【2巻は壮絶。絶望を希望に変えた実話集。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800913322
昨日の『現代人の伝記1』に続き、本日も『現代人の伝記』シリーズを紹介したいと思います。
※昨日ご紹介の一冊
『現代人の伝記1 命の炎を燃やして生きる』
藤尾秀昭・監修 致知出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800913314
通常、シリーズというと2冊目の方がトーンダウンしそうなものですが、このシリーズはどうやら2冊目の方が面白い。
いわゆる「良い話」が多かった1冊目と比べ、この2冊目は、修羅場をくぐり抜けた人たちの決断の瞬間、プロ意識の目覚めにフォーカスしています。
仲の良かった患者さんを救えなかった悔しさをバネに一流への道を進んで行った脳神経外科医の上山博康氏と彼に影響を与えた伊藤善太郎氏、長男を交通事故で亡くしたのをきっかけにドライブレコーダーを開発した元東芝の技術者、片瀬邦博氏、北陸トンネル列車火災事故をきっかけに声帯が麻痺し、就きたい仕事に就けなくなってしまった井村屋グループ会長CEOの中島伸子氏…。
「希望は失望に終わらず」のサブタイトル通り、壮絶な人生を生き抜いてきた人たちのエピソードが綴られています。
側から見て頑張っている人というのは、やはり頑張る理由を持っているものですが、本書に登場する人々は、それがあまりにすごい。
境遇は真似できませんが、そこで得た不屈の精神、人生に向き合う姿勢は、ぜひ真似したいものです。
サイゼリヤ会長の正垣泰彦氏も、ご家庭が大変だったようで、本インタビューでは、その辺の詳細を書いています。
苦しかったであろう母親が正垣氏にしたアドバイスは、経営者として考えさせられるものがありました。
こちらもぜひ読んでみてください。
今回も登場するのは計11名で、うち2名、「アル・ケッチァーノ」の奥田政行氏と「賛否両論」笠原将弘氏は対談で登場します。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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人間というものは、人から愛されたり、守られたりしていることに対しては極めて鈍感です。逆に、自分の意に沿わないことに対してはとても敏感にできているんですね。幸い私は十一歳にして、親に愛され、守られてきたことに気づいたおかげで真っ当な人生を歩むことができました(鍵山秀三郎氏)
ドイツの哲学者、ショーペンハウエルは、何事かをやり始めて成功するまでには三段階あると言っています。第一段階は笑い者になる、嘲笑される。第二段階は激しい反対、抵抗を受ける。その過程を経て、第三段階にして成功を遂げることができるというのです(鍵山秀三郎氏)
宮城谷昌光さんの『晏子』という小説に、中国春秋時代の政治家、晏子が、「益はなくても意味はある」と言う場面があります(鍵山秀三郎氏)
医師道は終わりのない戦いです。そこで患者さんが一人亡くなるたびに、僕らの中でプライドが一つ死にます。でも、僕らはそれを明日に向かう闘志に変えなきゃいけないんです(上山博康氏)
伊藤先生に接していて一番違和感があったのは、患者さんが亡くなると深々と頭を下げて「力及ばず申し訳ございませんでした」と謝るんですよ。それまで、謝るなんて言葉は僕の辞書にはなかった。重症で手の施しようのない患者さんに対して、「そうやって謝ったら、こっちに落ち度がないのに医療ミスのように取られてしまいませんか」と言ったんです。すると伊藤先生はこうおっしゃったんです。「それは上山、医者の論理だろう。医者にはダメだと分かっても、患者さんの側には分かるわけない。助けてほしいから来ているんだよ。俺たちに力がないから助けられないんだよ」
自分が嫌いになるような生き方だけはしない(上山博康氏)
最悪の時こそ最高である(正垣泰彦氏)
大学で物理の勉強をやっていたんですけど、量子力学によれば、この世に存在するすべてのものはエネルギーでできています。エネルギーって何かというと、中心がなくてみんなと繋がって、よりよい調和に向かって永遠に変化し続けている。ただこれだけなんです。「俺はすごいだろう」なんて有頂天になると自分中心になっちゃう。こういう人はエネルギーの法則に反するから落ちぶれていく(正垣泰彦氏)
ある時、父が手紙をくれましてね。こう書かれていました。
「君は自分の人生をどうするんだ。声が出なくても立派に生きている人はたくさんいる。声が出ないことを気にするんだったら、自分だけの”プラス1”を探しなさい。それがあれば必ず人の役に立つ。”辛い”と言う字に一本足せば、”幸せ”という字になる。それを忘れずに一所懸命生きていくことが亡くなった人への恩返しであり使命ではないか」(中島伸子氏)
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それぞれのインタビューから、「いい話だなあ」では済まない気迫を感じました。
仕事って、本来こういう動機でするものですよね。
気が引き締まるエピソードばかりで、読むとやる気が出ると思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『現代人の伝記2 希望は失望に終わらず』
藤尾秀昭・監修 致知出版社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800913322
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◆目次◆
後から来る者たちへのメッセージ
鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)
患者の人生を背負い命ある限り戦い続ける
上山博康(旭川赤十字病院第一脳神経外科部長・脳卒中センター長)
イチローに学んだこと
山本益博(料理評論家)
地下鉄の父・早川徳次の挑戦者魂に学ぶ
人の和が創造を可能にする
玉川信子(地下鉄博物館学芸課長)
「事故の真相を知りたい」 その父親の一念がドライブレコーダーを生んだ
片瀬邦博(元全国交通事故遺族の会理事)
諦める一歩先に必ず宝がある
我が人生の腹中の書
ナポレオン・ヒル『成功哲学』
黒岩功(ル・クログループ オーナーシェフ)
最悪の時こそ最高である
正垣泰彦(サイゼリヤ会長)
人生のハンドルを握り扉を開けられるのは自分だけ
中島伸子(井村屋グループ会長CEO)
希望は失望に終わることはない
長い闘病生活の果てに得たもの
希望は失望に終わることはない
三浦綾子(作家)
成功への光へと歩み続けて
こうして未来をひらいてきた
奥田政行(地場イタリアン「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフ)
笠原将弘(日本料理「賛否両論」店主)
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