【堀田秀吾氏、注目の新刊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023324612
20年ほど前、韓国で『朝型人間』という日本の本が紹介され、ベストセラーになりました。
テレビでは、「お前は朝型人間か?」と問いかける人が続出したらしく、一時社会現象にまでなったそうですね。
土井が提唱した『エグゼクティブ・ダイエット』では、食べ物の誘惑に負けそうな時に「いや、やめておこう。だって俺はエグゼクティブだから」とセルフトークすることを推奨しましたが、どうやらこれが思いのほか、効果があったようです。
どうやら言語学的に言うと、「名詞表現」には、アイデンティティに訴え、人の行動を促す効果があるようですね。
本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『科学的に証明されたすごい習慣大百科』の著者、堀田秀吾さんによる、言語化の教科書。
『科学的に証明されたすごい習慣大百科』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/481563341X
前作同様、エビデンスに基づく、実用的なテクニックを紹介しており、これまた使える一冊です。
曖昧な不安をなくす、衝動的行動を抑える、「直観」を磨く、自己肯定感を上げる、表現力を磨く、実現可能な目標設定をする…。
人生のさまざまな局面で役立つ「言語化」のスキルが紹介されており、これはすごい一冊だと思いました。
言語化って、能力開発のための手段だったんですね。
自分自身の能力開発に役立つのはもちろん、部下や子どもの問題行動をなくす、パフォーマンスを上げるのにも有効です。
出版業界の人間や、お笑い芸人、何らかの表現に関わる人は、グライスの「協調の原理」だけでも読んでおくといいでしょう。
「協調の原理」4つの公理
(1)量の公理
(2)質の公理
(3)関連性の公理
(4)様態の公理
これを破るだけで、面白い話ができたり、人が反応する言葉が作れる。
これはドル箱の情報ですね。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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なんとなく気分が沈んでいるとき、「私は今、評価されていないと感じていて、不安なんだ」とことばにできたら、それはもう「ただの感情」ではなくなります。それは「意味のある気き」へと変化し、次に取るべき行動の選択肢が見えてくるのです
研究では、感情をことばにして日記に書いたり、誰かに話したりした人たちの51%が、病院に通う回数が減ったという驚くべき結果が出ました。さらに、学生の場合は成績が平均で23%も向上したそうです
「なぜ自分はこの判断をしたのか?」「このひらめきは、どんな文脈から生まれたのか?」といった具合に自分の中でふりかえって、ことばで整理することで、「直感」はより確かになり、「直観」は他者に伝わるアイデアとして結晶化されていきます
トロント大学のタレットとインズリヒトの研究では、「自分への声かけ」をやめた人ほど、つい衝動的に行動してしまうことがわかっています
「出来事をただ経験する」だけでなく、「ことばにしてふりかえる」ことで、その体験が自分の中に根を張る
最終的に、自分軸で考えるとは、「自分の価値観・目標・現状」を自分のことばで定義し、それを行動の指針にすることです。比較そのものをゼロにする必要はありません。むしろ、必要な比較だけを選び取り、自分の成長や喜びに直結する形に整えることが大事です
グライスの「協調の原理」4つの公理
(1)量の公理 必要以上でも以下でもない適切な量で情報を伝える
(2)質の公理 嘘や根拠のないことは言わない
(3)関連性の公理 話題と関連する情報を提供する
(4)様態の公理 あいまいさや冗長さを避け、順序立て明確に表現する
日常的に「今の自分の発言は4つの公理に沿っているか?」とふりかえることが、言語化スキルを鍛える近道
協調の原理は「量」「質」「関連性」「様態」と言う4つの公理から成り立ち、漫才やコントのボケは、このいずれかを外すことで「ズレ」や「意外性」を作り出しています
アメリカの選挙に関する調査として、有権者に選挙に対する考え方を尋ねた際に、「動詞表現」を使った場合と、「名詞表現」を使った場合を比較したところ、後者の投票率のほうが13・7ポイントも高かったのです。つまり、「vote(投票する)」という動詞を「voter(投票者)」という名詞に変えただけで、「自分のアイデンティティ」にメッセージが届くようになる
「10年後覚えてないよ」でイライラ・モヤモヤから距離をとる
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中学生の時、成績優秀な友人と毎晩電話で問題を出し合い、雑談をしていましたが、あれは「言語化→成績アップ」のために有効だったのかもしれないな、と振り返って思いました。
『科学的に証明されたすごい習慣大百科』ほどサラリとは読めませんが、ひさびさに「読んで得した」と思える一冊に出会いました。
ぜひ読んでみてください。
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『頭のいい人がやっている言語化の習慣』
堀田秀吾・著 朝日新聞出版
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◆目次◆
はじめに ことばにすることで、人生は動き出す
第1章 するどい直感も「言語化」によって養われる
第2章 「よい言語化」を心がける
第3章 言語化で行動を加速させる
第4章 ことばの柔軟性を高める
第5章 思考は「経験のかけ算」でできている
おわりに ことばは世界と世界をつなぐ架け橋
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