2025年5月16日

『つながる技術』キャスリー・キラム・著 川上純子・訳 vol.6720

【週末は社交に出かけよう】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296124099

本日ご紹介する一冊は、ハーバード公衆衛生大学院を経て、スタンフォード大学、コロンビア大学等で人のつながりとウェルビーイングの関係を研究、つながりの健康に関する第一人者として活躍する著者が、最新の幸福研究と人間関係の質を高める方法を指南した一冊。

都市化が進む過程で、孤独が問題視される昨今ですが、本書によると、友人がいても家族がいる時のように死亡リスクは下がらないのだとか。

また、20代の時の交流の量と30歳の時の交流の質で、ある程度50歳になった時の社会的統合の状態、孤独、うつ、心理的ウェルビーイングが予測できるというから、恐ろしいですね。

では、どうすれば人生を通じて豊かに「つながる」ことができるのか。

本書では、人によって異なる「4つのつながりのスタイル」と、つながるための「4つの戦略」を提示しています。

4つのつながりのスタイルとは、以下の4つ。

・蝶 頻度の多いつきあいとカジュアルなつながりでいちばん幸せになれるタイプ
・壁の花 頻度の少ないつきあいとカジュアルなつながりでいちばん幸せになれるタイプ
・蛍 頻度の少ないつきあいと深いつながりでいちばん幸せになれるタイプ
・常緑樹 頻度の多いつきあいと深いつながりでいちばん幸せになれるタイプ

土井は、自分が蝶か蛍かよくわかっていませんが、ある程度タイプが示されることで、戦略が立てやすくなることは確かです。

また、今の自分の状態によってストレッチ(伸ばす)するべきなのか、レスト(休む)するべきなのか、4つの戦略が示されており、これは参考になりました。

4つの戦略
・ストレッチ(伸ばす)つながりの量が少ないとき
・レスト(休む)つながりの量が多いとき
・トーン(調える)つながりの質が低いとき
・フレックス(ほぐす)つながりの質が高いとき

最近、ネットワークを放置することが多かったので、トーン(調える)で行こうと思います。

人付き合いが苦手な人へのアドバイスも載っており、社交戦略の本として読んでも面白いと思います。

ビジネス書的に最も面白かったのは、著者が「つながりウェルネス産業の時代」を予言した部分で、「つながる力の向上を目的とするジム」は、面白いアイデアだと思いました。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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人との絆やつながりが欠けていると、他の健康習慣とは関わりなく、来る10年のあいだに死ぬ可能性が2倍から3倍も高くなる

ギリシャのイカリア島、コスタリカのニコヤ、日本の沖縄など、100歳を超える長寿の人が世界一多いコミュニティでは、人々は家族を何よりも大切にし、日常的に支えてくれる人づきあいの輪に囲まれています

薬は健康を改善してくれますが、きちんと服薬するには支えてくれる人間関係が必要です

幸せな人生とは、人とのつながりや絆のある人生だ

私たちは、よい面を大事に育んでいくことにもっと集中する必要があります

持続的な幸福を実現するのに最低限必要な親しい友人の数は3人かもしれないというデータもあります

20歳のときの交流の量と30歳のときの交流の質が、50歳になったときの社会的統合の状態、孤独、うつ、心理的ウェルビーイングを予測する

4つの戦略
・ストレッチ(伸ばす)つながりの量が少ないとき
・レスト(休む)つながりの量が多いとき
・トーン(調える)つながりの質が低いとき
・フレックス(ほぐす)つながりの質が高いとき

4つのつながりのスタイル
・蝶 頻度の多いつきあいとカジュアルなつながりでいちばん幸せになれるタイプ
・壁の花 頻度の少ないつきあいとカジュアルなつながりでいちばん幸せになれるタイプ
・蛍 頻度の少ないつきあいと深いつながりでいちばん幸せになれるタイプ
・常緑樹 頻度の多いつきあいと深いつながりでいちばん幸せになれるタイプ

支える家族がいると死亡リスクは低くなりますが、友人の支えでは低くなっていませんでした

人種差別は文化のレベルに置いて「私たち」対「彼ら」という対立を生み、コミュニティの形成や社会的結束、団結を阻みます

To-Doリストの隣にTo-Loveリストを並べる

キャリアの目標に加え、つながりや絆の目標も設定する

つながりウェルネス産業の時代がやってくる

つながる力の向上を目的とするジムが、この先5年で増える

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つながりの意義や素晴らしさを再認識できると同時に、どうすればそれを豊かにできるか、ヒントを与えてくれる一冊です。

著者が予言する通り、「つながりウェルネス産業の時代」が到来すれば、大きなビジネスチャンスにつながると思います。

ぜひ読んでみてください。

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『つながる技術』キャスリー・キラム・著 川上純子・訳 日本経済新聞出版

<Amazon.co.jpで購入する>
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<Kindleで購入する>
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◆目次◆

序 人とのつながりが健康を左右する
Part1 ASSESS 「つながりの健康度」を測る
1章 「健康」の意味を再定義する
2章 人間関係の謎を解き明かす
3章 つながりの健康のスタイルを見極める
Part2 ACT つながるために行動する
4章 つながりの健康を最優先する
5章 つながる筋肉を鍛えよう
6章 自分のための小さな1歩がつながりの健康の大きな1歩になる
7章 科学者の目でつながりの健康を見極める
Part3 AMPLIFY つながりの健康を高める生き方
8章 暮らしている場所でコミュニティをつくる
9章 職場やオンラインでつながりを育む
10章 みんなで充実した人生を送ろう
結び
謝辞
附記
文献注

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