2019年8月26日

『なぜ倒産』帝国データバンク、東京商工リサーチ・協力 日経トップリーダー・編 Vol.5343

【帝国データバンク、東京商工リサーチ協力の決定版】
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「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。

これは、ビスマルクの言葉とされていますが、実際にビスマルクが語ったのは、「愚者は自分の経験に学び、賢者は他人の経験に学ぶ」ということだったそうです。

本日ご紹介する一冊は、日本の倒産の2大リサーチ機関、帝国データバンクと東京商工リサーチ協力による、倒産研究本。

<平成の30年間で倒産した中堅・中小企業24社の事例分析から、時代を超える「失敗の教訓」を引き出すことを目指す>べく企画されたものです。

月刊経営誌「日経トップリーダー」の連載「破綻の真相」をもとに編集したもので、順調だった会社経営がなぜ傾いたのか、経営者はなぜ自死しなければならなかったのか、経営のリアルが書かれています。

また以下のように、執筆者がまとめた教訓も役に立ちます。

<倒産は資金がついえたときに起きます。銀行からどんなに多額の資金を借り入れようが、極端な話、債務超過(負債が資産を上回った状態)であっても、資金が回っているうちは倒産しません>

経営者はもちろん、これから起業する人も、転ばぬ先の杖として、ぜひ読んでおきたいところです。

経営が順調な時ほど、読んでおきたい内容です。

さっそく、内容をチェックして行きましょう!

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洋服のチェーン店でも店舗が10カ所程度になると、物流センターを造って集中管理をしなければ商品が管理しきれなくなる。商品1点ごとにナンバリングし、仕入れ日、上代価格、販売日、粗利などのデータが商品の移動と一緒についていかなければ、ロスやミスは防げない(友禅の館)

東京工場の閉鎖はうまくいかなかった。従業員を説得できなかったのだという。「一人一人に話したのだが、最初の工場でもあり高齢者も多く、転勤や転職は難しい。一時は送迎バスで茨城工場に通わせるという案も出たのだが……」(「SHOEI」ブランドのヘルメットで知られる昭栄化工)

大企業との取引がほとんどなくなると、ナカテックの信用も失墜した。回復するには自社ブランド製品を生み出すしかない。(中略)「技術力を磨くために、大企業の下請けに入る」。小平社長は下請けでいることを完全に否定していたわけではない。大企業との共同開発を通じ、技術力を高めることができると考えていた。実際、「うちの生産技術センターがいろいろと教えていた」(大手取引先)。ところが現実は、小平社長の思い通りに、市場に受け入れられる製品が作れるほどの技術力は育たなかった(ナカテック)

会社が成長するうち、権田社長は「自分は社会に貢献している」との自意識が強くなりすぎ、利益を上げ、会社を存続させるという経営者としての本分を見失っていった。同社の元幹部は、「権田社長は、自分を実力以上に大きく見せようと演出するところがあった」と振り返る(カンキョー)

この「連鎖倒産」に業界関係者は一様に首を傾げる。「カネテツは、もともと取引は現金決済に限るという手堅い会社だった。仕入先にしても、地元の複数の卸会社と付き合いがあったはずだ。それがどうしてA社だけに肩入れするようになったのか。しかも、多額の売買をすべて手形で決済していたのが本当ならば、誰が見ても危な過ぎる」(カネテツデリカフーズ)

「ふきこぼれない鍋」が全国的に大ヒットした。だが、ヒット商品には類似商品の出現が付きもの。格安の類似商品が広く出回り、ブームは終息した。実用新案登録で「物まね商品」を防ごうとしたが、うまくいかず、資金繰りに行き詰まった(セイコー製作所)

「自分が捨て石になる」──。創業者が資金難で自死。生命保険金で会社はかろうじて倒産を免れた。しかし、新社長は人心を掌握できず、幹部が次々に退社した。2億円を投じた新規事業にも失敗し、再生の道は完全に断たれた(Z社)

バブルが崩壊し、百貨店という業態自体の勢いがなくなりつつあった1990年代後半頃から、花園万頭は拡販を狙って首都圏以外の百貨店への店舗展開を始めた。ところが、これが結果的には裏目に出た。「首都圏近郊の百貨店でしか手に入らないという希少性が薄れ、東京銘菓のブランド価値を下げてしまった」と、ある業界関係者は見る。加えて、別の債権者は「商品の味が変わったことが客離れを招いた一因ではないか」と指摘する。この債権者によれば、「賞味期限を延ばすためか、同梱する脱酸素剤の対象商品を増やしたことで、長年の味が少し変わってしまったものがある」という(花園万頭)’

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一時はテレビ新聞やチラシ配布で膨大な数の着物を売りさばいた「友禅の館」、拡大志向の設備投資が裏目に出たヘルメットメーカーの「昭栄化工」、類似品の横行やや新商品開発の失敗で追い込まれたセイコー製作所…。

どの事例も、経営者にとっては他人事ではありません。

一つの判断ミスが、突然死につながる経営の世界。

ぜひ読んで参考になさってみてください。

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『なぜ倒産』帝国データバンク、東京商工リサーチ・協力
日経トップリーダー・編 日経BP社

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◆目次◆

第1章 倒産は「急成長の証し」でもあった
第2章 「想定外」に長引く不況、変化対応が問われる
第3章 経営者よ、「死に急ぐ」な!
第4章 じわり企業体力奪う「跡取り問題」
第5章 経営者の孤独に付け込む「悪魔のささやき」
第6章 優しい行政、続出する「2度破綻」
第7章 「老舗大倒産時代」の到来
第8章 「倒産というカード」の切り方

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