2023年3月22日

『定年英語』田代真一郎・著 vol.6200


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799329286

本日ご紹介する一冊は、ディスカヴァー・トゥエンティワンが創刊した新レーベル「人生100年時代BOOKS」の第1弾。

同時に、和田秀樹さんの『50歳からの勉強法』も出されています。

※参考:『50歳からの勉強法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799329278

本書『定年英語』は、日立造船と三菱自動車工業に定年まで勤務し、定年後プロの同時通訳者になったという異色の経歴の持ち主が、定年後に新たな職を見つけるヒント、英語を学ぶヒントを述べた、注目の一冊。

先日ご紹介した『人生後半の戦略書』には、第2の曲線に飛び乗ることの大切さが説かれていましたが、本書には、まさにそのヒントが書かれています。

※参考:『人生後半の戦略書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/481561847X

なぜなら、この英語勉強法は、まさに『人生後半の戦略書』が言うところの「結晶性知能(過去に学んだ知識の蓄えを活用する能力)」を活かす勉強法だからです。

著者が進める勉強法では、総花的に英語を学習するのではなく、仕事という限定されたニーズから英語に入る。

これなら、ビジネスパーソンが身につけた知恵や専門性をアドバンテージにできる、ということです。

著者は55歳から通訳学校に通い、仕事がもらえるようになったそうですが、それまでの過程でどう英語を学んだのか、どうやって仕事をもらえるようになったのかが、じつに勉強になります。

これから第2のキャリアを築こうと思っている方、リスキリングしようと考えている方に、ユニークな視点を提供してくれる一冊だと思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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総花的な英語学習ではなく、仕事という限定されたニーズから英語に入ったのがよかったのでしょう

結局は定年後も含め、62歳になるまでの7年間、通訳学校での学習を続けました。現在、プロとして仕事をしていることを考えると、55歳のときのこの決断が、今に続く大きなきっかけになったことは間違いありません

私の好きな英語のことわざに、
Don’t judge each day by the harvest you reap but by the seeds you plant.
があります。「その日一日の成果は、収穫の量ではなくて、蒔いた種の量で計りなさい」ということです

定年を1か月後に控えた7月のことでした。通訳学校でお世話になっていた先生から、「今年の10月に名古屋でCOP10があり、大勢の通訳者が必要になります。もし興味があれば一度やってみませんか?」とのお話をいただいたのです

ときどき、なぜこんなにも経験が浅い還暦を過ぎた通訳者に仕事がいただけるのだろうかと考えることがあります。自分なりにいくつか理由はあげられるのですが、そのうちの一つは「専門がある」ということでしょう。技術系、特に自動車をはじめとする機械ものにはめっぽう強いということです

自分の仕事のことが英語で言える、まずはそこを目指す。それが英語習得の正しい入口であり、一番の近道

備えるべきは、必要な単語調べと、内容を英語で話すためのイメージトレーニング

最初は、商談で出番の多そうな「機能」に絞る。これに集中して英語で言えるようにする

高頻度の項目に注目し、順に定型化する。それを繰り返す

会議の席では、あれもこれも話せる必要はない。その代わり、議題については何を聞かれても対応できるようにしておくこと。それを続けていると、英語の力は次第についていく

「イメトラ」と「サイトラ」で、イメージを英語にする

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著者が専門分野の翻訳をした英文例を読むと、なるほど専門家が通訳をすると強いというのがよくわかります。

著者の経験談がメインのため、もうちょっと客観的な情報が欲しかったところですが、著者と同様のキャリアを考えている方には、具体的な情報源も示されており、大いに役立つと思います。

未経験で何かに挑もうとしている方にも、面白いヒントになると思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『定年英語』田代真一郎・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799329286

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0BSFDY89N

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◆目次◆

プロローグ
第1章 理系エンジニアだった私が、定年後に通訳者になるまで
第2章 仕事を通じて英語が身につく5つの理由-Why?-
第3章 仕事を通じて英語を身につける4つの勉強法-How?-
エピローグ

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