【ムダを殺す】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478121958
本日ご紹介する一冊は、『時間術大全』という名前で2019年に出されていたものを、新装版として再発行した一冊。
著者は、GV(旧グーグル・ベンチャーズ)でイノベーションを最速化する仕事術、「スプリント」を生み出し、Gmailなどの構築に貢献したジェイク・ナップ氏と、YouTubeやGoogleなどのデザインリーダーを務めたジョン・ゼラツキー氏。
カテゴリー的には「時間術」のジャンルに属する本ですが、これまでの時間術とは、思想が明らかに異なります。
これまでの多くの時間術に共通するのは、著者らが「多忙中毒」と呼ぶ現象のデフォルトルール。
「目の前のものごとに反応せよ。今すぐ対応せよ。予定を埋め、効率を高め、もっと仕事をこなせ」というものです。
本書では、この「多忙中毒」のルールとは異なる、新たなルールを設け、そのための時間術を提唱しています。
つまり、<大事なことのために時間を”つくる”方法>です。
多くの方は、良い人生を作るために、「意志力」や「生産性」を問題にしますが、本書によると問題はそこではない。
「多忙中毒」と「無限の泉」(スマホのアプリなど、コンテンツがたえず補充されるもの)を克服し、新たな原理に基づいたスケジューリングと仕事の進め方を実践することで、豊かな人生と生産性がもたらされると説いています。
なかでも強烈なのは、<ただのiPhoneを「気が散らないiPhone」に変える>ノウハウ。
ある読者が、本書に書かれた「気が散らないiPhone」のつくり方を実践したところ、「スマホに向かう時間が1日2時間半かそれ以上減った」そうです。
なかなか思い切る勇気はないかもしれませんが、この<「気が散らないiPhone」のつくり方>だけでも読む価値はあると思います。
スマホ依存を抜け出し、本当に大切なことに集中したいと考えるなら、本書は「買い」の一冊だと思います。
ぜひ読んでみてください。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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時間を奪う2つの大きな力
・多忙中毒
・無限の泉(スマホのアプリなど、コ
ンテンツがたえず補充されるもの)
あなたの時間の9割は「デフォルト」で決まっている
目の前のものごとに反応せよ。今すぐ対応せよ。予定を埋め、効率を高め、もっと仕事をこなせ--これが、多忙中毒のデフォルトルールだ
平均的な人はスマホを1日に4時間利用し、テレビ視聴にもう4時間を費やしている
何も考えずに受け入れてしまっているデフォルトはどこにある?
スプリントでは毎日、チームで1つの大きな問題に集中する。月曜日に問題の「マップ」を作成し、火曜日に各メンバーは問題の解決策を「スケッチ」する。水曜日にはベストな解決策を「選択」し、木曜日にその「プロトタイプ」(試作品)を作成し、金曜日にそれを「テスト」してもらう
メイクタイムの4ステップ
1.ハイライト:毎日「最優先事項」を選ぶ
2.レーザー:「気を散らすもの」をとっぱらう
3.チャージ:体を使って「脳を充電」する
4.チューニング:システムを調整、改善する(寝る前にメモをとる)
ハイライトの「3つの選び方」
「緊急性」「満足感」「喜び」
満足感の大きいハイライトの例
・有望な新プロジェクトの企画書を仕上げ、信頼できる同僚に見てもらう
・次の家族旅行の行き先をリサーチする
・執筆中の小説の新しい章を1500語書く
1.ハイライトに「どれくらいの時間」をかけたいかを考える
2.ハイライトを「いつやるか」を決める
3.ハイライトを「予定表」に書き込む
「気が散らないiPhone」のつくり方
1.「ソーシャル系アプリ」をとっぱらう
2.「その他の無限の泉アプリ」をとっぱらう
3.「メールアカウント」をとっぱらう
4.「ウェブブラウザ」を無効にする
5.「それ以外のすべて」を残す
メールやツイッター、フェイスブックなどを使い終えたら、毎回ログアウトしよう
「通知」をオフにする
チェックを減らすと、メール処理の効率が上がる
ニュースを見ない
歩くと「思索の時間」を増やせる
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後半の「チャージ」の部分は、コンディションを整えるための割とありがちなノウハウが並んでいますが、「ハイライト」「レーザー」の部分には、今すぐ試したいノウハウがびっしり詰まっていました。
スマホ時代の生産性向上ノウハウとしては、かなり有用な一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『とっぱらう──自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』
ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー・著 櫻井祐子・訳 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478121958
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0F6CR242K
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◆目次◆
イントロダクション これが「とっぱらう」の全技術だ
メイクタイムのしくみ
ハイライト 毎日「最重要事項」を選ぶだけでいい
レーザー とにかく「気を散らすもの」をとっぱらう
チャージ 疲れた脳を休めるには、まず体を動かす
チューニング 一度ダメでも続ける力をもつ
「いつか」を今日にする
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