2025年11月17日

『世界シェアNo.1のすごい日本企業』 田宮寛之・著 vol.6845

【投資家必読。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833425734

昔、日本を代表する税理士法人のトップと会食をして、こんなことを言われました。

「土井君、ビジネスは…力だな」

数多くの上場企業をクライアントにし、あらゆるビジネスを見てきた方の言葉だけに、重みがありました。

ビジネスにおける「力」には、いろいろありますが、「独占」は間違いなくそのひとつだと思います。

どんなにマーケットが小さくても、シェアがトップになれば、大きな利益が期待できる。

小さな市場を独占することから、次のビジネス展開だって、見えてくるものです。

本日ご紹介する一冊は、東洋経済新報社で『週刊東洋経済』編集部デスク、『オール投資』編集長などを歴任してきた編集委員の田宮寛之さんが、日本人にあまり知られていないグローバルニッチトップ企業(GNT企業)を紹介した一冊。

(1)医療業界、(2)自動車・バイク・航空機業界、(3)インフラ業界、(4)機械・装置・工具業界、(5)素材業界(6)半導体業界の計6業界を取り上げており、それぞれ世界シェアトップクラスの隠れた優良企業を紹介しています。

手術用メスや手術用縫合針、歯科治療機器などを手掛けるマニー、タイヤバルブで国内シェア100%、世界シェア50%を誇る太平洋工業、船舶用の電子機器で世界トップメーカーの古野電気など、上場・非上場織り交ぜながら、日本が誇るグローバルニッチトップ企業を紹介しています。

さすが、投資メディアの編集をやっていた方だけあって、データの見せ方が投資家フレンドリー。

上場/非上場、上場市場、会社データが一目でわかるように作られており、内容もその企業の技術や強み、思想、これからの展望がわかるように書かれています。

先日ご紹介した『君はなぜ学ばないのか』で、著者の田村耕太郎さんがこんなことを書いていましたが、そうなるといよいよ本書で紹介されているグローバルニッチトップ企業は発展すると思います。

『君はなぜ学ばないのか』
田村耕太郎・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478121877

<時代は、まだまだアメリカ一辺倒が続きそうだ。日本はそこに素材と部品、エンターテインメントを提供し、中国は人材を提供する。そういう流れになるのではないか>

日本を代表するグローバルニッチトップ企業に学びたい方、投資したい方は、今すぐ買って読んでみましょう。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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マニー(7730)
マニーは以下のようなルールを定めて研究開発に臨んでいる。
(1)医療機器以外は扱わない
(2)世界一の品質以外は目指さない
(3)製品寿命の短い製品は扱わない
(4)ニッチ市場(年間世界市場5000億円程度以下)以外は参入しない

ミズホ(非上場)
画期的な開発に成功した結果、杉田クリップは米国のFDA(食品医薬品局)のクラスIIIの審査基準を満たし、日本の医療機器専業メーカーとしては初めて、クラスIII医療器材の米国での販売が許可された

太平洋工業(7250)
太平洋工業はタイヤバルブのトップ企業で、世界シェア50%、国内シェアは100%を誇る

SHOEI(7839)
世界のバイク用高級ヘルメット市場で6割のシェアを占めるSHOEIは、米国、欧州など世界60カ国以上に販売網を展開している。欧州やタイ、中国に販売子会社を持つが、生産はクオリティーを重視して国内の2工場(茨城、岩手)のみで行う

大同工業(6373)
大同工業のオートバイ用のドライブチェーンのシェアは、日本とASEANを合わせた地域で70%にもおよぶ。ホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業という日系4大バイクメーカーをはじめ、イタリアのドゥカティなど欧米の複数の有力バイクメーカーとも取引がある

技研製作所(6289)
高知県に本社を置く建設機械メーカーの技研製作所は、世界で初めて圧入原理を実用化した杭打ち機「油圧式杭圧入引抜機(サイレントパイラー)」開発し、その世界シェアは9割を超す

萩原工業(7856)
岡山県倉敷市に本社を置く萩原工業は化学繊維製品や産業機械を製造するメーカーで、ブルーシートや防災シート、コンクリート補強繊維、スリッターなどの分野で高いシェアを誇る。なかでもコンクリート補強繊維「バルチップ」は世界63カ国の構造物に採用されている

福井製作所(非上場)
大阪府枚方市に本社を置く福井製作所(非上場)は、日本で唯一の安全弁専門メーカーだ。特にLNG(液化天然ガス)運搬船に設置されているLNGタンク用安全弁の製造を得意としており、その分野では世界シェア90%以上を誇る

フタムラ化学(非上場)
ほとんどの企業がセロハン事業から撤退したのだが、撤退しなかったフタムラ化学は残存者利益を獲得し、2016年までに生産量は世界第2位、世界シェアは30%を占めるに至った

東洋合成工業(4970)
半導体製造に不可欠な感光材で世界一

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時代を反映して、半導体業界が

すべての会社紹介に、会社データと証券コードが載っており、投資の参考にしてもらうことが前提の本ですね。

グローバルニッチトップ企業がここまで集められた本はなかなかないので、ぜひ読んで投資の参考になさってください。

各社の戦略や、強み作りの取り組みは、中小企業の経営者にとっても、学ぶことが多いと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『世界シェアNo.1のすごい日本企業』
田宮寛之・著 プレジデント社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833425734

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0G1RWR5K9

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◆目次◆

はじめに グローバル・ニッチを制す”小さな巨人”たち
PART1 医療業界
PART2 自動車・バイク・航空機業界
PART3 インフラ業界
PART4 機械・装置・工具業界
PART5 素材業界
PART6 半導体業界

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