【普通の会社が注目されるPR術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799113097
本日ご紹介する一冊は、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」の制作にディレクターとして携わり、その後PR戦略コンサルタントとして独立した、下矢一良さんによる中小企業経営者、個人のための実践PR術。
ネットで企業や個人が炎上する度に鋭いコメントを寄せ、度々注目されている著者の新刊ということで、注目されている方も多いのではないでしょうか。
タイトルが『ずるいPR術』となっていますが、なぜずるいのかというと、「実績がない」「特徴や個性がない」「実力がそれほどない」にもかかわらず、なぜか周囲やメディアから「一流」と認められるテクニックが書かれているから。
こんなことを書いていたら、著者自身が炎上しちゃうんじゃないかと心配になっちゃいますね(笑)。
「はじめに」で著者が述べているように、<成功者は、最初から「一流」と見られるようにPRに注力する>。
確かに、これはおっしゃる通りかもしれません。
土井自身も、ライター時代に「東京ウォーカー」という雑誌で立ち上がったばかりのタリーズ銀座店を初めて取り上げ、その広報対応に「しっかりした会社だな」と感心した記憶があります。
有名になるには、有名になるための作法を学ぶ必要があるんですよね。
著者は、前述の「ワールドビジネスサテライト」や「ガイアの夜明け」で誰もが認める一流の経営者を取り上げながら、同時に「創業したばかり」「売上はどこにでもある中小企業と同じレベル」の会社を、期待の星としていくつも取り上げたそうです。
であれば、その会社たちは他の会社とどう違っていたのか、なぜメディアは彼らを取り上げたのか。
本書を読めば、その勘所がわかるようになります。
昨今のSNSも加味したPR術、炎上対策なども書かれており、広報はもちろん、情報発信するすべての人が読むべき内容だと思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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プロうけより素人うけを狙うべし
Luup社は、「街じゅうを駅前化するインフラをつくる」という大義を掲げています。問題は、この大義が軽く、いまいち本物感がないという点です。LUUPが脅かしているのは街の安全であり、最悪の場合は人命にもかかわります。人命を天秤にかけるにしては、「街じゅうを駅前化する」という大義は、あまりに軽すぎるのです
SNSは対立構造を生みやすい空間です。その対立は、ほとんどの場合、「うまいことやっている、あちら側のやつら」対「何も持たない、こちら側の私たち」という構図で描かれます
Luup社は輝かしい経歴の経営陣をそろえ、政治家や行政への働きかけを公言し、さらに元警視総監というバリバリの既得権側の人材を迎え入れたことで、SNSの世界では完全に「あちら側のやつら」になってしまったのです
自己顕示欲に駆られ、PRの手口をネットで公開してはならない
ニュースとは「世の中の変化の兆し」
自分の力で変化を起こせないなら、すでに生じている変化に乗ってしまえばいい
「一般には知られていないが、一部の専門家の間では知られている」という情報は、テレビを攻略するための最高の武器
1社だけでは「世の中の変化の兆し」とまでは言えない(中略)中小企業が商品をテレビでPRする際には、番組制作者が同業他社を併せて紹介しやすくなる工夫も必要
お得な情報+説得力のある数字+印象的な社長ストーリー
仮想敵を設定し、ドラマを盛り上げる(中略)敵は、具体的な人物や企業でなくてもかまいません。むしろ、法規制、既成概念、あるいは業界の構造といった問題のほうが望ましいです
「サービス開始当初」に戻れる魔法のフレーズ--それが「本格スタート」
記念日や風物詩に絡めてPR展開をする
新元号の発表は、大きなPRのチャンス
ほとんどのイベントが、集客上の理由から土日に行われていますが、PRの観点で言うと、土日は避けて祝日に行うべきです。土日はテレビのニュース枠が大幅に少ないので、取材される確率が激減するからです
技術の説明は「大枠+流行語」
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テレビ関係者しか知らないことがわかりやすく書かれていて、とても勉強になります。
いまどきのSNSの空気感についても明確に説明されており、中小企業の広報担当者は、絶対に読むべきだと思いました。
巻末のQRコードから、「7大ダウンロード特典」としてプレスリリースの雛形や勉強会の開催案内の雛形、開発ストーリーのサンプル、危機管理に関するセルフチェックシートなどがもらえるので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
いまどき会社でPRに携わる方、個人として情報発信する方は、転ばぬ先の杖として、ぜひ、読んでみてください。
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『ずるいPR術』下矢一良・著 すばる舎
<Amazon.co.jpで購入する>
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<Kindleで購入する>
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◆目次◆
はじめに
第1章 一流は皆、本当に一流なのか
第2章 「一流」になりたいあなたを狙う魑魅魍魎に要注意
第3章 自爆するPR、失敗の法則
第4章 実績ゼロでも「スゴイ会社」と思わせる方法
第5章 商品に特徴不要! 同業との「格の違い」を築く方法
第6章 専門的すぎて一般には理解不能な業種で「人気者」になる方法
第7章 メディアの構造的”急所”を突く技術
第8章 批判の無限ループに陥らないための危機管理法
おわりに
本書を購入してくださった方へ 7大ダウンロード特典
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