2019年9月19日

『ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』 山中俊之・著 Vol.5360

【必読です。】
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本日ご紹介する一冊は、元外交官で、神戸情報大学院大学の教授、山中俊之さんによる世界5大宗教の入門書。

著者は、外務省からキャリアをスタートし、エジプト、イギリス、サウジアラビアに赴任した経験を持つ方で、退職・起業後は高野山大学で仏教や比較宗教について学び、それらの経験をコンサルタン
ト、研修講師としてビジネスパーソンに伝えています。

いわゆる宗教の本は世にたくさんありますが、ビジネスパーソンに向けて書かれた実践の書は少ない。

その点、本書は元外交官/ビジネスパーソンの著者ならではの切り口で客観的に宗教解説をしており、入門書として入りやすいと思います。

第1章で、いかに日本人の宗教偏差値が低いかに触れ、その上で何に気をつけ、どう学べばいいかを述べています。

第2章以降は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教に触れ、最後に日本の宗教について解説されています。

最終章である第7章では、「科学・政治経済と宗教」と題し、科学の進歩に伴う宗教的な視点を述べています。

著者いわく、<雑談を通じて、人間としての深みをさりげなく提示して、「また会いたい」「仕事抜きでもつき合いたい」と思わせることが、これからのエリートの前提条件>。

先端テクノロジーの方も、転ばぬ先の杖として、読んでおくといい
でしょう。

それでは、さっそく内容をチェックしてみます。

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キリスト教についての知識がないと、アメリカ人とのつき合いやビジネスは地雷の埋まった野原を歩くようなもの

今後、東南アジアはビジネスやインバウンドで日本とますます関係が深まっていくはずですが、マレーシアの国教はイスラム教ですし、インドネシアにも二億人以上のイスラム教徒がいます

各種統計によると、出生率が相対的に高いイスラム教徒は、将来、世界最多の信者を持つ宗教となる可能性が高い

「私は無宗教です」は、世界では非常識な発言

「印象派はジャポニスムの影響が強いですよね。葛飾北斎について教えてください」と尋ねてきた時、「ちょっとわかりません」と答えたら、会話は終わりです

「ブリッジする会話」とは、文字通り自分と相手に橋をかけること。具体的には相手の国や社会、人の価値観を踏まえた上でその長所について話す。あるいは、相手の国や文化と自分の何らかの関係につ
いて述べるということです

インドのモディ首相が来日した際、安倍首相がわざわざ京都の東寺を案内したのも一つのブリッジです。東寺にあるのはインド的な仏像で密教の流れを汲んでいます。ここから会話を発展させようーー
外務省の担当者たちがそう考えたとしても、不思議はありません

一神教では神と人との間には明確な境界線があり、どんなに偉大な人でも、神を超えることはもちろん神になることも絶対にできません

名を馳せたダビデは、羊飼いという当時下層とされた階級出身でしたが、イスラエル王国の王になります。ユダヤ教では、優秀な者が神の思し召しによって王になるという考えがあります。実質は衆目
の一致する優秀な人材を神の名を借りて王にするのです。ユダヤ人の優秀な人材選抜方法です

「カシュルート」と呼ばれる食事の規定ではヒレ、ウロコのないシーフードはNG。肉と乳製品を同時に使ったものもNGなので、チーズとサラミを使ったピザやチーズバーガーは無理です

最後の晩餐で重要なことは、パンとワインをそれぞれ自分の体と血にたとえて弟子に与えたこと。キリスト教の重要な儀式である聖餐式で今でもパンとワインが供されるのはここからきています

「我々は古代ギリシャの時代から大帝国であったペルシャの末裔。イスラムが生まれるはるか昔からある、歴史ある民族だ」というプライドが、イラン人にはあります

芸術としての書道がアラビア語と漢字で共通するというのは、私がイスラム教徒と文化について語る際の定番ネタです

イスラム教徒との会食などの際は、「アルコールなし」にしておくのが無難

小乗とは、立場の違いを大乗の側から批判的に表現した言葉です。NHKが使っているくらい一般的な言葉で間違いではありませんが、ビジネスパーソンは使わないほうがいいです。漢字のわかる上座部
仏教徒にとってはすごく嫌な気がするはずです

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会話の中で、どんなところに気をつければいいのか、日本人として何を知っておくべきなのかが語られており、実践的な内容です。

以前、明石康さんとお話した時、「グローバル人材になるために必要なことは?」と尋ねたところ、「異文化へのリスペクトですね」と言われましたが、宗教を学ぶことは、最大のリスペクトです。

日本のビジネスリーダーは、全員学んでおくべき内容だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』
山中俊之・著 ダイヤモンド社

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◆目次◆

Prologue なぜ宗教がビジネスエリートの必須教養なのか?
第1章 日本のビジネスパーソンだけが知らない!世界5大宗教の基礎知識
第2章 ユダヤ教──少人数ながら国際政治・経済への多大な影響力を持つ
第3章 キリスト教──世界のルールをつくった「西洋文化のルーツ」
第4章 イスラム教──日本人に誤解されがちだが実は「人にやさしい宗教」
第5章 ヒンドゥー教・仏教
    ──日本文化に強い影響がある兄弟のような宗教を一緒に学ぶ
第6章 日本の宗教──「自国の宗教観」を語れてこそ、一流のビジネスパーソン
第7章 科学・政治経済と宗教──AI、生命化学、国際紛争、社会問題を読み解く
Epilogue
特典:おすすめの宗教映画

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