2025年4月3日

『「ひとり社長」の賢い節税』杉田健吾・著 vol.6692

【これから小さく起業・副業したい人に】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756923844

本日ご紹介する一冊は、元国税職員で、現在はひとり起業家専門のお金と税のコンサルタントをやっている、杉田健吾さんによる節税本。

これから小さく起業したい人や一人で会社を経営している人、副業したいサラリーマンにピッタリの内容で、法人設立のメリット、定款の作り方のコツ、具体的な節税法、簡単な経理処理の方法まで、かゆいところに手が届く内容です。

タイトルに「ひとり社長」とあるので、「それなら個人事業主で十分」という方が当然いらっしゃると思いますが、本書によると、「個人事業主が経費にできる範囲は狭い」。

一方、法人の場合は、かなり広い範囲で経費が認められます。

本書では、どうやったら経費がきちんと認められるのか、どんな証拠を取っておけばいいのか、何をすれば認められやすくなるのかなど、国税にいた著者だからこそわかる、実際のところが書かれています。

いろいろ勉強になる内容ですが、著者が実際にやっているという、領収書の簡単な整理方法や旅費規程を活用した節税法、その他家族を活用した節税法、住宅規程の注意点、役員報酬8万円のすすめ、役員賞与の活用などは、ぜひ読んでおきたいところです。

また、なるべく手間をかけずに会社設立・運営をしたいと考えるひとり社長にとっては、経理をシンプルにする技が具体的に書かれていて、重宝すると思います。

著者がやっている「ズボラ会計」や、「借方科目のパターン化」、貸方科目はすべて短期借入金(社長借入金)を使用するというやり方で、会計はだいぶシンプルになると思います。

会社設立や節税の本は、たまに超役立つ本が生まれますが、本書はそれに該当する一冊だと思います。

なるべく手取りを多くしたい方、節税しつつ会社を強くしたい方、本業以外にかける時間を節約したい方は、ぜひ読んでみてください。

さすが、元経理マンが社長をやっている出版社だけあって、よくできています。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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個人事業の場合、経費に認められる範囲は法人よりかなり狭い

赤字でも法人を設立したほうがいい

会社の赤字は10年間繰り越せる

次のようにSNSを使うことで、プライベートを仕事化することができます
1.行った先々で写真を撮影
2.Facebookなどに投稿し、一言コメントを添える
3.可能であれば、投稿の最後にメルマガなどへの誘導を入れる

配偶者が経理事務や電話対応、スケジュール管理など、実際に法人の何らかの業務に従事し、その業務内容と労働時間に見合った金額であれば、月5万円程度の給与支払いは一般的に認められます

ある旅行情報サービスを運営する石川さん(仮名)は、法人を設立する際に「インターネットを利用した旅行・レジャーに関する情報提供サービス」を事業目的に加えました。これにより、それまで経費にしづらかった旅行にかかる費用のほとんどを経費計上できるようになりました

借方科目のパターン化
1.会議費 カフェ、ランチ、1万円以下の懇親会費用など
2.交際費 1人1万円を超える懇親会費用
3.旅費交通費 社内規程に基づいて計算した一定額
4.備品・消耗品費 オフィスで使用する備品など
5.研修費 セミナー参加費など

貸方科目はすべて短期借入金(社長借入金)を使用します。個人事業主の場合は事業主借になります。現金勘定ではなく短期借入金を使う理由は、日々の現金管理が大変になるのを避けるためです。また、経理仕訳も煩雑になるので、すべての支払いをポケットマネーか個人のカードで行い、レシートか領収書をもらっておきます

出張旅費に含まれる交通費、宿泊費、出張手当(日当)は給与として扱われず、税金がかかりません

住宅規程を利用するための条件
(1)法人名義で借りることができる家を探すこと
(2)国税庁が定める「小規模住宅」の基準をクリアする家を見つけること
※小規模住宅:床面積がマンション99m2以下、一戸建て132m2以下の住宅のこと

ここで大事なのは、ボーナスの社会保険料には上限があるということです。健康保険料は年間573万円まで、厚生年金は月150万円までしか社会保険料がかからない

1人でのカフェ利用は「会議費」としてOK

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「まだ売上が小さいから、会社設立なんてとても」と言っている副業サラリーマン、個人事業主にこそ読んで欲しい内容だと思いました。

起業を目指す方は、全員読んでみてください。

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『「ひとり社長」の賢い節税』杉田健吾・著 明日香出版社

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0DYDW2VG6

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◆目次◆

はじめに
第1章 ひとり法人のメリットはこんなにある
第2章 法人化のポイント
第3章 うっかり「脱税」をしないポイント
おわりに

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