【マネジメントの実践書】
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本日ご紹介する一冊は、40年以上に渡り、50万人以上の新人マネジャーを支えてきたというマネジメントの教科書。

著者は、アメリカ中西部の大手保険会社の役員を務めたというローレン・B・ベルカー氏と、コンサルタント、エグゼクティブ・コーチのジム・マコーミック氏、マネジャー育成を専門とするコンサルティング会社のマネジング・パートナーを務めたゲイリー・S・トプチック氏の計３名です。

著者らの経験と知見が生きた、実践的な内容で、マネジメントにおいてやってはいけないこと、やるべきことのほぼすべてが網羅されています。

着任直後にやってはいけないこと、面談設定のコツ、何かを変える際の説明など、とにかくアドバイスが具体的で、その根拠もしっかり書かれています。

具体的な部下のサポート方法や褒め方、日々のコミュニケーションのコツが書かれているので、即・現場で役立つと思います。

採用や解雇、昇給、セクハラ、問題のある部下のマネジメント、年上が部下になった時の注意点など、かゆいところに手が届く内容で、今まさにマネジメントに悩んでいる管理職にとっては、救世主のような本だと思います。

また、管理職自身の評価や昇進につながる話も書かれており、ある程度経験を積んだ読者も、読んでおくと新たな視点が得られると思います。

一部、アメリカならではの事情によった内容も散見されますが、概ね普遍のマネジメント方法について論じられています。

とかく曖昧な精神論に陥りがちなマネジメントを、しっかり体系化して述べている点が素晴らしく、新人マネジャーには、ぜひ読んでいただきたい内容です。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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着任に際しては、「運用に関わる変更はすぐにやらない」と決めておこう。まずは慌てないこと。たいていの人にとって変化は脅威であり、意識的にでも無意識にでも、とにかく抗ってしまうものだ

何かを変える必要がある際には、その内容と理由について、できるだけ丁寧に説明しよう

着任後２カ月以内に、自分の監督範囲にあるメンバー全員と個人面談をしておくとよい。ただし、着任１週目からいきなりやるのは得策ではない。上司としてのあなたの存在に慣れてもらう機会を、まずは与えておきたい

よい仕事を褒めて評価する際は、２つのステップで行おう。まず、賞賛に値する行動、態度、業績を具体的に伝える。たとえば、「製品カタログの表紙のデザイン、とてもいい仕上がりでしたね」というように。その上で、なぜその仕事が評価に値するのか、仕事の影響や貢献について話そう。「新しいデザインのおかげで確実に売上が伸びそうです」などと伝えるわけだ

真に「部下思い」であるとは、部下の業務負荷が適切かを気にかけ、仕事ぶりを正しく把握し、うまくやれた場合には必ず褒めて報い、適切なフィードバックをすることだ

自部署の利益だけを考えて発言するマネジャーになってはならない。これを繰り返していると、発言に信用がなくなり、そのうち意見を求められなくなる。どうせ狭い視点での発言しかしない、と思われてしまうのだ

「管理」とは
・何をすべきか伝える
・やり方を示す
・できたかを確認する

「励まし」とは
・やる気を出させる
・傾聴する
・部下が業務を遂行できるよう、状況
　を整えてサポートする

年長の部下が深刻だと考える案件を持ってきた際には、あなたにとってはすぐ決断できる簡単な問題だったとしても、「しばらく考えさせてください。明日の朝、また話しましょう」と伝えるのだ。根拠をしっかり確認し、熟考するタイプの上司だと態度で示せば、「知ったかぶりの青二才」イメージを払拭することができる

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読んでみましたが、やはりロングセラーは伊達じゃないですね。

現場での部下とのコミュニケーションから、マネジャー自身の評価、キャリアをアップする方法まで、新人マネジャーにとって必要なことが網羅されています。

ぜひ、読んでみてください。

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『マネジャーの全仕事』ローレン・B・ベルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック・著
佐々木寛子・訳　ディスカヴァー・トゥエンティワン

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◆目次◆

第７版に寄せて
謝辞
はじめに
第１部　マネジャーになるあなたへ
第２部　新しい仕事に取り組む
第３部　心を掴み、人を動かす
第４部　人事評価を行う
第５部　成長し、さらに上を目指す
第６部　人としての総合力を高める
結び