2025年9月3日

『1メッセージ』 杉野幹人・著 vol.6796

【超・箇条書き』著者による最新刊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478121745

本日ご紹介する一冊は、以前、BBMでご紹介した『超・箇条書き』の著者、杉野幹人さんによる最新刊。

『超・箇条書き』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478068674

最初は、「要はシンプルに伝えるってことでしょ」と思い、興味を持たなかったのですが、どうやら議論を活発化し、組織を活発化するための技法だったようで、俄然興味を持ちました。

著者は現在、武蔵野大学大学院言語文化研究科教授で、株式会社ユーザーベースNewsPicks専門役員を務める人物ですが、元々はA.T.カーニーの戦略コンサルタント。

本書には、その現場経験から得た、真にビジネスを活性化する伝え方の技法、問い方の技法が書かれています。

論点から外れない、ノイズを減らす、まずは問う、曖昧な言葉を使わない、生々しい言葉にこだわる…。

意味のあるコミュニケーション、建設的なコミュニケーションを実現するためのTipsを説いた内容で、途中からはうんうん頷きながら読みました。

全体は大きく分けて、「焦点化」(一番大事な論点に絞り込む)「先鋭化」(尖った答えにまとめる)「結晶化」(生々しい言葉で磨き固める)に分かれており、順を追って読めば、メッセージが深く相手に届くメソッドが学べるように工夫されています。

なかでも、169ページから5ページにわたってまとめられた、著者がビジネスシーンで気をつけている「未定義語の言い換えリスト」は勉強になりました。(定義が揃いにくく、1メッセージでは使わない方がいい言葉をどう言い換えるか、リスト化したもの)

「戦略」→「方針、計画、勝ち方」
「ビジョン」→「目的、目標、なりたい姿、夢、方針、実現したいこと、目指すもの」

曖昧な言葉を使わず、反論を恐れない。抽象度の低い言葉を使うことで議論が活性化し、組織が活性化する。

「1メッセージ」は結論ではなく、スタートだとする主張に痺れました。

組織を活性化したい経営者、リーダーは、ぜひ読むことをおすすめします。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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1プレゼンテーション、1メッセージ

メッセージとは、相手の論点に対する自分の答えを言葉にしたもの

「答え」は、ゴールではなくスタート

相手に伝えるにはノイズを減らすことが重要

「人を動かす1メッセージ」3つの技術
・焦点化
・先鋭化
・結晶化

「何を言うか」のはるか前に「何に向けて言うか」

相手の論点と関係のないことは、相手には意味がない情報、すなわち、ノイズなのだ

1メッセージが伝われば、続いて、それにちなんだことを補足して伝えればよい。1メッセージにちなんだことであれば、それは相手にとって意味のある情報になり、ノイズにはならない

伝えたければ、まずは「傾聴」する

相手が論点を自分で言語化できていないときや、言語化が曖昧なときは、こちらから相手の一番大事な論点と思うものを疑問文で提示しよう

反論可能性が高ければ高いほど、相手の興味を引き、その結果相手に伝わり、相手を動かすことができる

検証しやすく、結果に対して否定に開かれていれば、やってみた後に間違いだとわかっても、そこから学びを得て、軌道修正してよりよい答えを導く「答えの進化」のサイクルをまわすことができる

相手と定義が揃う言葉を使うことで、反論可能性や反証可能性を高め、自分の考えを、より否定に開かれた尖った答えに近づけることができる

大事なのは、それが答えの進化のサイクルのスタートになることだ

「クリスタライズする」は、戦略コンサルが用いる用語だ。自分のメッセージを、相手にわかりやすい言葉にすることを言う

結晶化では、生々しい言葉にこだわる

生々しい言葉にするための最初のコツは、「小さな言葉」と抽象的な「大きな言葉」があったときには、「小さな言葉」を選ぶこと

数字で伝えることで生々しくなり、相手が具体的にイメージしやすくなる

メッセージを箇条書きにしたストーリーラインで紙芝居をつくる

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ビジネスにおける「トライアル&エラー」がやりやすくなった今日、勝利するのは間違いを恐れず、メンバーが真っ直ぐ向き合って議論できる組織。

「1メッセージ」は、そのためのコミュニケーションメソッドです。

ぜひ読んでみてください。

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『1メッセージ』
杉野幹人・著 ダイヤモンド社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478121745

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0FFG5C6J2

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◆目次◆

はじめに 「結果を出す人」は1行にすべてを込める
序章 1メッセージとは何か?
第1章 1メッセージの技術(1)
    「焦点化」--論点を絞り込む
第2章 1メッセージの技術(2)
    「先鋭化」--答えを尖らせる
第3章 1メッセージの技術(3)
    「結晶化」-生々しい言葉を使う
第4章 1メッセージの応用-プレゼンと会議
おわりに 1メッセージは、明日を変える

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