【お金の不安がなくなる。生き方が見える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022520841
本日ご紹介する一冊は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」で総合グランプリを受賞した、『きみのお金は誰のため』の著者、田内学さんによる注目の新刊。
『きみのお金は誰のため』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492047352
あらゆるモノの値段が上がる昨今、「もっとお金を増やさなきゃ」「お金さえあれば」と考える人は多いと思いますが、本書は、そこに待ったをかける一冊。
といっても、そこは元ゴールドマン・サックスの著者。気休めや精神論ではなく、現在経済で起こっていることの本質を解説し、なぜ海外投資をしても日本が豊かにならないのか、なぜお金を稼いでも増やしても問題が解決しないのか、その真相を明らかにしています。
資本主義がお金の不安をふくらませるシステムであることや、モノ経済からカネ経済への移行で起こったこと、なぜ今後、お金だけあっても豊かになれないのか、「人手不足」を軸に、その本質を解説しています。
運良く投資でお金が増やせてブランド品を買い漁っている人も、あまり稼げず、なけなしのお金を投資信託に回している人も、この本質がわからないと、今後、豊かな人生にはならないかもしれません。
昨今の流行りである「高額商品」開発がなぜ不毛なのか、起業家は何に挑戦するべきなのか、これからの時代を生きるためのヒントが書かれています。
オルカン投資をしておけば安心と思っている個人投資家や、インバウンドで全て上手く行くと思っている政治家は、ぜひ本書を読んで、今日本経済に起こっていることの本質を見極めるといいでしょう。
個人にとっては、なせ人の役に立つことや観察力、効率化が大事なのか、キャリア開発のヒントが見えてくると思います。
間違いなく言えることは、本書を読むことで、今、日本人が抱えている「漠然とした不安」が雲散霧消するであろうということ。
人間、何をやればいいかが明確になれば、前向きに努力しようと思うものですが、本書を読むことで、日本人全員が、そうなる可能性があると思います。
ぜひ、読んでみてください。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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企業はかつて、「人々が本当に欲しいもの」を作っていた。だが今は、「人々に欲しがらせること」に力を注ぐ
購買の動機は「憧れ」から「不安」へと静かにすり替えられた
私たちは気づかぬうちに「価格の呪い」にとらわれていないだろうか。「定価が高ければ価値があり、安く買えれば得だ」という思い込みだ。この呪いを解く鍵は、自分が感じた満足感を信じることにある
価格がつくということは、他人の所有物になる可能性があるということ
不安は、他人のモノサシから生まれる安心は、自分のモノサシから始まる
・誰かの役に立ったことに対する報酬
・他の投資家をあてにしたお金
この2つの違いを見抜くことが、「投資かギャンブルか」を見極める鍵になる
有利なのは、資産がある人であって、投資という手段そのものではない。そして、努力が報われやすいという意味で有利なのは、投資よりも労働だ
文豪・森鴎外は、「しごと」という言葉を、「仕える事」を表す「仕事」ではなく、自ら主体的に「為る事」として、「為事」と書いた
長らく社会では「役に立つこと」と「稼ぐこと」が分断されていた。「自分はどうやって役立てるのか」を真剣に考えても、「お金の不安」がなかなか減らない社会だった。だが今、人手不足や安泰神話の崩壊を背景に、「役に立つこと」をすれば「稼ぐこと」につながる社会に戻りつつある
経済が発展するにつれ、身近な人に頼らず、お金で他人に頼れるようになった。しかし、逆に言えばお金がないと誰にも頼れない。そして、一人でお金を稼ぐのは大変だ。この息苦しさが現代社会に広がっている
お金が価値を持つためには、「働いてくれる誰か」が必要
私たちの日常生活においても、お金を節約するだけでなく、「人手を節約する」という意識が求められている
私たちの暮らしが豊かになってきたのは、いつも仕事を減らすことが出発点
効率化や新しい価値を生む「挑戦」にお金が流れることが、本当の意味での投資になる
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われわれ日本人が苦しめられていることの本質が何なのか、見事に解説した、素晴らしい一冊です。
これからどうすればいいかに関しては、読者一人一人が考えることですが、ヒントはきっと文中に見つかるはずです。
ぜひ、読んでみてください。
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『お金の不安という幻想』
田内学・著 朝日新聞出版
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◆目次◆
はじめに どうして、お金の不安が増えるのか?
第一部 整理する 「外」に侵されない「内」の軸
第1話 その不安は誰かのビジネス
第2話 投資とギャンブルの境界線
第二部 支度する 「内」に蓄える資産
第3話 「会社に守られる」という幻想
第4話 愛と仲間とお金の勢力図
第三部 直視する 変えられない「外」の現実
第5話 「あなたのせい」にされた人口問題
第6話 「お金さえあれば」の終焉
第四部 協力する 「内」から「外」を動かす可能性
第7話 「仕事を奪う」が投資の出発点
第8話 「子どもの絶望」に見えた希望
おわりに
参考文献
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