【必読! 老化研究の最前線】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296001914
以前、BBMで『LIFESPAN: 老いなき世界』という本を紹介しました。
『LIFESPAN: 老いなき世界』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492046747
人間の寿命は変えられないかもしれないが、老化を防ぐことはできるようになるかもしれない、という内容でした。
本日ご紹介する一冊は、この老化研究の最先端を、生命科学・オートファジーの世界的権威、大阪大学名誉教授の吉森保さんがまとめた一冊です。
だんだんわかってきた老化のメカニズムと、老化を止めるオートファジーの役割、オートファジーにブレーキをかけてしまうタンパク質「ルビコン」(ルビコンは、著者が命名した)、細胞老化の秘密を解く鍵、SASP、免疫の仕組み、ハダカデバネズミに学ぶ老化しない生き方…。
雑学的に老化の仕組みが学べて、大変楽しい読み物です。
なぜ女性の方が男性よりも長生きなのか、なぜ日焼けをしてはいけないのか、なぜボトックス注射をすると表情が死ぬのかなど、興味深い雑学がいろいろ書かれていて、激しく頷きながら読みました。
また、老化を防ぐための食品や商品が紹介されていて、本書が出たことで、これらの商品が爆発的に売れるのでは、と思いました。
阿波晩茶、NMN、ビタミンD、納豆、きのこなど、いろいろ老化に効くものが書かれています。
ぜひ、本文を読んでチェックしてみてください。
専門的な内容で難しいと思われるかもしれませんが、初歩的なところから丁寧に解説しているので、雑学本としてサクサク読めると思います。
生命科学は、米国の資産家が投資し始めている有望なセクターなので、今後ますます注目が集まると思います。
本書を読んで、基礎ぐらいは押さえておきましょう。
もちろん、老化したくない人にもおすすめです。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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老化の敵は「慢性炎症」
細胞の中のリソソームが健康だと老化しない
年齢を重ねるにつれてルビコンが増加し、その結果オートファジーの働きが弱まってしまうことがわかりました。オートファジーが十分に機能しなくなると、細胞内に不要物が蓄積し、老化やさまざまな病気の原因となることが明らかになってきました
ルビコンを抑制するとオートファジーが活性化し、動物の寿命が延長したり、加齢に伴う病態が改善したりすることも明らかになりました
私たちの実験では、ルビコンを取り除いたマウスでは、老化を進めるエクソソームの分泌が大幅に減り、年をとるにつれて増える悪いエクソソームが抑えられました。全体的な老化の進行が遅くなることが確かめられたのです
オートファジーを活性化する食品成分はいくつか見つかっており、代表例が納豆や味噌、しょうゆ、キノコ類、チーズに含まれるスペルミジンです
ザクロに含まれるウロリチンや赤ワインに含まれるレスベラトロールもオートファジーを活性化します
私たちの研究グループは全国各地、北海道から沖縄まで500種類以上のその地域で昔から健康に良いとされてきた食品を調査した結果、阿波晩茶がオートファジーを特に活性化させる効果を持つことを発見しました
運動、冷水浴、「人とのつながり」は老化を抑える効果があるかも
極端な断食はしない
老化細胞は炎症を起こすという問題もあるけれど、がんにならないためには必要なのです
「細胞老化が起こりにくい生活」は、以下のようなものです。たばこを吸わない、酒はほとほどにする、食べ過ぎない、紫外線を浴びすぎない、適度に運動する、十分に眠る
免疫力が落ちると、慢性炎症も起こりやすくなる
紫外線を防御するために出る酵素が、肌を老化させる
ハダカデバネズミは、地下トンネルの中で外敵が少ない暮らしをしている
ハダカデバネズミは変化のない環境だから長生き
ビタミンDが「アンチエイジングホルモン」として働く可能性が示された
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最先端の老化研究がどこまで進んでいるのか、今後どんな風に進歩するのかが見えてきて、ワクワクする内容です。
先述の『LIFESPAN: 老いなき世界』と併せて、ぜひ読んでみてください。
『LIFESPAN: 老いなき世界』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492046747
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『私たちは意外に近いうちに老いなくなる』
吉森保・著 日経BP
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296001914
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0FXCZ6QBB
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◆目次◆
はじめに
炎症とは何か
01 老化をとめるオートファジー
02 体全体が老化することと細胞が老化することは別
03 「免疫」は、「自分」と「他人」を厳密に区別する
04 皮膚は環境による老化の影響がとくに大きい臓器
05 ハダカデバネズミは、人間にたとえると数百歳生きる
06 老化を遅らせ、寿命をのばすかもしれないNMN
07 100歳以上生きる人とそうでない人の違いを調べている機関がある
08 病気のゲームチェンジャーとなる可能性がある「構造生物学」
09 老化研究に最適なのは、「魚」?
10 睡眠が不足すると、老化は加速する
あとがき
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