【日本最強企業の社内教育】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4295411329
本日ご紹介する一冊は、新卒でトヨタ自動車に入社し、その後TBSで人気番組のプロモーションを担当、現在は戦略コンサルタントとして活躍する著者が、トヨタの「教え方」をまとめた一冊。
ベストセラーとなった『トヨタの会議は30分』の著者といえば、覚えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
『トヨタの会議は30分』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799109499
本書では、著者が実際に体験した、トヨタの「教え」を、会議や研修で実際にあった話をもとにまとめています。
「売値」(お客様が決める)-「目標原価」(我々が達成すべきもの)=「利益」の公式、Why-How-If思考、「権限移譲シート」5つの合意事項、「舞台設計力」3つの構成要素などは、ビジネスパーソンとして、ぜひ学んでおくといいと思います。
また、本当に強い組織になるための心理的安全性の高め方について、持論が述べられており、マネジメントの本として読んでも興味深い。
社内の教育、風土の改善を考える経営者、マネジャーは、ぜひ読んでみてください。
トヨタの教育というと、つい「型」のようなものを連想してしまいますが、本書の著者いわく、<「具体を教えない」ことこそがトヨタの強さの源泉>。
「断定」した瞬間にカイゼンは止まるという話や、若い頃著者が参加したという、考えさせる会議の話は、じつに勉強になりました。
経営者として、マネジャーとして、こんな組織が作れたら最高ですね。
また、問題発見力、問題解決力を高めるためのヒントとして、<情報は「聞く」ではなく「見る」>、<自分で体験していない「一次情報」以外は、すべて仮説として扱う>という話はものすごく参考になりました。
ヒアリングする際にも、「見る」を心掛ければ、より現場のことがリアルに理解できますね。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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トヨタには手厚い教育が「なかった」のではなく、「具体を教えない」ことこそがトヨタの強さの源泉であり、最高の教育法だった
「断定」した瞬間にカイゼンは止まる
工場には、創業者・豊田喜一郎の言葉である「よい品よい考」というスローガンが、まるで道場の訓示のようにデカデカと掲げられています。「良い製品は、良い考えから生まれる」という意味です
トヨタでは利益を出すために、売値を上げようなどとは考えません。売値は世の中が決めます。市場が決めるんです。我々が決めることではありません。我々にできることは、ただ一つ。お客様に喜んでいただけるよい品を、誰よりも安く、低い原価で作る努力を続けることだけです
「売値」(お客様が決める)-「目標原価」(我々が達成すべきもの)=「利益」
Why-How-If思考
(1)「Why」なぜ、その問題が起きたのか?(過去の分析:真因の特定)
(2)「How」どうやって、その問題を解決するのか?(現在の行動:具体的な解決策の立案)
(3)「If」もし、その解決策がうまくいかなかったらどうするのか?(未来への備え:リスク管理と代替案の準備)
どうすれば、「詰問」ではなく、「良質な問い」になるのか? その鍵は、問いの「主語」にあります。
「なぜ、君はミスをしたんだ?」
この問いの主語は、「君」(部下)です。この瞬間に、部下は自分が攻撃されていると感じて、自己防衛の殻に閉じこもってしまいます。そうではなく、リーダーは問いの主語を「個人」から「仕組み」(システム)に、意識的に転換させるのです。
「なぜ、我々のチームでは、このようなミスが起きるのだろうか?」
「なぜ、この業務プロセスには、ミスを誘発するような欠陥があるのだろうか?」
「なぜ、このチェック体制は、今回のミスを未然に防げなかったのだろうか?」
リーダーが部下の成長というただ一つの目的のために、緻密な計算と深い愛情を持って、最高の「舞台」を創り出す優れた「演出家」になる
「舞台設計力」3つの構成要素
(1)挑戦的な「配役」の選定
(2)「安全網(セーフティネット)」の構築
(3)「見守る」という最も難しい役割の徹底
これからの時代に本当に価値を発揮するのは、「T型人材」ではなく「π型人材」
情報は「聞く」ではなく「見る」。自分で体験していない「一次情報」以外は、すべて仮説として扱う
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マネジメントに関する部分は、既視感のある内容も多いのですが、何といってもトヨタの現場の話が面白い。
チームを強くし、良い商品を作り出すにはどんな思考・コミュニケーションが必要なのか、その真髄がよくわかる内容です。
ぜひ、読んでみてください。
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『最強トヨタの最高の教え方』
山本大平・著 クロスメディア・パブリッシング
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◆目次◆
はじめに
第1部 「正解」ではなく自分だけの「答え」を探せ
第1章 トヨタが仕事の「型」よりも大切にしていること
第2部 トヨタの先でたどり着いた「最高の教え方」
第2章 メソッド(1)シナリオ質問法
第3章 メソッド(2)安全な失敗の設計図
第4章 メソッド(3)ミッション・ドリブンな権限移譲
第5章 メソッド(4)戦略的ネットワーキング
第6章 メソッド(5)サードドア発見力
第7章 メソッド(6)「現地現物」から「一次情報原理主義」へ
第3部 なぜ、「教えない」教え方が最強なのか?
第8章 変化の時代に価値を持つのは「答え」ではなく「問い」を生み出す力
おわりに
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