【生き方がシンプルになる仏教の教え】
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本日の一冊は、『怒らないこと』が大ベストセラーとなった、スリランカ上座仏教の長老、アルボムッレ・スマナサーラさんによる一冊。

『怒らないこと』
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著者は、スリランカの国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとった後、1980年に国費留学生として来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事しています。

本書『つまずかない生き方のヒント49』は、著者のこれまでの著述、法話を精選し、時代に即した加筆・再構成を加えたもので、現代人のよくある悩みにズバリ仏教の視点から答えた一冊です。

タイトルの通り、人生でつまずかないためのヒントが計49個載っている、シンプルな自己啓発書です。

印象的だった言葉をいくつかご紹介しましょう。

・仕事に意味や意義などない
・「確固たる自分」なんて存在しない
・精神が未熟だから「人に認められたい」
・「希望」などもともと存在しない
・「自分」があると思うから、悩み続ける

現代人の視点から見れば驚くような言葉が並んでいますが、その根底にある仏教の思想を学んでいくと、じつに心が楽になります。

どうすれば良い仕事ができるか、どうすれば適職に出会えるか、どうすれば人を妬まずに良い人間関係が築けるか、どうすれば幸せに生きられるか…。

あらゆる悩みを解消するシンプルな答えが示されており、現在モヤモヤしている人には、おすすめの内容です。

＜人生の目標はただ一つ「人格向上」＞と言われてしまうと、何だか人生がシンプルになっていいですね。

手軽に持ち運べる文庫サイズなので、週末やお休みに持ち歩いて、パラパラめくってみることをおすすめします。

本書をきっかけに、日本人が目の前の課題に集中できるようになれば、国力は向上し、詐欺も減ると思います。

ぜひ、読んでみてください。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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生きるためにする行動。仕事とは本来そういうものなのです。そこに意味や意義など考える余地はありません

肝となっているのは「あなたが何をやりたいか」ではなく「あなたは義務を果たせるか」です

「自分はやりたい仕事ができていない」「あの人がうらやましい」と無意味な「ないものねだり」をしている人は、今すぐに思考を切り替え「自分は義務を果たせているだろうか」「もっと高いレベルで義務を果たすにはどうしたらいいだろうか」と自問してみてください

「仕事にやりがいを感じられない」という人は「できるようになる喜びを知らない」と言い換えることができます

人間関係を学ぶとは、周囲の状況を観察し、自分の態度を柔軟に変えること

この「認められたい」の思いはいろいろなところに顔を出す、じつにやっかいな存在です。この感情の原点は「精神の未熟さにある」と私は考えています。たとえば、子どもは何かといえば親の評価を求めます。絵を描いたら親のところへ持っていき「よく描けたね」といってもらいたがる。幼稚園や学校で何かをしたら、それを家で親に話し「偉かったね」と褒めてもらいたがるのです。これは子どもとしてとても自然な欲求ですが、この幼さが大人になっても残ってしまう。それが「認められたい」という感情の正体です

世間には「自分は正しく評価されていない」「もっと認められていいはずだ」といって回る人がいますが、これこそ「自分の未熟さ」を宣伝しているようなもの。その事実に早く気づくべきです

今という時間は未来のためにあるのではなく、精いっぱい生きるためにあるのです

「お金持ちになりたい」「贅沢な暮らしがしたい」とは、結局「時間という流れ」を一つにまとめ、そのまとまりを「自分」と解釈するからこそ生まれる思いです。大金を稼ぎ「一生遊んで暮らせるぞ」と喜んだところで、その大金を所有するのも、使用するのもすべて今の「自分」とは別の存在です

「整理整頓ができる人になりたい」と思うなら、今日のうちに机の周りをちょっと片づけてみる

優越感を持つとそれ以上学べない

「小さな単位」で完成させる

拠り所を求める心が「無知」を生む

「半分勝つ」が一番生きやすい

人生の目標はただ一つ「人格向上」

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仕事を忘れられる本を読もうと思って手に取った一冊でしたが、結果的には仕事に集中するためのヒントをいただきました。

これ、今年最後の本でも良かったですね（苦笑）。

新たな年を迎える前に、ぜひ読むことをおすすめします。

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『つまずかない生き方のヒント49』
アルボムッレ・スマナサーラ・著　日本経済新聞出版

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◆目次◆

はじめに　問題の「受け止め方」をアップデートする
第I部　苦しみや悩みから解放される考え方
第１章　「仕事」につまずかないヒント
第２章　「人間関係」につまずかないヒント
第３章　「自分」につまずかないヒント
第４章　「ないものねだり」と賢くつき合うヒント
第５章　「比較」で心をすり減らさないヒント
第II部　幸せに生きる、善く生きる考え方
第６章　「わかり合えない」理由を考えるヒント
第７章　「わかり合えない」を乗り越えるヒント
第８章　「逆境」に打ち克つヒント
第９章　迷いを減らす「意味ある生き方」のヒント
第10章　今日から動ける「意味ある生き方」のヒント
おわりに　丁寧にしっかりやると、すべておもしろくなる