2024年3月12日

『高くてもバカ売れ!なんで?』川上徹也・著 vol.6435

【今どき売れる7つのキーワード】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815622868

本日の一冊は、物価高の昨今、大ヒットしている商品と、その理由を解説した一冊。

主にコロナが流行した2020年以降、23年秋までの100を超えるヒット商品事例を検証し、わかったことをまとめています。

著者は、大手広告代理店出身のコピーライターで、多数の著書を持つ、川上徹也さん。

コロナ禍にヒットした「リップモンスター」や、湧き上がる泡で話題となった「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」、1粒1000円のイチゴ、1粒4000円のあめなど、多数の事例と、著者が考えるヒット要因がまとめられており、マーケティング・営業のヒントになります。

「アガる」「プレゼント」「自分メンテナンス」「プチ贅沢ご褒美」など、今どき売れる7つのキーワードも、参考になるに違いありません。

インフレ時代でも「高くても売れる」
7つのキーワード
(1)アガる
(2)プレゼント
(3)自分メンテナンス
(4)プチ贅沢ご褒美
(5)応援消費
(6)レトロエモい
(7)ガチニッチ

どんなに経済状況が悪くても、どんなに会社が苦しい時でも、ヒット商品は生まれる。

そして、そのヒットを生むのは、アイデアと不屈の精神、要するに人間の力なのです。

本書を読むと、苦しい状況をモノにしたヒットメーカーたちの仕事が一覧できて、手っ取り早くマーケティングのヒントが得られます。

気になった商品を、実際に見たり、購入して試すと、さらに学びが深くなるのではないでしょうか。(土井も、ワコールメンの男性用高級下着「レースボクサー」を買おうかどうか悩んでいます)

写真も多く入っていますが、全部が全部、商品写真入りではないため、スマホ片手に、検索しながら読むことをおすすめします。

さっそく、気になるところを赤ペンチェックしてみましょう。

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コピーライティングの肝として「合わない言葉を組み合わせることで化学反応を起こす」というテクニックがあります。「リップ」と「モンスター」の組み合わせはまさにこれです。KATEの開発担当・宗田杏樹さんのインタビューによると、この「リップモンスター」という製品名は「とにかく落ちにくそう、なんだかスゴそうという最強感、貪欲な期待感を思わせる名前」として考えたといいます。そこから転じて「モンスターが住む世界って、こんな感じ」とストーリーを深めていき、個々のカラーの名前もその世界観からイメージしていったそうです(中略)たとえば「憧れの日光浴」というカラーは、「普段は夜に活動しているモンスターにとって太陽は縁遠いもの。でもだからこそ、日光浴に憧れていて……というストーリーをのせた、フレッシュなオレンジカラー」

男性たちの美意識に変化が起きている。今なら女性が下着に抱いている華やかでワクワクする感覚を、レースを使ったインターウェアで男性にも実感してもらえるのではないか--

熟度、色、形、糖度、大きさなどの基準を満たしたイチゴを厳選し、ダイヤモンドの原石を磨き上げる作業に例えて「ミガキイチゴ」と命名することにしました。さらにレギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナと4段階のグレードに分けて販売したのです。「プラチナ」に選ばれるのは、約500粒のうち1粒程度

衣類においても「睡眠中に疲労回復」して「自分メンテナンスする」というコンセプトの商品が異例のヒットとなっています。その代表格が、ウェルネスD2Cブランド「TENTIAL(テンシャル)」から発売されている睡眠用のリカバリーウェア「BAKUNE(バクネ)」

一般的に広告というと企業が出稿するものですが、「応援広告」ではアイドルやタレントなどのファンが、自分たちでお金を出し合って出稿することが特徴

■5670(コロナゼロ)プロジェクト
応援消費で6300匹の真鯛が直接消費者に(中略)「5670プロジェクト」が素晴らしいのは、単に真鯛が売れたにとどまらない点。それは、さばき方教室を実施したことです

サウナ専用メガネが売れてます

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一部、売れ行きに翳りが見えている商品もありますが、マーケティング思考を鍛えるためのヒントとして、読んでおくといいと思います。

最新のヒット商品をアップデートしておきたい人にもおすすめの一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『高くてもバカ売れ!なんで?』川上徹也・著 SBクリエイティブ

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815622868

<Kindleで購入する>
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◆目次◆

はじめに
1章 なぜ、コロナ禍に「リップモンスター」はバカ売れしたのか?
2章 イチゴを1粒1000円で売る方法を考えなさい
3章 なぜ、私たちはYakult1000が欲しくなるのか?
4章 なぜ、ゴディバはローソンやマックで商品を売るのか?
5章 廃棄寸前の真鯛が6300匹も売れた理由
6章 今、なぜ昭和レトロ家電が売れるのか?
7章 ガチ中華が魅力的に感じるのはなぜ?
8章 今すぐ価格の壁を打ち破るための7原則
おわりに
参考図書・参考URL

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