【偉人たちが影響を受けた、親鸞の教え】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799331485
本日ご紹介する一冊は、西田幾多郎、司馬遼太郎、遠藤周作に影響を与えた、親鸞の言葉をエッセンシャル版としてまとめた一冊。
現代語訳、編集を担当したのは、銀行員として21年、経営コンサルタントとして15年働き、50歳の時に得度をして法名を得て、僧侶となった安永雄彦氏。
築地本願寺の改革を担う僧侶のトップとして代表役員宗務長も務めた人物で、BBMでも以前、『築地本願寺の経営学』をご紹介しました。
『築地本願寺の経営学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492503226
本書では、そんな安永氏が、ビジネスパーソンが健やかにかつ合理的にビジネスを進めるための親鸞の教えを紹介。
いわゆる仏教の解説書ではなく、著者自身がビジネスパーソンとしてどのように『歎異抄』と向き合い、それを解釈したのか、個人的に綴っています。
難解な歎異抄を現代語かつビジネスパーソン向けに解説した本ということで、入門書としてとっつきやすいと思います。
ビジネスパーソンが抱えるストレスの多くは、「状況や他者をコントロールしたがること」に端を発すると思いますが、本書は、その考えから読者を解き放ってくれます。
「自分の力だけではどうにもならないことを認め、すべてを大いなる力にゆだねる」
また、人間関係についても、救われる一言が書かれています。
「ご縁があればいっしょになり、ご縁がなくなれば離れるもの」
終始こんな感じで、肩肘張りすぎて疲れている方には、効果抜群の一冊だと思います。
また、「名誉や利益を得ようとしてはいけない」「言い争いに近づいてはいけない」「理論で論破してはいけない」など、健やかに生きるためのヒントも書かれており、勉強になりました。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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「善人は、自分の中にある『悪』に気づかない人です。そういう人でも往生できるのであれば、自分の『悪』を自覚して、それとともに生きるしかない悪人は、言うまでもなく往生できるのです」
私が僧侶を志した理由は、銀行員時代に「業績目標を達成することが、本当に社会のためになっているのか?」「銀行での業務は、本当に人のため、社会への貢献になっているのだろうか」という疑問やうしろめたさが胸にあったからです
「絶対他力」とは、「自分の力でなんとかしようとするのではなく、阿弥陀様の救いを全面的に受け入れる」という境地です。以下に私の解釈を述べてみます。これは、「自分の力だけではどうにもならないことを認め、すべてを大いなる力にゆだねる生き方」を指します
努力は大切ですが、その努力が報われるかどうかは、最終的には「ご縁」や「流れ」にゆだねられています
自分の限界を認め、他者や外部環境を受け入れる
不思議の力を信じる
都合よく解釈してはいけない
生きるということは、煩悩にとりつかれているということ
自力で悟りは開けない
自分が自分自身の罪の深さを知ることからしか、何も始まらない
ご縁があればいっしょになり、ご縁がなくなれば離れるもの
自分で選んでいるようで選んでいない
すべてを受け入れ、すべてをまかせる
名誉や利益を得ようとしてはいけない
お互いを攻撃したり、そしりあったりしてはいけない
言い争いに近づいてはいけない
理論で論破してはいけない
他人を批判する前に謙虚になる
自力は近道ではない
小賢しい考えを捨て、慈悲に深く感謝する
自分の意思を超えた力におまかせする
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資本主義の思想にどっぷり浸かった現代人が読むと、なんとも不思議な自己啓発書。
迷いをなくし、まっすぐな気持ちで仕事に向かうために、読んでおくと救われる一冊かと思います。
ぜひ読んでみてください。
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『超訳歎異抄』
安永雄彦・編訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆
はじめに
I ただ、ひたすらに信じる
II 「悪」について
III 弱くていい、愚かでいい
IV 縁というもの
V 嘆かわしいこと
VI すべてをゆだねる
超訳歎異抄全文
あとがき
参考文献リスト
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