シフト)」の人事の仕組みを大解剖した本です。
もともとは、「日経ビジネス」2025年4月14日号特集「急膨張 SHIFTの革命 人的資本経営を極めよ」を大幅に加筆修正した一冊で、著者は「日経ビジネス」副編集長の飯山辰之助さんです。
飯山さんは、「日経ビジネス」編集部に配属されて製造業や流通業を担当後、日本経済新聞社に出向し、証券部でネット、ノンバンク関連企業を担当。
その後「日経ビジネス」に復帰し、電機・通信関連業界を中心に取材、バンコク支局長なども経験したベテランです。
本書では、上場から10年で売上高50倍、社員の昇給が1年で600万円アップも可能という、常識破りな人的資本経営を実践する同社の創業者、丹下社長の経営思想と人事システムを紹介。
なぜ他社が人材難で成長にブレーキがかかる中、SHIFTだけが採用できるのか、なぜ多種多様な人材が活躍できるのか、その秘密が公開されており、経営者、人事担当者は必読の内容です。
人材難の時代には、マーケティングよりも人事が成長の鍵を握りますが、本書はまさにその急所を突いた内容。
同社が独自開発したという「CAT検定」、450項目を超える人材データを収集しているという「ヒトログ」、スキルアップと頑張りが直接給与に結びつく「トップガン」…。
どれも想像を超えていて、読書中、何度驚いたことか。
商談や打ち合わせの「盛り上がり度合い」を示す「エモーショナルビート」、履歴書チェックの時間をゼロにするべく開発されている「レジュミル」、AIが候補者と面接する仕組みなど、発展途上のツールも紹介されており、本当に未来の組織を見ている感覚でした。
これから会社を成長させたい経営者、成長企業に投資したい投資家は、ぜひ読んでおくことをおすすめします。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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4年制大学の新卒学生ばかりに注目し続け、人材を採用してきた既存のITサービス企業に対し、SHIFTはおよそあらゆる人々をその対象としてきた。だから有望視する人材のプールが、競合とは比べものにならないほど大きい
SHIFTに入社する人は原則として皆、「CAT検定」という、同社が独自開発した検定を受けている。これを突破できなければ、入社はできない。つまりSHIFTは検定制度を導入することによって、主軸であるテスト業務に素養のある人材を、膨大な人材プールの中から効率的に見つけ出してきたのだ
様々なソフトやウェブサービスが世の中にはあふれているが、テスト業務で押さえるべきポイントは共通する部分が多いことに気づいたのだ。例えばネット通販であれば、ユーザーが確実にログインできるか、ショッピングカートに選択した商品が反映されているかを見ていけばよい
「テストはパターン認識の能力が求められる。ならばもう他のパラメーターは一切無視してしまおうと思った。テストに向いているか、向いていないか『だけ』を重視する。学歴も職歴も、見た目も関係なく、もうピュアに仕事ができる人だけを採用することにした」(丹下社長)
役職や役割、年齢、就労時間といった基本項目に加えて、社員に関する多種多様なデータを網羅している。「給与」「やりがい」「人間関係」に関する価値観や満足度、スキル、成長志向に思考や行動の特性、社内アンケートの平均回答時間、参加している部活動に趣味、社内飲み会や社内イベントの参加頻度、社内でその人を高く評価している「フォロワー」の数、会社への共感度合い、メンタルの状況、社内のカフェでの購入履歴--450項目を超えるデータが社員一人ひとりについて、時系列で蓄積されている
トップガンには「TG7」から「TG30」まで、対象とする職種や難度の違う12種類の検定がある。たとえば「TG12」ではプロジェクトのマネジメントスキルを認定する「TG12 PMO-A」や、統合基幹業務システム(ERP)に関する技術力を認定する「TG12 SAP」などに分かれている。ポイントはTGの後につけられた数字にある、これは単価を示している。たとえば「TG10」であれば単価100万円のプロジェクト、「TG12」であれば同120万円のプロジェクトをこなせるだけの能力やスキルがある、と認定されていることになる(中略)トップガンを突破することにより与えられたチャンスをものにし、成果を出すことができれば、ダイレクトに年収増が実現するのだ
「エモーショナルビート」という聞きなれない項目のスコアが示されている。商談や打ち合わせの「盛り上がり度合い」を示す指数だ。会議室の一部にセンサーを取り付け、音声をAIで分析している
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これまでにまったく聞いたことのない、ユニークな人的資本経営が実践されていて、グイグイ引き込まれてしまいまし
た。
さすが、人事のプロが絶賛していた一冊ですね。
これはぜひ、読むことをおすすめします。
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『SHIFT解剖』
飯山辰之助・著 日経BP
<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆
はじめに
第1章 【SHIFTの勝ち筋】ブラックボックスを解き放て
第2章 【評価・育成編】部下の給与を上げることが上司の仕事だ
第3章 【採用戦略編】目指すは年5000人、採用力をさらに「爆上げ」
第4章 【エンゲージメント編】会議の盛り上がりも数値で計測、「おせっかい」を焼きまくる
第5章 【営業戦略編】優秀な人に頼らず営業も「仕組み化」
第6章 【丹下大社長インタビュー】人的資本革命は終わらない
おわりに
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