2018年6月26日

『おいしいものだけを売る 奇跡のスーパー「まるおか」の流儀』 丸岡守、小高朋子・著 vol.5059

【感動しました。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/478550532X

総合スーパーがネットとの戦いで苦しむなか、じつは一部の食品スーパーは堅調な売上をキープしています。

本日ご紹介する一冊は、そのなかでも「奇跡」と言われる経営を実現している、群馬県高崎市のスーパー、「まるおか」をフィーチャーしたビジネス書。

同社社長の丸岡守さんと、食に詳しいフリーライターの小高朋子さんにより、じつに読み応えある内容に仕上がっています。

顧客に広く行き渡らせるのではなく、限られたこだわりの商品を売り切る手法は、かつて靴ブランド「卑弥呼」の創業者が著書『売り切り御免』で述べており、なるほどと頷いた記憶がありますが、それを食品スーパーで実現しているのがこの「まるおか」です。

※参考:『売り切り御免』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861301823/

「イオンモール高崎」の隣に立地し、ナショナルブランドは置かない、どんなに苦労しても自分が良いと思ったものを売る、商品の良さを伝え切る。そんなこだわりの経営を、本書では公開しています。

顧客を教育し、一緒に良い商品を育てていく経営は、まさに商人の鏡。

伝え方のノウハウも細かく書かれており、同業者が読んでも勉強になると思います。(もちろん書店さんも!)

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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自分が良いと思ったものを売ることができない商売に、いったい何の意味があるのでしょうか。私はこの疑問を解くために生涯をかけ、どんなに苦労があっても真っ向から挑み続けようと決めたのです

商品の知名度とおいしさにはまったく関係がない

旬の野菜や果物は、そのときだけしか手に入らないものがあってもよしとします。少量生産しかできない商品は、欠品したら次の入荷まで切らすのは仕方がないのです。
「次にその商品に出合える日や季節が待ち遠しくてたまらない」
そう思っていただけるような魅力あるものを揃える努力をしています

私たち小売店の役割は、日々忙しいお客様に代わって個性的で魅力ある生産者を見つけ出し、その価値をお伝えすることです

ほんのひと握りでいいのです。まるおかを選んでくださる個性的なお客様にとって、最高の店であることを目指しています

こだわり抜いた商品を適切なサイズで売る──当たり前かもしれませんが、とても大切にしていることです

一品一品に真摯に向かう姿勢の積み重ねこそが信用を育む

◆まるおかが考える良い食品の基準
1.食味 2.原料と製造方法 3.添加物や農薬の使用

国産品か輸入品かで区別することはありません。商品に物語性があり、本来の製造法である手づくりに近いものが望ましいと考えます。また、その土地柄や風土から生まれる希少性の高いものなども大切にしたいところです

まず私は、一般的なブロイラーの鶏肉の取り扱いを廃止することを決めました

「奈良漬の粕は洗わないでください! おいしさを流してしまいます。新六の奈良漬は、新しい酒粕を4度も、水を使わずすべて手作業で漬け直しをしています」と書きました。

「味覚は10歳までに完成する 子どもには本物の味を」

商品に実印を捺す

「高いな……」そう思う貧乏ぐせは、親から子どもに間違いなく伝わるのです。しかし、子どもたちに本当に教えるべきことは価値の判断基準であり、味の素直さやおいしさです。価格よりも、生産地や生産者のこだわりや苦労など、教えるべき大切なことはたくさんあるのです

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必需品であるはずの食品が「売り切り御免」できるようになったというのは、おそらく人々が豊かになり、量より質を求め始めたからでしょう。

時代が変わった今、中小小売のあり方は大きく変わりつつあります。

何を基準に、どんな心構えを持って経営に当たればいいか、顧客や生産者とどんな関係を築けばいいか、多くの示唆が得られる一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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『おいしいものだけを売る 奇跡のスーパー「まるおか」の流儀』
丸岡守、小高朋子・著 商業界

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/478550532X/

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◆目次◆

プロローグ 小さい店だからできること
第一章 商品に惚れ込む
第二章 おいしさにこだわる
第三章 「店は客のためにある」を知る
第四章 仕入れは商人の哲学
第五章 おいしさを伝える技と心
第六章 店は人がすべて
第七章 食べものは心を育てる
エピローグ これからもおいしさにこだわって

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