2016年5月29日

『実践版 三国志』鈴木博毅・著 vol.4331

【人生戦略書としての『三国志』】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833421704

ちょっと前のことになりますが、日本一の投資家と謳われた、竹田和平さんの会社にお邪魔しました。

和平さんの会社には、歴史上の偉人の顔型を写した巨大コインが並べられたライブラリスペースがあり、どの時代にどんな人物がなぜ活躍できたのかわかるように工夫されています。

仕事で成功したいと考えた時、ロールモデルを得るというのはもっとも手軽な方法ですが、たまたま時代の過渡期にあって、ロールモデルが見つからない時はどうするか? そう、歴史を学ぶのです。

本日ご紹介する一冊は、歴史上の偉人をロールモデルに、自らのキャリアを考えることができる、画期的な一冊。

具体的には、三国志の主人公、曹操、劉備、孫権、そして軍師である諸葛孔明、司馬懿などの人生を元に、読者が自分のキャリアと人生を考えることができるよう、工夫されています。

劉備が愛読したという兵法書『六韜(りくとう)』の解説もあり、戦略書、人生訓としても、重宝する内容です。

著者は、ベストセラー『「超」入門 失敗の本質』、『実践版 孫子の兵法』の著者で、戦略・戦史の専門家、鈴木博毅さんです。

※参考:『「超」入門 失敗の本質』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016879

※参考:『実践版 孫子の兵法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420953

『三国志』という題材の良さも手伝って、じつに興味深い読み物、そして教訓の書に仕上がっています。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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転換期には、上手くいかない民衆が増えて、怒りや不満も広がります。新時代のリーダーは、民衆の怒りのエネルギーを新たな達成に転換していきます。

彼の軍団が、優れた人材たちに混乱させられなかった理由は何か。曹操が、「仕事に人をつける」ことを徹底していたからです。

劉備はキャリアの行き止まりを予感した時、迅速にそこから離れました。

劉備は、40代半ばで、自分こそがブレーキだとやっと気づいたのです。戦略や軍事の分野で自分を頼ることが限界を生み出していたのです。

自分が情熱を注ぐことが出来る、花開くまえの機会を見つけよ

◆司馬懿の言葉
「状況がぜんぜんちがうではないか。あのときの孟達は、兵力こそ少なかったが、一年分の食糧を蓄えていた。それに対し、わが軍は、軍勢こそ相手の四倍もあったが、兵糧は一か月分しかなかった。一か月で一年分を相手にするんだから、速戦即決以外に策はないではないか。だから、犠牲をかえりみず、兵糧のなくならぬうちにと考えたのだ。ところが、こんどの場合は逆だ。敵は兵力こそ多いが食糧不足に悩んでいる」

人生の成否を決めるのは、その人の一番弱いところである

孫権の兄孫策は、「戦闘で勝つことではお前は私にかなわないが、部下をまとめて江南の地を安定化させることでは、私はお前にかなわない」と言い残しました。ところが父劉備は、子の劉禅にそのような新たな目標を与えませんでした(中略)劉備の言葉には、劉禅が主人公になれる目標が具体的に描かれていません

◆超訳「六韜の兵法」早わかり!から一部紹介
能力の高い人物は、それに応じた大きな餌(待遇)で集めて仕えさせよ。釣り上げた人物の能力が高いほど、あなたが手にする領土も大きくなる。天下を手に入れるには、独り占めせず、万民と天下を共有することだ。

国家を治めるのにもっとも大切なことは、人民を愛することである。人民を愛するとは、人民に有利なことを行い、損害を与えないことである。

人の資質は、金、地位、重い責任、危険な場面、仕事を与えて行動を観察せよ

将たる者の威信を確立するには、地位の高い者でも罪を犯せば罰すること。将たる者が軍の力を引き出すには、地位の低い者でも功があれば賞すること。

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登場する人物の数が多いため、途中、若干混乱しましたが、著者が教訓を上手にまとめてくれているため、『三国志』に詳しくない方でも、苦労せずに通読できると思います。

リーダーとして、また個人として、いろいろと考えさせられる内容でした。

ぜひチェックしてみてください。

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『実践版 三国志』鈴木博毅・著 プレジデント社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833421704

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◆目次◆

はじめに 特別な才能が同時代に生まれた三国志の時代
第一章 乱世とは過去の権威が、崩れていく時代
第二章 三国志、一瞬の輝きで消えた人の「失敗の本質」
第三章 なぜ、劉備はわらじ売りから皇帝になれたのか
第四章 呉の孫権、家業を繁栄させた3代目の若頭
第五章 曹操を選ばなかった諸葛孔明の狙いとは
第六章 すべての諸葛一族を滅ぼした司馬氏
あとがき 乱世を生き抜くための、最高の教科書
超訳「六韜の兵法」早わかり!これが劉備の読んだ兵法だ!

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