2025年5月9日

『すごい壁打ち』石川明・著 vol.6715

【地味に効果的】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763142054

本日ご紹介する一冊は、頭を整理し、困難な課題に打開策を見つけ出す「壁打ち」の技法を、元リクルートの著者が書いた一冊。

著者の石川明さんは、2000年にリクルートで総合情報サイト「All About」の創業に参加。10年にわたって事業部長や編集長を務めた人物です。

本書では、著者がこれまでの体験から培った「壁打ち」の技法を解説。

壁打ち相手の見つけ方や壁打ちの機会の創出、具体的な会話の手法までをまとめています。

基本的なやり方は、「壁打ち基本の7ステップ」でまとめられていますが、本文ではさらに細かな点を解説。

壁打ち基本の7ステップ
(1)相手を選ぶ
(2)声をかける
(3)話し始める
(4)相手から相づちや質問が返ってくる
(5)話題をコントロールする
(6)壁打ちを終える
(7)リフレクション

壁打ち上手になりたい人は、ぜひ読んでおくといいと思います。

実りある壁打ちにするために伝えるべき3つのポイントも有用で、問題解決に携わる方は、ぜひ実践してみてくさい。

壁打ち前に伝えるべき3点
(1)現在の状況
(2)壁打ちをお願いする意図
(3)対話への期待

個人的には、壁打ち相手、つまり「壁」になるための心構えが役立ちました。

<抽象的な話に終始しがちであるならば具体的な話に、具体的な話に終始しがちであるなら抽象的な話に、転換を図る>という視点は、なるほどと思いました。

ビジネスにおけるコーチングの視点としても、面白いと思います。

多少具体性に欠けるのが玉に瑕ですが、「壁打ち」の有用性を説いた本として、ぜひ読むべき一冊だと思います。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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たくさんの組織を見てきた経験から、私が最も大きな違いを感じるのは、組織内で交わされるコミュニケーションの量とスピード

世間でいう「仕事ができる人」の多くは、意識せずとも自然に壁打ちを周りの人と行っている

効果的なのが、問題に直接関係していない人との壁打ち

壁打ち基本の7ステップ
(1)相手を選ぶ
(2)声をかける
(3)話し始める
(4)相手から相づちや質問が返ってくる
(5)話題をコントロールする
(6)壁打ちを終える
(7)リフレクション

「実はですね」と結論から入ったり、「要するに」と抽象的な要約から始めたりすると、相手は状況を理解できず、適切な反応や助言が難しくなってしまいます

壁打ちに適したタイプ
・業界や専門分野の知識が豊富な人
・以前に同じような苦労をした経験がありそうな人
・物事を論理的に整理するのが得意な人
・細部まで丁寧にチェックするのが得意な人

以下の3点を相手に明確に伝えることで、より実りある対話が期待できる
(1)現在の状況
(2)壁打ちをお願いする意図
(3)対話への期待

相手から異なる意見が出てきたときの対応
・「なぜそう思うのか?」と、相手の考えの背景を探る
・現状認識の違いを見つける
・前提条件の捉え方の違いを理解する
・価値観の違いを言語化する

思いがけない展開を楽しむ心の余裕が大切

「壁」にとって最も大切なこと、相手が話し始めるまで「待つ」こと

遮らない

「なぜ?」という質問は後回し

「壁」の役目は、抽象的な話に終始しがちであるならば具体的な話に、具体的な話に終始しがちであるなら抽象的な話に、転換を図る問いを立てること

「誰にとっての価値か」という前提条件が抜け落ちてしまうことは、案外多い

大胆な目標設定で自由な発想を取り戻す

意思を問い、覚悟を迫る“たまたま“顔を合わせる「場」を作る

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周囲の協力を得て、壁打ちをしたい人、ある程度経験を積んで誰かの「壁」になりたい人に、おすすめの一冊です。

経営者、マネジャーが読めば、組織内コミュニケーションの活性化にもつながると思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『すごい壁打ち』石川明・著 サンマーク出版

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◆目次◆

はじめに
第1章 アイデアがふくらむ、問題解決がうまくいく「壁打ち」
第2章 思考を深める壁打ちの「基本」
第3章 頭の中の解像度が上がる「すごい壁打ち」
第4章 悩みをうまく聴ける「壁」になる
第5章 壁打ちの「機会」を増やし、成果に繋げる
第6章 壁打ちは「組織」も強くする
おわりに

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