2018年7月19日

『ファンベース』佐藤尚之・著 vol.5075

【ファンを大切にするマーケティング】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448007127X

大企業がオフィシャルにSNSに参加し、有名人、専門家、地下アイドルまでもがオンラインサロンやファンコミュニティをやる時代、「ファン」について考えることは、意義あることだと考えます。

そんな時、書店で目に留まったのが、本日ご紹介する一冊。

電通でマス広告、ネット広告、コミュニケーション・デザインなどに携わり、現在はコミュニケーション・ディレクターとして活躍する佐藤尚之さん、通称さとなおさんによる新書です。

本書「はじめに」によると、<ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして(ベースには、土台、支持母体などの意味がある)、中長期的に売上や価値を上げていく考え方>のこと。

先日ご紹介した、バイロン・シャープの『ブランディングの科学』にも、<マーケットシェアの成長のためには顧客基盤を拡大することが何よりも重要>とありましたが、まさに顧客ベースを拡大するためにどうファンと接すればいいかをまとめた、注目の一冊です。

『ブランディングの科学』バイロン・シャープ・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023316490/

さっそく、本書の中からポイントをピックアップしてみましょう。

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ファンとは「企業やブランド、商品が大切にしている『価値』を支持している人」

瞬間的なリーチは意味がない

主要SNSの月間アクティブユーザー(月に1回以上使うユーザー)は以下の通り。
・ツイッター:4500万人(2017年10月現在)
・フェイスブック:2800万人(2017年9月現在)
・インスタグラム:2000万人(2017年10月現在)
これらの総利用時間の80%をたった20%のヘビーユーザーが専有している。一番多いツイッターで言うと20%とは900万人だ。たった900万人が、ツイッター総利用時間全体の80%を消費しているのである

検索を活用している人はほぼ東京に一極集中している

価値観が近い人が愛用しているモノは自分も愛用する可能性が高い

◆ファンミーティングの典型的な進行例
・最初に企業側(商品担当者)からの挨拶と感謝の言葉
・商品に関するクイズやトリビア大会
・知られざる商品開発ストーリーや開発者の本音の話
・ファン会議と発表
・開発者や現場の社員へのメッセージ
・ファン認定証を受け取ってもらう
・思い出に残る記念撮影

まずファンであることに自信を持ってもらわないといけない。それにはまず「他のファンのオーガニックな言葉を読むこと」だ。そうすると、彼らは急に「あぁファンでよかったんだ」と自信を持つ

マツダは、ロードスターの新車発表会をファン・ミーティングで行った

カゴメは、20年かけて、企業理念に共感してくれた個人株主をじわじわ増やしてきた。そして今や、なんと総株主のうち99.5%が個人株主であり「ファン株主」なのである(そのうち3分の1が主婦層だというのもすごい)

ファン・コミュニティで稼ごうとしない

「この企業はちゃんとしている」という感情が社員に湧くようにする

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<ファン・コミュニティで稼ごうとしない>や、<ファンであることに自信を持ってもらう>など、大事なポイントがいくつもありますが、個人的に役立ったのは、ファンミーティングの運営方法とコンテンツでした。(本文に詳細があるので、ぜひ買って読んでみてください)

ファンが喜ぶ仕掛け、ファンミーティングの結果を商品開発に反映する方法、記念撮影など、「なるほど」と思う取り組みが書かれており、じつに勉強になりました。

最初の90ページくらいは、他の本、情報ソースからの引用が多く、正直退屈でしたが、具体的な話になればなるほど、興味深く読めました。

ファンビジネス、コミュニティ運営をやっている方は必読。マーケター、経営者もぜひチェックしてみてください。

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『突破するデザイン』ロベルト・ベルガンティ・著 安西洋之・訳 日経BP社

<Amazon.co.jpで購入する>
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<Kindleで購入する>
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◆目次◆

第一章 キャンペーンや単発施策を、一過性で終わらせないために
第二章 ファンベースが必然な3つの理由
第三章 ファンの支持を強くする3つのアプローチ──共感・愛着・信頼
第四章 ファンの支持をより強くする3つのアップグレード──熱狂・無二・応援
第五章 ファンベースを中心とした「全体構築」の3つのパターン
第六章 ファンベースを楽しむ(もしくは実行の際のポイントの整理)

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