【大人のための外食ノウハウ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121508521
本日ご紹介する一冊は、「東京最高のレストラン」編集長の大木淳夫さんが書いた、人生を豊かに生きるための美食の指南書。
「外食はあと500回。なに食べる?」のコピーにつられて手に取ったのですが、これは大当たりでした。
インバウンドの影響で、昨今は東京でもレストランの値段が上がってきましたが、それでも美味しいものが食べたい、ビジネス会食にとっておきの店を知りたい、そんな人におすすめの一冊です。
単なるレストランガイドではなく、人生を豊かにするためにどう外食と付き合うか、どう店を楽しめばいいか、プロのうんちくが書かれています。
「最旬グルメ用語集」では、知っておくと話が弾む、美食界隈の頻出キーワードがまとめられており、レストランの見方・楽しみ方が変わります。
肉の「サカエヤ」、魚の「サスエ」、イタリア製ハムスライサーの「ベルケル」など、店を見極めるため、褒めるためのポイントが書かれており、これは使えると思いました。
食事マナーのアドバイスもありました。
・カウンターにスマホなどを直接置かない
・「大将」ではなく「親方」
気をつけなければならないポイントが書かれており、勉強になりました。
ディープなお店ガイドが計100店分、それも店の個性がしっかり見える形で紹介されており、著者の取材力とネットワークの凄さを感じました。
紹介されているお店は、死ぬ前にすべて行ってみたいですね。
メニュー選び「4つのポイント」やお店側の本音なども、美食を楽しむ上で、大変有用。
これは、素晴らしいガイドに出合いました。
仕事やプライベートで会食する機会の多い方は、ぜひ読んでおくことをお勧めします。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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二度目の訪問は間を置かずに
【ABF Capital】
2020年に創業した飲食店に特化した投資ファンド。少数精鋭の高学歴集団ですが、みなさん情熱的かつ、さわやか。レストランの資金調達は昔から今に至るまで、とにかく大変なのですが、新しい道筋を提示しました。投資先には全面的にあらゆる支援をおこない、バックアップしてくれます。そんなわけで最近は気になるお店の多くが、実はABF案件だったりします
【サカエヤ】
ぜひサカエヤさんの肉を仕入れたい!多くのレストランがそう熱望する滋賀県草津市にある精肉店です。ご主人・新保吉伸さんは枝肉(骨が付いたままの肉)を仕入れ、ち密な水分調整で最高の状態に肉を仕上げます。それも、取引のある料理人の好みや特徴に合わせてです。新保さんの手によって世に出た「ジビーフ」や「愛農ポーク」が、肉に関しての常識や価値観を大きく変えたといってもいいでしょう(以下略)
【ベルケル】
イタリア製ハムスライサーのブランド。”スライサー界のフェラーリ”の異名を持つ高級品。定価はだいたい軽自動車くらいと言われていますが、今は大人気で手に入らず、中古でもさらに高い値が付いているようです。お店で目に入ったら「お! ベルケルですね」と言うと喜んでもらえるでしょう
【結乃花(ゆのか)】
豊洲で若手No.1ともいわれるマグロ仲卸ですので、覚えておくとけっこう通ぶれます
カウンターにスマホなどを直接置かない
「大将」ではなく「親方」
メニュー選び、4つのポイント
(1)主役を決める
(2)その他のキャストを決める
(3)違う食材を組み合わせる
(4)違う調理法を組み合わせる
一皿ぐらいは冒険してみる
ちなみに食後酒では、白金高輪の「ロッツォシチリア」の通称「阿部汁」がレストラン好きの間では大変有名です。オーナーソムリエの阿部努さんが、最後に嬉しそうに出してくれる自家製の果実酒です
入店したら、男女であればテーブルまで歩く際は女性が前です
イタリア料理店のシェフから「元気な声で予約してくれるから覚えています」と言われたことがありました。これが意外に大事で、某有名店では電話の感じがいい人には、予約台帳に◎を記してワクワクと待っているそうです
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“スライサー界のフェラーリ”、ベルケルをメルカリで調べてみたら、本当に100万円近くするんですよね。
世の中には、知らないことがたくさんあると痛感しました。
知っておけば、ホテルや料亭、その他飲食店で話が弾むこと、間違いなしの一冊です。
ビジネスマンの嗜みとして、会食のマナーやうんちくとして、ぜひ読んでみてください。
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『50歳からの美食入門』
大木淳夫・著 中央公論新社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121508521
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◆目次◆
はじめに
第一章 入門編 人生を豊かにする食体験
第二章 美食都市・東京の30年 激変した客と店との関係史
第三章 実践編I お店を楽しむマインドセット
第四章 実践編II 味がわかるより大事なこと
第五章 自分なりの最高のレストランと出合う
おわりに
索 引
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