【豊かな時間を過ごす、科学的方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815636060
本日ご紹介する一冊は、豊かな人生を生きるために知っておきたい時間の話。
著者は、「実験心理学」を専門にし、2000年から山口大学に設立された、「時間学研究所」の研究活動にも携わっているという、一川誠(いちかわ・まこと)さんです。
本書の冒頭で著者は、「20日」という数字を提示するのですが、じつはこれ、現在40代前半で親と別居している人が、これから母親に会える残り時間の平均を日数で表したもの。
どうやら本当にわれわれには、使える時間があまりないようです。
本書では、限られた時間をどう過ごせば充実感や幸福感を味わえるのか、認知科学と時間学の視点から書かれています。
昨今は「タイパ」という言葉がすっかり定着した雰囲気がありますが、じつは、タイパを追求している人は、「充実した時間を過ごしたという感覚を得にくい」そうです。
かいつまんで説明すると、<人は自分の体験を「思い出す」ことで、自分の人生を意味づけ、評価し、幸福を実感>する。
しかし、一定時間の中でなるべく多くのことを成し遂げようとすると、思い出せる体験が少なくなってしまう。
よって充実感や幸福感が失われ、しまいには自己肯定感も下がってしまうというのです。(未来の自分が、記憶を自己評価に使うことができなくなるから)
それでは、どうすればいいか。
著者は、本書のなかで、以下の3つのステップを実践することを推奨します。
充実感や幸福感を抱くための3ステップ
STEP1 やることを「5割に減らす」
STEP2 「小さな変化」をつけて取り組む
STEP3 過去の特別な体験に「思いを馳せる」
職場でも家庭でも、試してみると、きっと充実感が味わえると思います。
ぜひ、読んでみてください。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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たとえば「20日」。この数字が何を示しているか、わかるでしょうか。これは、現在40代前半で親と別居している人が、これから母親に会える残り時間の平均を日数で表したものです。1日に数回帰省するというペースで換算した場合、人生の中で母親と一緒に過ごすことができる時間は、残りわずか20日ということになります。父親の場合はもっと短く、9日になってしまいます
日常生活のあらゆることについて「タイムパフォーマンス(以下、タイパ)」を追求している人は、充実した時間を過ごしたという感覚を得にくい
人生における充実感や幸福感は、詰め込んだタスクの数が多すぎると、むしろ弱められることがあるのです。なぜなら、人は自分の体験を「思い出す」ことで、自分の人生を意味づけ、評価し、幸福を実感します。しかし、一定の時間の範囲の中でなるべく多くのことを成し遂げようとすることで、思い出せる自分の体験が少なくなっていってしまいがちになるためです
体験の記憶が残っていないほど、体感時間が早く感じる
充実感や幸福感を抱くための3ステップ
STEP1 やることを「5割に減らす」
STEP2 「小さな変化」をつけて取り組む
STEP3 過去の特別な体験に「思いを馳せる」
短い時間に多くのことを詰め込むと、体験が分節化されない→体験がひとつにまとめられてしまう→具体的なエピソードが思い出せない→長期記憶に残らない→幸福感・充実感を得づらい
もっている記憶がその日のうちに消えてしまうようなものだった場合、未来の自分は、その記憶を自己評価に使うことができなくなります。評価できる材料がひとつ消えるわけですから、自己肯定感もその分下がってしまうことになります
充実感や幸福感をもつためには「長期記憶の中の自伝的エピソード記憶、つまり自らの体験の記憶を多く残していく」ことが大切だとわかっています
やることを選び抜き、一つひとつの体験を粒立てることで、体験そのものの輪郭をはっきりとさせ、記憶に残していくことが必要
「やらないより、やったほうがまし」なことはすべて捨てる
当日の朝に予定を立ててしまうと、時間的接近の効果で、その日のタスクや気がかりなことが過度に重要に思えてしまいがち
「記憶力」より「振り返る力」
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今年は、海外旅行の際、意識してお土産を買うようにしたのですが、おかげで帰ってきてからも幸福感が持続しています。
なぜお土産を買うといいのか、本書でその理由がよくわかりました。
どうやら思い出すきっかけは、持っておくといいようですね。
みなさん、旅行に行ったら、なるべくお土産は買うようにしましょう。
ちょっと主張の繰り返しが見られますが、良い本だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから』
一川誠・著 SBクリエイティブ
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815636060
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◆目次◆
はじめに 人生には大切ではないことに使う時間はない
序 章 なぜ「タイパ」重視では幸せになれないのか?
第1章 やることを「5割に減らす」--「余白」が長期記憶をつくる
第2章 「小さな変化」をつけて取り組む-「特別な体験」が長期記憶をつくる
第3章 過去の特別な体験に「思いを馳せる」-「反すう」が長期記憶を強める
おわりに
参考文献
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